トゥルーノースのレビュー・感想・評価
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私は「誰」になったのだろう?
希望という単語は、安易に用いるべきではないようです。それでも…。
生きることは、罪ですか?。
服にいっぱい勲章ぶら下げたおじさん達に、誰か問い合わせて!。
ヒトは、暮らしやすいように、クニをつくりました、みんなでルールをつくって、みんなでルールを守る。クニが最大数のヒトを、幸せにするはずでした。でも、現実は…。
既得権を守りたいおじさん達に守られた将軍様と、ポピュリズムの権化みたいなおじさんが、会談したぐらいで世界が変わると思っていた私こそ、浅はかだったのですが、何も変わらない世界と、変わることを希求する人の想いは、どうしたらいいの?。
私は「誰」になったのだろう?。私の希望は、誰に届くのだろう?。
何もできなくて、ごめんね。
あくまで物語を
生きたからには
希望が持てなければ
明日を信じられなければ
周りの人とわかり合えなければ
自分を越えて、他者のために生きられねば。
決して幸せとは言えない。
食べて、寝て、排泄して、その繰り返しを味わうために生きているのではない。
喜び合い、悲しみ合い、助け合い、支え合い、合い、、、愛。
愛が生命に彩をもたらすのだ!
洒落ではない、所詮1人では、単なる生存者。
真に生きていきたいなら、他者を愛し、自己を愛し、この世の全てを愛する努力を続けていかねばならない。
日本で生活していても、資本主義の下では何でも損得で測られてしまう。
ただ差し伸べる手に、理由なんてなくていいじゃないか。
自分のために、人のために、社会のために、ために、ためにが過ぎる、、
もっとシンプルで、誠実で、正直でありたい。
そして最後に、この物語が今でも現実なのだとしたら、日本に生まれて当たり前に平和を享受させていただける境遇への深い感謝と共に、一刻も早い解放、解決を強く望みます。
尊厳と開眼
苦難の行軍と呼ばれる飢餓が始まるきっかけとなった水害のあった1995年、平壌で暮らしてた小学生の少年と母親及び妹が、ある日突然強制収容所に連行されて巻き起こる話。
カクカクポリゴンのアニメーションで、冒頭ほんの少しだけ朝鮮語はあるけれど、ほぼ全編英語のセリフに日本語字幕。
脱北した青年が、トークショーで当時を語る体で始まり、翻訳家をしていた父親がある日帰って来ず、訳も判らないまま強制収容所に送られる家族をみせていく。
テレビやネット等で脱北者が語る話をいくつも見たり聞いたりしたことはあったけれど、アニメでマイルドではあっても再現としてみせられと、やはりショッキング。
国の為、国民の為?これのどこが共産主義ですか?
腐敗した傍若無人な軍人と収容者の暮らしっぷりは、ほぼ知識無しで観たらにわかには信じられないし、衝撃的過ぎるんじゃないかと思われる程。
実際隣席のご婦人は何度かぼろ泣きしてたし。
機微の部分とかは少しキレイに書かれ過ぎている印象もあったし、拉致されてきた日本人が出てきたり、エピソードはどこまでリアルか判らないけど、とても良かったし知るべき観るべき作品と感じた。
特殊な世界だけど普遍さを感じる不気味
もしかして北朝鮮では今も恐ろしいことが起こっているのかも、、、という潜在的な危惧が衝撃を持って現実なのだという確信に変わるアニメ映画。吹替のように北朝鮮人が英語を喋っていることで、世界への発信という映画の使命感が体で感じられる。しかもそれはアウシュビッツ収容所とか、シベリア抑留とかと違って、地理的にも時代的にも決して遠いものではないのだ。
一方で、どんな状況にあっても人に対する思いやりと音楽を忘れない人の気高さにホッとさせられる。(何れにしても「愛の不時着」がいかに優れたファンタジーだったかを認識させてくれる。まあシリアスに比べるのは野暮である)
