「写真集をめくっているような感覚」ソング・トゥ・ソング yookieさんの映画レビュー(感想・評価)
写真集をめくっているような感覚
2020年の映画納めに𝐬𝐨𝐧𝐠 𝐭𝐨 𝐬𝐨𝐧𝐠鑑賞。エマニュエル・ルベツキが撮影監督を務めただけあって、その映像美は言うまでもなかった。まるで上質な写真集をめくっているようだ。これは誉め言葉ではあるが、逆もしかりで。その”写真”はバラバラに並べられていて、時系を追うのが難しい。どの時点の彼らを見せられているのか、カット割りも多くかなり混乱する。実際の上映時間より体感は長く感じた。パティ・スミスとルーニー・マーラのやりとりのシーンが好きだ。人間の脆さ、危うさ、優しさが、悲しくも美しく描かれ、教会で宗教画を眺めているような、静かに向き合う映画だった。
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