劇場公開日 2021年11月5日

「MCU映画「エターナルズ」エピソード1は低空スタート」エターナルズ エチゴゴンザレスさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0MCU映画「エターナルズ」エピソード1は低空スタート

2021年11月21日
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鑑賞方法:映画館

興奮

難しい

寝られる

上映時間170分
映画作品では完全に新しいヒーロー達が登場した。十人の宇宙からやって来た生命体が
エターナルズとして、地球を舞台に戦う。

鑑賞後の感想としては、MCUの中では凡作、もしくはそれ以下の作品だと感じた。
まずはじめに、これまでのマーベル映画の醍醐味とも言える、スーパーヒーローの
ド派手でイカすアクションシーンが他の作品と比べ、少ないことが、凡作に留まると言える理由の一つである。
170分という長尺に対し、アクションが少ないため、どうしても退屈してしまう。
アクションが少ない理由としては、
・紀元前から現在までの時間を描いている
ため、設定の説明や過去を語るシーンが多め
・2015年に長編映画を初めて監督した監督の初のアクション作品であること
などがあるのではないかと思う。しかし、アクションが少ないだけで、実際の戦闘シーンは申し分なく、素晴らしい。
ゲームオブスローンズでロブを演じた、マッデンや、新感染のマ・ドンソク、マレフィセントのアンジー等々、名優によるアクションは見る価値がある。
ただし、それぞれのヒーローの能力は少し斬新さにかけるところはある。
例えば、高速移動系の能力。
クイック・シルバーやDCのフラッシュがいる
その他にもスーパーマンやワンダーウーマン
ブラックパンサーのティ・チャラの妹に似たのもあり、目新しさはないのは残念だった。
また、映像が暗めなことが多く、自然光をよく使う監督であることもあってか、臨場感はあっても、見づらいこともあり、目が疲れる

そして、もう一つ凡作と言える点としては、
敵は地球外生命体、地球を守る側も地球外生命体。地球が危機に陥った原因も地球外生命体。人類は完全にモブ、背景として扱われており、人類がどう対応していくのか、
アベンジャーズがエターナルズを「味方とみなしているのか」それ以前に、「認知しているのか」などの内容があまり描かれておらず、話についていきにくかった。
これからに期待である。

ストーリーに関しても、結末に違和感を覚えた。決戦バトル!!で決着ではなく、なんとなく締まらずに終わった。次回に続いているから致し方ないのだが、頂上決戦といえるバトルがないのが残念。

悪い点は正直これ以外にもあるが、劇場や
配信などでそれも含めて鑑賞してみて欲しい
あくまでMCU作品として凡作なので、楽しめないことはないはずだ。

良い点を付け加えておくと、
エターナルズの能力は全員が最強クラスに戦えるように設定されておらず、戦闘要員として攻撃に特化したメンバーも居れば、
マインドコントロールや幻想創造、物質変換、治癒などの能力の戦いには不向きなメンバーもいるため、バトルシーンは単純な殴り合いではなく、頭脳的な面でも多様性が生まれていて面白い。
また、個人的には、キット・ハリントンがマッデンよりもいい役をもらっているのが嬉しかった。(本作では脇)
そして、今回一番カッコ良かったのは、
バリーコーガンだと思う。嫌な奴の役が彼にはとても似合うと思うが、それかと思ったら実は聡明で優しい。戦闘服姿が一番カッコいいのも彼だと思った。是非見てみてほしい。

アジア出身の監督というだけあって、ドンソクを始めとして、アジアにルーツのある俳優や描写があり、マーベル作品には目新しい点もある。また、人種や性的マイノリティーにおける社会的差別や不理解へのアンチテーゼとしても強い信念を感じる。インディアンの居住区で撮影を行ったことがある。など、社会的な不利益を抱える人々に対して理解があるのだろう。

おわりに、本作エターナルズは、これから成長していくことは間違いない。第一作が自身を持って高評価と言えないのは残念だが、次回作は、キット・ハリントンやスタイルズらが活躍すると思われ、きっと、次回は良い作品になる。そこで個人的には、アベンジャーズとの関わりや人類との繋がりを描いていってほしい。
MCU作品として受け入れがたい人は多いだろうが、続編がある以上成長を期待したいし、
MCUファンなら見るしかない!

エチゴゴンザレス