生殺与奪の権利を奪われてしまった主人公が、自分と家族が生き延びるために良かれと思ってとる悲しい選択、歪んでいく行為、、、おっと、これは人ごとではなく同じような構造の事件は多かれ少なかれこの国でも起きているのではないかと途中背筋が寒くなった。(蛇足ですが、保身のための余分な忖度とかのこと、です。6/7追:いわゆるパワハラや、いじめる側・いじめられる側が入れ替わるいじめ問題なども含め)
事実にインスパイアされたフィクションとしてのプロット、いいと思う。ラストがまたまたズキュン!である。
恐ろしい現実を直視する難しさ
打ちのめされた
自由は当たり前のものではない
在日朝鮮人帰還事業で大阪から北朝鮮に渡った一家
いまの感覚だととても信じられないけど、北朝鮮が地上の楽園って喧伝されてて、そうかもしれないって移住した人たちの物語
あえて今の今、バーチャファイター2くらいの粗さのポリゴン画像なんだけど、マスゲームとか含めた北朝鮮のトチ狂った感じはどこかお伽噺のようでもあるのでその違和感が逆にリアル
主体思想と監視社会の中で、お父さんが検察に目をつけられていなくなり (ってのが怖い)、家族も危険思想持ちとみなされて、小さい兄妹ともども強制収容所に送られてしまう
非人間的な生活を強いられるモロクロームの閉じられた世界の中で、主人公に錯綜する自己中心な身勝手さと互助の思いやり、途中から音楽と一緒に流れ込んでくる色彩の素晴らしさ
よい映画でした、自由ってほんと大事
人類に存在する最大かつ最強の集団 「国家」
今も尚、北はアウシュヴィッツ
監督のモットーとしている「難しいけれど重要なことを、楽しく分かりやすく伝える」が凝縮されている作品であった。
謎多く、嘘多い(これは日本も該当するが)北朝鮮のトゥルー(真実)を知る上で、この作品は非常に欠かせない秀作だと痛感した。
映画にするまでにかけた長き歳月は、辛く重たい時間であったことだろうと察します。
人間として【無関心】でいてはならない内容です。
今も尚、この環境が続いているだけでなく酷いことに増殖しているのであれば尚更。
収監された人の中に、【私は日本で拉致されてここに連れられて来た】とあったが、誰なのか非常に気になってしまった。
北朝鮮と言う名の
アウシュヴィッツだ。
あまりにも酷すぎる。
そもそも【一族が一国を永年に渡り牛耳る】こと自体大きな間違いであり、あってはならないことなのだ。
昨今、ネットやマスゴミに洗脳されやすい脳になってしまった【無関心が得意】な日本人は観るべき作品であり、もっと沢山の映画館で上映されるべき作品だ。
最低限のテクスチャとポリゴンが伝える現実
人は一定程度の辛い現実を見せられた時には涙を誘われるものだけど、限度を超えると泣くことすら忘れてしまう。
北朝鮮の現実について、わたしたちは漏れ伝わる一部しか知らないし、果たしてそれが真実なのかを当事者の証言だけで判断するのは難しい。けれどもこの映画は、憐憫の涙すら観客に許さないくらいの過酷な現実を突きつけてくる。
敢えて採用したと思われる、最低限のテクスチャとポリゴンで構成された3Dアニメーションの抑えた感情表現が、かえってものがたる体験に真実味を増している。生ぬるい現実を生きているわたしには想像も及ばない。けれどそんな中奏でられた「赤とんぼ」には揺り動かされた。
わたしには、おそらく眺めていることしかできない。こんな過酷な現実が本当にあるのなら、どうか人が人らしく生きられる時代が早く訪れるよう、祈ることしかできない。
やっと観れた。観て損することはない
ポリゴン顔に泣かされる
#44 何のための強制収容所?
本人達は身に覚えがないのに強制収容所に入れられてしまう、本当の目的は何?
見せしめ?安い労働力が欲しいから?
こんなことしてたら国民の理解が得られず国が崩壊してしまうと言われ続けて何十年。
未だにかの国が存続していられるのは何故だろう?
この映画を全編英語のセリフで作ったのは世界の人に北朝鮮の事実を知って欲しいからだよね?
色々話は聞いていたから本作を観て衝撃を受けるほどではないにしろ、誰かあの国を植民地化して欲しい。そして民主化して欲しい。
この映画がきっかけで少しでも🇰🇵の人々の暮らしが良くなればな。
生きる指針を問われる映画
『トゥルーノース』を見る前にこのレビューを読んでいるあなた!
