「エターナルズは、永遠に行き続けられるわけではなかった」エターナルズ kazzさんの映画レビュー(感想・評価)
エターナルズは、永遠に行き続けられるわけではなかった
長い!
そして、アンジェリーナ・ジョリーが主役じゃなかった(^^;
が、初お目見えのスーパーヒーローたちが人類滅亡を阻止するまでを描ききったところは評価できる。
10人もいるのに、それぞれの能力をキチンと紹介する構成の上手さを感じた。クライマックスは三つ巴の大混戦なのだが、個別の戦闘能力を発揮した局地戦が同時進行で展開して盛り上がる。
クロエ・ジャオ監督はこんなアクション大作もちゃんと撮れるのだと驚いた。やはり自然を背景にしたロケーションが多かったように思うが、MCUでは珍しいラブシーンを野外でなくても…とは思った。
それはさておき、才能ある人は何でもこなせるのだと、感心しきり。CGクリエーターの力もあるとは思うが。
MCUの世界観は継承していて、サノスとアベンジャーズの戦いの後、人類が復興をとげた世界が物語の舞台。
エターナルズ10人は、7000年もの間地球のどこかにいて人類を見守っていたというのだから、なぜアベンジャーズと共に戦わなかったのか…と、当然なるわけで、一応それに回答はされている。ディヴィアンツとかいうクリーチャーから人類を守ることだけが彼らの使命たったのだ。
神ならぬ絶対的存在セレスティアルズがエターナルズを地球に送り込んだ目的は…何だかエヴァンゲリオンの人類補完計画みたいな展開で、文明の発展の裏にはその絶対的存在による恐ろしい意図があったようだ。
とにかく、神だか悪魔だか全能の支配者だか何だかが、地球人類の粛清あるいは殲滅を図るという話は、今やヒロイックファンタジーの定番だ。
チームのリーダーとなった主人公が自分の資質に悩む姿を織り込んだり、信じていた仲間によるどんでん返しがあったり、一つ一つに目新しさはない。
そんな既存のアイテムを工夫を凝らして紡ぎあげることで、新たなストーリーを構築していると言える。
意味不明の理屈をもっともらしくキャラクターに語らせて押し切るのも、常套手段だ。
そもそも、サノスのために人類が半減してしまって計画が狂ったのなら、セレスティアルズの力があればサノスを倒せたのではなかろうか。
個人的には、アベンジャーズとは切り離した方がよかったのではないかと思う。反って足かせになってはいないか、と。
ただ、ハリウッドが誇る才能ある脚本家たちや監督たちが、この後も見事な辻褄合わせを見せてくれるだろう期待もあるにはある。
アベンジャーズの生き残りたちと絡んでいくのだろうか…
エターナルズは死なない存在なのかと思ったら、年を取らないだけだった。
普通に人間のふりをして職業まで持って生活をしているようだが、同じ場所に何年留まっていられたのだろうか。
さすがに10年経っても老けなけりゃ、不思議に思われるだろう。
生活圏を転々としていたとして、職業も都合よく転々と渡り歩けるものだろうか。
…と、ファンタジーに野暮な理屈を持ち込んではいけない。
エターナルズは最終目的はともかくとして、人間に寄り添ってきた存在だから、ついつい生活感に根付いた〝野暮な〟勘繰りをしたくなります。私もそうでした。
kazzさん、共感&コメントありがとうございます。
MCUは話が入り組んでいて、ついていけない部分も多く、ついつい勢いだけで観てしまいます。でも、「セレスティアルズの力があればサノスを倒せたのでは」というのはごもっともです。今後の辻褄合わせに期待ですね。