あの夏のルカのレビュー・感想・評価
全5件を表示
新しい世界への旅立ち
人間という危うい生物から子供を守る親人魚と、人間に興味を持ち新しい世界に足を踏み出したい人魚の少年。
その少年に新しく友が出来、2人で過ごす陸での生活から夢、希望を抱くこと、2人で描く夢を共有することでの充実感、爽快感といったものを丁寧に描いてる。
そして人間たちと触れ合うことを通して分かるそれぞれの無知という恐怖もしっかり描くことで、夢や希望だけではなくそれを阻む壁や失敗といったものを詰め込んで前に進む素晴らしさを描いてる。
北イタリアの、少年少女の夏休み
友情と冒険、ハンディキャップと偏見と、それを乗り越えようとする本人の意志と力と自立しようとするたくましさ
ピクサーの作品にはいつもそれらがあると思う。
子供向けなのでユーモア満載で笑わせて説教臭くなく、大事なことを伝える。
だから面白くて、気持ちが良い。
北イタリアの海と空、自然と街がきれいで、これも気持ちが良い
キャラクターがみんな可愛い。ルカの家族はおばあちゃんがいい味出してて、人間はイタリア人らしく、おとなはまるっこくふとっちょが多くておおらかそう。そしてママが強い。
顔の表情がとても豊かで驚いた。
ママはコドモが心配でつい、「あなたのため」とダメダメと言ってしまうんだよね
それに反発するのはコドモが真っ当に成長したからです
シー・モンスターと人間は、互いに恐れ合って敵対する関係
シー・モンスターは地上に出たらヒト形になるが、水に濡れると戻ってしまう設定で、ハラハラ・ドキドキ。
家出したルカを探しにママはパパと街に来て、アタシが厳しくしすぎたからと落ち込んで、その辺のこどもに水をぶっかけ噴水に突き落とし豪快にルカ探し。ママ、サッカー上手くて爆笑しました。そしてかなり美人です。ママ主導、ママについていくパパも、決して無責任じゃなく、自分もルカと向き合わなかったから、と反省しママを慰めその辺の子供に水をぶっかけ噴水に突き落とし水風船を落として息子を探す、良い夫婦です。
手作りガラクタベスパで飛ぶところ、後で出てくるレースのシーンや、キャラクターのちょっとした動作等がジブリっぽいというかその昔の宮崎駿のアニメを彷彿とさせました、そういえばひとりで暮らしているたくましいこども、アルベルトは、「未来少年コナン」のジムシーみたい。お父さんは留守ばかり、と言っていたが実は父に捨てられた、それをひとりで耐えていてぼそっと告白したのが健気で可哀想でした
街でのふたりの保護者で仲間のジュリアも、両親が離婚して夏だけパパのところで過ごすので街の子に受け入れてもらえないとか、魚の配達して家計を助けるとか、パパは生まれたときから片腕だったとか、それぞれの「普通」じゃない、ハンデと言って良いものを抱えている登場人物たちだが、「だから何」とそれを跳ね返す、またはなんとかするバイタリティーとメンタルの強さがある。これは、幸せになるために、ヒトとして備えておいたほうが断然良いものだと思う。
レースに勝った賞金の最終的な使い道に、アルベルトの犠牲的な友情はいいが、これでは彼が可愛そうだと思っていたら、彼にはジュリアのパパがいたのよね。うるっとしてしまった。
いつもルカの味方、というママにも泣けて、エンドタイトル終わるまで、深海のおじさん出てきても鬼ババの目に涙が溢れて止まりませんでした。
人間たちはシー・モンスターをあっさり受け入れ、すべてがうまくハマってみんな幸せになったところで、おばあちゃんがちゃっかり毎週末街に来てた、と言うのに笑った。アイス食べてた老女二人も実はシー・モンスターとか、今更言うまでもなく、実はすでにシー・モンスターは人と街に溶け込んで、うまく共存していたんじゃないですか。
吹替版を観たのだが、エンドソング、suisの「少年時代」のカバーも良かった
歌詞がちょっと合わない気もしますが
この映画はこれきりで良いと思う。続編は作らないでほしい
続編となるとルカとアルベルトのその後の話で、シー・モンスターが人間社会にいることの現実的な問題を取りざたすることになりそうで、それだとせっかくのいい話が台無しだと思う。
あまり大きくない劇場だったが、お客は私一人。貸し切りで嬉しいけど、いい映画なのに見る人少ないのは残念。特別興行で各種サービスが適用されず、強気な料金設定なのが影響してないか
すでに配信されている作品にこれって、配信サービスに加入しないと、観るのにお高い料金払うことになるよ、ってことですかね
あの日あの夏北イタリアの海辺の町で、僕たちは友達になったんだ
ピクサー版『ポニョ』かなと思ったら、確かにそれっぽくもあるが、よりもっと王道。
人間と海の世界の子供たち。ひと夏の出会い、冒険、友情、別れ…。
時代設定や舞台がさらにノスタルジー掻き立て、見る者を“あの夏の日々の思い出”へ誘う。こういうのは万国共通。
1950年代。北イタリアのポルトロッソ。
美しい海に面した町だが、地元の人たちは海の怪物=“シー・モンスター”を恐れていた。
漁中に魚が盗まれたり、ちらっちらっと度々目撃。一体、どんな恐ろしい怪物…?
