「老人たちのリアルが間近に見れる。」83歳のやさしいスパイ ナイン・わんわんさんの映画レビュー(感想・評価)
老人たちのリアルが間近に見れる。
記憶が飛ぶ老女たちのあやふやな悲しみと恐怖感が83歳の男性目線から汲み取れる不思議な映画。
監督は元々私立探偵の事務所に撮影許可を得て、ミステリーっぽいドキュメンタリーを撮ろうと探偵の仕事を撮影をしていると、介護施設への依頼が入って、撮影内容の方向転換したらしい。この映画の目的「ソニアの娘からの依頼で、潜入捜査をするのでセルヒオさん お願いします。」となるのだが、、、
施設に撮影スタッフを潜入させる為に「介護施設のドキュメンタリーを撮る」と許可をとってマイテ・アルベルディ監督はスタッフを送る。
同時に探偵会社は面接の中からセルヒオ・チャミーさんをスパイに雇う。
面接の段階から撮影は始まっている。
だからセルヒオさんの潜入後も老人たちの行動も、夜中以外は高画質で撮影出来ている。
しかし観客には説明が無いのでドキュメンタリーぽく見えない。探偵やセルヒオさんが役者に見える。娘さんも。
とても不思議なドキュメンタリーで「本当か? ヤラセじゃないのか?」とも思う。たぶんリアルである。 まぁ 観てて面白いけど。
「えっ ここで終わるのか!?」と言うエンディング。結構、鑑賞中に考えさせられてたので。
と言うのは、この映画がセルヒオさんへのドッキリなのでは? とか「老人の潜入スパイ」と言いつつ別のドキュメンタリーなのでは? とか、ターゲットは施設全体なのでは?
ターゲットのソニアの娘が依頼人と言うのは嘘っぽく感じていたから。
そもそも探偵会社のA&Aには別の目的があったのでは? 本当の目的は? と言う感じで観ていたから、呆気なく終わった感じ。
本当のドキュメンタリーなのだからしょうがない。だらだらと書いたが、感想がまとまらない。
後から施設側の許可を経て、ドキュメンタリー映画として上映するんだろうが、入居中の老人たちには許可をとったんだろうか? とか考えさせられる変な感想になった。