「過酷な現状を世界に知らせる意味」トゥルーノース kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
過酷な現状を世界に知らせる意味
ウイグル自治区や北朝鮮の強制収容所を当事者以外が批判しているのがあまり好きではない。中国憎し、北朝鮮憎しに利用されている感じがするから。でも中国や北朝鮮のやっていることに怒りが覚えるのも確か。この手の話題は居心地が悪くなる。
脱北者からの聞き取り調査から作られたこのアニメーション映画は、それでも観ておかなければという気持ちにさせる何かがあった。
実際に観たら収容所の生活は相当に酷かった。アニメだからまだソフトに見えていたけど。彼らがなぜ収容所生活を強いられたのかが実はハッキリしない。義理の息子が韓国のラジオ聞いたという理由だったおばさんがいたくらいなんだから、相当にひどい。で、収容所の色々なエピソードが積み重なって、さぁいよいよ脱出ということになるのだが、その展開になるほどと唸ってしまった。エスケイプものとしてかなりレベルの高い脚本だ。
それにしてもこの話が20年も経っていないことに驚く。いや、今も続いている話でもある。韓国の光州事件を扱った映画でも似たようなことを言っていたが、この現状を世界に知らさないといけない。こんな自分でも本当にそう思う。
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