まだまだ子供であった。
シー・モンスターのルカ。
好奇心旺盛で、人間の世界に興味あり。
ちょくちょく海上に出ては覗いたり、海に沈んだ人間のものを集めたり。やってる事は同系列社の人魚姫と同じ。
そしてこれも同じ。人間に姿を見られてはいけない。陸に上がってはいけない。人間と関わってならない。絶対的なルール。
人間たちはシー・モンスターを恐れているが、シー・モンスターたちも人間を恐れている。
ルカの母親は過保護で特に厳しい。
ルカはいい子ではあるが、やはりどうしても人間の世界が気になり、好奇心に勝てず…。
ある時、潜水服を着た人間に見つかった!
…と思ったら、同じシー・モンスターの少年、アルベルト。
自称、人間世界通らしい。色々ルカに教える。
そんなアルベルトに誘われて、陸へ。姿が人間に変わる。
シー・モンスターは陸に上がったり乾いたりすると人間の姿になり、水に濡れると元の姿に戻る不思議な体質を持っている。
それからというもの、陸に上がって人間の姿になって、アルベルトと遊ぶのが楽しみに。
二人の人間世界の一番の関心は、イタリア製スクーター“ベスパ”。それに乗って冒険に出る夢を見、手作りしたりする。
人間の世界って、驚きや楽しい事がいっぱい。どうして人間世界に関わる事はダメ!ダメ!ダメ!なんだろう…?
アルベルトと陸に上がって遊ぶ事は勿論家族に内緒だったが…、バレてしまう。
怒った母親はルカを深海に住む伯父の元に預けようとする。ちなみにこの伯父、かなりの変わり者。
ルカは家出。アルベルトと夢を実現させようとする。
その為にまず、人間の町ポルトロッソへ。
初めての人間の町。当たり前だが、人間だらけ。
もし、シー・モンスターだとバレたら…。
怖がるルカに対し、アルベルトは楽観的。人間世界をよく知っているのか、ノリ任せでそうでもないような…。
ある時二人は、ベスパを乗り回す不良少年のエスコレに目を付けられる。
そこを、一人の少女ジュリアに助けられる。
当初はいがみ合いながらも親しくなったジュリアからある事を聞く。
このポルトロッソでは年に一回、水泳~パスタ早食い~自転車漕ぎのトライアスロンが開催される。優勝者には賞金が。
友達が居ないジュリアは毎年一人で出場し、エスコレに負け続けている。しかもゲ○ッた事で不名誉なあだ名まで…。
ルカとアルベルトは優勝して賞金でベスパを買う。
利害は一致した3人は“負け犬チーム”を組み、来るトライアスロンに向けて練習に励む事に。
シー・モンスターの子供が人間世界へ。そこで人間の子供と出会わなければ話が始まらない。
おとなしいルカとやんちゃなアルベルトとお転婆なジュリア。少年少女たちが出会って何かの為に頑張る。
何処の国もいつの時代も、子供たちは一生懸命。
泊まる所が無い二人の為に、ジュリアは家に泊めさせる。
ジュリアは普段は内陸の街の母親と暮らしているが、夏の間だけトライアスロン出場の為に漁師をしている父親の元へ。
無口で大柄で力持ちで怖そうなジュリアパパだが、パスタを振る舞ったり、レース出場の為のお金を稼ぐ為二人に仕事をくれたりして、優しい。
怖いのは飼い猫。どうやら二人がシー・モンスターである事に気付いているようで…。
ジュリアの隠れ家のツリーハウスに寝泊まり。夜空の星々が美しい。落ちたら危ないけど、でも何かいいなぁ、こういうの。
人間の世界って本当に危険なの…?
人間って本当に怖いの…?
