「素晴らしき折り紙映画」ソング・トゥ・ソング 小松菜さんの映画レビュー(感想・評価)
素晴らしき折り紙映画
これは折り紙映画である。
客は投げられた言葉や映像という折り紙を、自分の自由な意思で折って鑑賞することができる。
それを象徴するように演者たちは自由に画面のなかで踊る。彼らは「筋が無いに等しい」余白の中にいる。彼らには脚本ではなく自由が与えられたのだ。
監督は詩人だ。詩人は言葉を紡ぐが、その言葉で他者を縛るのではなく自由を与える。散らばったドングリや木の葉が子供たちの創造性を作り出すように。
折り紙は本来、日本人の作った遊びだった。しかし私達は折り紙で遊ぶ余裕を忘れてしまったように思う。私達の生活には余白がなくなってしまった。
そう感じていた私の目には他の映画は忙しないように感じたのだ。筋を運ぶために、巨大な一つの構造物を作るために動いている人々の姿が。
この映画はそれを映し出してくれた素晴らしい映画である。
まだ観てないけど。
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