さては、見るかどうするか迷っていますね。
大丈夫です。このレビューに辿り着いた時点で既に興味があるのですから、絶対に見て損はありません。
ものすごい映画の誕生に打ちのめされることでしょう。
ガッツリ社会派ながら、しっかりエンタメ!
ドキドキハラハラにユーモアやロマンスまで。決して堅苦しくて重いだけの映画ではありません。むしろ人間の営みや自然の摂理を描くシーンに大号泣。
替えのマスクが必要でした。
タブーに切り込み、映画が持つ力を再認識させてくれる骨太な作品。
個人的には第3回大島渚賞を差し上げたい!
人間の尊厳や生き方を問いかける映画ですが、決してこれは過去ではなく“今”の物語。見上げる空は繋がっている。
カクカクしたキャラクターに違和感がある人。
はい。よくわかります。私も予算が足りなかったのかな?なんて思ったクチですから。
監督がトークショーでおっしゃっていたのですが、今も現実に12万人が収容されている強制収容所の事を知って欲しいけれど、リアルに描くとトラウマになりかねない。
適度にリアルだけど一定の距離を置いて観られるように調整した結果、あのデザインになったそうです。
(詳しいトークショーの内容はtumblrや公式サイトで読めます)
映画産業でもユダヤ系の方々が力を持っているのは紛れもない事実なので、ドイツの強制収容所の物語が映画化される機会は多めですが
北朝鮮の強制収容所に関しては、まだまだベールに包まれており、暴くことで少なからず軋轢が生まれる…韓国では作るのが難しいであろうテーマを、なんと日本/インドネシア合作で作り上げたところが凄い!
在日コリアン4世である監督ならではの偉業と言えるのではないでしょうか?
私が子供の頃、近所の焼肉屋さんの友達が日本人の名前とは別の名前を持っているのが羨ましかったけれど、後で歴史的な背景を知ってショックでした。
日本からの帰還事業で朝鮮に渡った約9万3千人の内の2割~3割は、そのまま収容所に送られたそうです。
監督の家族も、私の友達の家族も“日本に残ることを選択した家族”になるわけですが、“帰る”選択をしていたら、運命は大きく変わっていた。
もちろん、収容所に送られた中には、日本人妻や子供たちも含まれています。
間違いなく、日本の問題でもあることに気づきました。
インドネシアが出資しているところも興味深いのですが、実は監督が東南アジアのアニメーターネットワーク「すみません」を作ったからで、
映画の前後に可愛いワンちゃんの絵で「すみません」と謝ってきますww
監督は本当に面白い方で、物議をかもす映画だから、とりあえず先に謝っておこうと団体名にしたそうです。
(詳しくはトークショー記事をお読みください)
時に映画は社会を動かす力を持っている。
『トガニ』や『ロゼッタ』のように1本の映画が社会を動かすことだってある。
それは映画のエンターテイメント性が人々の心を動かし、どんな映画でもドキドキハラハラの中で主人公の喜びや悲しみに寄り添った半擬似体験を生むからに違いない。
ちょうど従兄弟ぐらいの距離感の出来事に感じられます。
12万人と数字で聞くと驚き圧倒されるけれど、そこに一人一人の顔や人生が見えた時に初めて身近なものに感じ、向き合うことができるのではないでしょうか?
(『パトリオット・デイ』のレビューでも書きましたが)
映画のタイトル『トゥルーノース』には英語の慣用句としての「絶対的な羅針盤」の意味が込められているそうです。
この映画が描くのは「北の真実」だけではなく「どう生きるのか?」自分の生きる上での指針を問われる映画です。
拡張し続ける収容所が不気味
試写会で鑑賞。
思ったほど重くなくスルリと鑑賞できる。
ポリゴンの粗さが逆にいい味になって、変にアニメしてないし、実写ほど重くないし狙っているのだろう思ったら、鑑賞後のトークイベントで監督が同じようなことを言っていたので、まさに狙い通り。
娯楽映画というより教材っぽいかな…いい意味で。
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