劇場公開日 2021年11月5日

「MARVEL x 人類 x 愛(情)に、"多様性"を加えたMCU26作目。」エターナルズ アルさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5MARVEL x 人類 x 愛(情)に、"多様性"を加えたMCU26作目。

2021年11月6日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

人種、障害、LGBTなど様々な多様性を含んだ10人のエターナルズを紹介しつつ、余りにも壮大過ぎるストーリーを進めるには、2時間半は短か過ぎたか。
サノスの"指パッチン"の辻褄合わせも含めて、全体的にかなり上手くまとめていたと思うが、それぞれの"個性"の魅力が伝わりにくく、説明が冗長になってしまいどちらかと言うとテンポは悪い。

【アベンジャーズ】に比べて、個々が持っている能力に派手さは無く、全体的にアクションも抑えめ。その分見た目のインパクトも弱め。信じる正義と愛する家族という倫理的・哲学的な観点がメインの為、予告編の流れからド派手なバトルの連続を期待していると肩透かしを喰らう。

ディヴィアンツの設定がどうにも勿体なく、醜い化け物な分、共感しにくく薄っぺらく感じてしまった。後半の展開を考えれば、もう少しディヴィアンツをストーリーに深く絡めさせられた気もする。

と、期待が大き過ぎて、つい厳しめに書き出てしまったが、個人的にギルガメッシュとファスティスのエピソードが好き。哀しくもあり、人を愛する形が明確で人間らしくて○。セルシ演じるジェンマ・チャンの神秘的な雰囲気も素晴らしく、引き込まれる様な魅力が良かった。アンジー演じるセナの精神的な不安定さと、裏返しの強さ、アクションもさすが。マ・ドンソク演じるギルガメッシュの一撃が、IMAXで身体の芯に響くのも心地良く、クセになる。

エターナルズ含めて、ただ長く生きるだけでなく、それぞれの考え方で成長する意味を考えさせられる。セレスティアルズ、ティアマトなどかなりの大風呂敷を広げてしまった感はあるが、エンドロール後に衝撃の展開、驚きの登場人物、これからどうなるのかが楽しみ。落ち着いた大人のMARVELに仕上がっている本作、今後の続編に期待。

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アル