「大半の鑑賞者は見たことを後悔する映画だと私は思う。」林檎とポラロイド いなかびとさんの映画レビュー(感想・評価)
大半の鑑賞者は見たことを後悔する映画だと私は思う。
高評価も多いが、私は鑑賞して観たことを後悔した。もう、二度と観ないだろう。テレビ放映で無料なら見るかも。聞き慣れない言語だと思ったが、ギリシャ語だった。
描かれるのは、孤独な中年男の身辺雑記である。突然、記憶喪失になる奇病が蔓延する。主人公にこの病気が発病し、病院で治療することになる。記憶を取り戻すことは困難で、人生を再教育するプログラムが始まる。
記憶喪失になれば、通常ならば自分が何者なのか必死に探し求めるだろう。ところがこの主人公、淡々と再教育プログラムをこなすだけである。感情をあらわにしない。昔、住んでいたアパートで飼われていた犬に偶然、街中で出会いその名を呼ぶのだ。全ての記憶を喪失したわけではないようだ。けれど、犬の飼い主を辿れば、自分の身元が判明するのにその場から逃げるのである。
同病の女性から好意を持たれて、誘われているのに応じようしない。どうやら、主人公は過去の出来事を受け入れることが出来ず、現実から逃避しているようだ。最後におそらく妻の墓を訪れたことから、妻の死を受け止められず、現実逃避する現代人の孤独な魂を描いた映画だとわかる。感情を喪失したのもそれが原因だろう。
オーブンリールのテープレコーダやカセットテープレコーダーが使われている。1970年代までは利用されていた。当時のギリシャは軍事独裁政権だっと思う。閉塞感から奇病が流行ったかもしれない。
とにかく、友人には勧めない映画だ。
コメントありがとうございます。
スパイ大作戦!確かにw
プログラムは、人はみんな様々な経験を経てそこに至っている。というのを前提に、それをMISSIONという形ではあるけれど、経験させるのが目的なんだろうな…と私は観ていました。