「知られざる裏世界史を紐解くドーモくん。」エターナルズ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
知られざる裏世界史を紐解くドーモくん。
最初から半月状の地球が胡散臭かった。影になってる部分にも星が輝いていたため、編集ミスかとも思っていたが、終わってみたら、あの巨大なセレスティアル、ティアマトが光っていたのだったのだと勝手に解釈した。
まぁ、壮大な叙事詩すぎたり、自然光の撮影によって暗い画面が続いていたり、神々し過ぎたりしたりして眠くなること必至。7000年もの間、エターナルズの面々が戦ってるとき以外は退屈してたんだろうな~などと可哀想にも思えてくる。そんな時の流れの無情さ・無駄を感じさせるピンクフロイドの「time」から始まり、新しい生活を迎える未来を感じさせるフォリナーの「衝撃のファーストタイム(feels like the first time)」という嬉しい選曲でした。
全体的にはメリハリが弱く、笑えるところでなかなか笑えないのが難点。イケアとかBTSとかいきなり出されてもねぇ。そんなお笑い担当のキンゴ。どうせならお笑いビームで戦いも面白ければもっと良かったけど、車のナンバープレートが「KINGO」だったのには一人で笑ってしまった(どうも職業柄、ナンバーに気を取られます)。
上映時間も長すぎるのが難点でしたが、ギリシア神話をモチーフにした名前をつけたメンバー数人。アンジェリーナ・ジョリー演ずるセナがいい。発音は“テナ”に近いし、戦いの神と呼ばれることからギリシア神話のアテーナだとわかる。イカリスもイカロス伝説に因んでいるけど、これがスプライトの発想によるものだということに驚き。つ、つまり、ギリシア神話自体がスプライトの創作によるものだったのね!そんな少女のまま7000年過ごしてきた彼女の苦悩も計り知れないところがあり、ティンカーベルと揶揄されたところも悲しかった。
メソポタミア、バビロニア、グプタ帝国などなど、世界史の勉強のもなるし、エンドロール時に流れる映像からすると、歴史上の人物の中にもエターナルズのメンバーがいたに違いないと想像させられる。何しろボリウッドスターのキンゴが祖先だと偽ってスターであり続けたんだから。
また、エロスとピップという隠れキャラも登場したことで、今後のエターナルズがどうなっていくのか。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』やサノスとの絡みが複雑になっていく予感もあります。そしてギルガメッシュ復活なるか?!あの深夜番組ギルガメッシュナイトではありません・・・そうそう、ギルガメッシュといえば石ノ森章太郎を思い出し、エターナルズそれぞれの能力を発揮させるところは『サイボーグ009』をも思い起こします。