劇場公開日 2021年7月9日

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「いやはや、すごいドキュメントでした」83歳のやさしいスパイ バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0いやはや、すごいドキュメントでした

2021年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

まさか、ドキュメンタリーだったとは・・・。
予告編を見た時からドキュメンタリーだなんて微塵も思ったことはありませんでした。こういう作り方ってあるんですねぇ。よくぞ作品として仕上げましたね。想像し難い準備をした制作陣に敬意を評しますが、囮捜査みたいで、ちょっと引っ掛かるところはありますが。

作品を奇跡的なものにしたのは、セルヒオさんの人間性、人間力でしょうね。コミカルで、温かくて、優しくて、彼が纏っているものが作品の中にふんだんに現れている気がします。そのオーラが在所の高齢の方々の心をちょっとだけかもしれませんが癒したんだろうなぁって思います。
それがそのまま映像になっているような作品です。

そんなセルヒオさんの行動を見ていると「調査」という名目ではありますが、在所の方々に近づき、たくさんお話をしているんですよね。どんな状態の方でも分け隔てなく。きっと楽しかったでしょうね、お話しできた方々は。職員でもないのに、あんなに心に寄り添う会話はなかなかないのではないでしょうか?その中で真実の悲哀と喜びを浮き彫りにできたのは見事ですね。
ただ、セルヒオさんだったからできたんだと思いますから、ラッキー作品な気もします。
けど、セルヒオさん自身が話す自身の結論は胸を打ちます、あれは演者というくくりは関係なく高齢者として当事者としてのリアルな声だと思うからです。

セルヒオさんは素人だったのかなぁ?がまだ疑問です。プログラムに書いてあるのかなぁ?あと、女性ばかりのエピソードでしたが、意図的だったのかなぁ?がちょっとモヤモヤします。

バリカタ