「MCU的カンフー絵巻伝の開幕!」シャン・チー テン・リングスの伝説 Y Kさんの映画レビュー(感想・評価)
MCU的カンフー絵巻伝の開幕!
MCUシリーズの過去作はドラマシリーズも含めて全て観ています。
感想
過去のMCU作品にはなかった作風で楽しめました。
・物語構成
テン・リングスの伝説という副題にあるように全体的に昔話の絵巻のような作りになっていました。
始まり方が昔々ではないですが、ウェン・ウーがテン・リングスの組織を作るまでの物語の語りだったので一気に映画の世界観に引き込まれました。今作は展開が二転三転して進むので飽きずに観ることができました。クライマックスのバトル展開に登場するまさかの存在が更なる物語の空想化を促進させていて楽しめました。遂にMCUもここまで来たか。と思わされました。間違いなく今後の基盤となる物語になっていたので特に後半の展開は必見です!予想外だった事にヴィランであるウェン・ウーのバックボーンがあります。ウェン・ウーは完全悪だと思っていたのですが、観てみるとブラック・パンサーの時のキルモンガーと同様に過去に傷を負ったヴィランであり個人的に好きなヴィランになりました。
・アクション
テン・リングスを使ったアクションがとにかくかっこいいです。腕輪を振り回して攻撃するアクションが最高でした。テン・リングスの攻撃方法も回すだけでなく、投げる、摩擦での攻撃、地面に叩きつけるなどバリエーションが豊富で楽しませてくれました。
また、今作一番の売りであるカンフーアクションはMCU歴代の中でも屈指の迫力満点のアクションで心を鷲掴みにされました。構えて体全体を使って攻撃するしなやかなアクションはアクション映画の名俳優であるジャッキーチェンを少し彷彿とさせてくれました。まさかMCUシリーズでここまで本格的なカンフーアクションを観れるとは思っていなかったので満足しています。それ以外にも、武器を使ったアクションもあり見応え抜群でした。
・演技
シム・リウさんがシャン・チーの優しく明るい日常パートと戦闘時の真剣な顔をした時の演技の切り替えを上手く演じられていて素晴らしいと思いました。
特に素晴らしかったのはウェン・ウーを演じられていたトニー・レオンさんです。一概に完全悪とは呼べない人間味のあるウェン・ウーを自然な演技で演じられていてウェンウーの事が好きになりました。
・クロスオーバー
基本的に過去作との繋がりは薄かったのですが、アイアンマン3以来のあるキャラクターが登場する中盤の展開は正直驚かされました。しかし、見てみたい共演でもあったので嬉しいかったです。それ以外にも小ネタがとても多い作品だったのでこれまでの作品を追ってきたファンにたまらない要素だったと思います。
総評
MCU過去作にはなかったカンフーアクション映画。個人的には現時点で次回作希望の満足度の高い作品。今後のMCU作品の指針となる新要素満点の終盤の展開は全MCUファン必見の展開だと感じた。