人間世界をエンジョイしていたが…。
ルカの家出を知った両親が探しに陸に上がってきた。その探し方、相手の親に見つかったら問題ですよ…。
水泳はジュリア、パスタ早食いはアルベルト、自転車漕ぎはルカが担当。
始めは自転車に乗るのもやっとだったルカだったが、上達。3人で力を合わせれば優勝も狙えそう。
が、こういう時に限って…。
ジュリアの通う“学校”に興味津々のルカ。そこでは色んな事を教えてくれる。
特に天体に興味ありのルカ。ジュリアから図鑑を借りたりして、ジュリアと過ごす事が多くなる。
それが何だか面白くないアルベルト。
ルカはやがて学校に行きたいと思うようになる。
アルベルトは反対。一緒にベスパに乗って冒険に行くんじゃなかったのか。
それに、シー・モンスターを受け入れてくれる筈がない。自分たちは人間たちの嫌われ者。
初めての喧嘩。仲裁に入るジュリア。
アルベルトは正体を明かす。
驚くジュリア。
そこでルカはつい、アルベルトに酷い言葉を…。
アルベルトは海に帰ってしまう。
トライアスロンも間近という時に、友情の決裂。
優勝は?…というより、トライアスロンに出場出来るのか…?
3人の友情は…?
舞台のポルトロッソは架空の町だが、風景や映像がとにかく美しい。最大の魅力の一つ。
海に面した北イタリアの町。そこで少年時代に出会った別の世界(国)の友達…。
これらは全て監督自身の思い出だという。
思いが温かく綴られ、だから響く。
ルカたちもピュアで、キャラデザも可愛らしい。シー・モンスターの姿、『ウルトラマン』の海底原人ラゴンにちと似てると思ったのは私だけ…? あそこまで不気味じゃないけど。
子供たちの友情メインだが、家族の絆もそつなく。ジュリアと父親、ルカの家族。厳しい母、尻に敷かれている父、ナイスフォローしてくれるおばあちゃんは実は週末になると…。あの伯父は確かにヤだ。ルカが家出したくなるのも分かる。
アルベルトは灯台に一人暮らしで家族は居ないようだが…、父親についてちらっと。そんな彼がずっと一緒にいたいと思ったのはルカだった。親友を取られたくない。彼もまた孤独な子供だったのだ。
レースには出場。が、ルカもジュリアも一人一人で。
ルカは最後の自転車漕ぎでエスコレに並ぶ奮闘を見せるが、その時雨が…。ゴール目前にして、屋根の下に隠れ、身動きが出来ない。
その時、言うまでない助っ人が。
二人共雨に濡れ、正体がバレる。
二人は1位でゴールしていたが、エスコレは激しく非難。
シー・モンスターだぞ!優勝なんか認めない!
多くもそれに同調。
が、ジュリアやジュリアパパが二人を称えた事から、皆の目が変わる。
変わったのはレースを見ていたルカの両親も。あんなに頑張った姿を見せてくれた。母親は後悔。それを私は…。
小さな小さな頑張りが周囲を変える。差別偏見を乗り越えて。
ありのままの姿を受け入れてくれる。きっと、この世界は。
ラストは意外な別れになった。
ルカの両親はルカが学校に行く事を許す。ルカはジュリアと共に学校へ。
アルベルトはジュリアパパと暮らす事に。
新しい世界、新しい家族。
ルカとアルベルトの当初の夢とは違うが、それ以上の得たものがあった。
あの日あの夏、海辺の町。
出会って、冒険して、友情を育んで、別れてもそれは一生。
僕たちはいつも思い出す。
Wikipediaによると…
当初音楽はエンニオ・モリコーネが担当する予定だったが、死去で叶わず…。
イタリアン・マエストロが奏でるノスタルジックなピクサー音楽を是非聞いてみたかった…。
普通
水性生物のシーモンスターの男の子が、海の上の世界に憧れて地上に出て、友達と共に目的を達成するために努力し成長する話。
可もなく不可もなくな感じですが、最後人間があっさりシーモンスターを受け入れる場面が唐突すぎて、人間ってこんなに寛容だったっけ?ってなります。
シーモンスターは人間に迫害された過去のため地上に出る事を極端に避け人目につかないように海の中で暮らしていた。
が、好奇心旺盛なルカはある時地上へ。そこで同じく地上で暮らすシーモンスターのアルベルトと友達になります。
親に理解して貰えないルカは同じ夢を語るアルベルトと、ベスパに乗って世界中を旅する事を夢に見ます。
人間の街でトライアスロンのようなレースの賞金でベスパが買える事を知り、レースで街の嫌味なガキ大将を見返すために努力している女の子ジュリアとチームを組むことに。
ルカとジュリアが仲良くなることに嫉妬するアルベルト。
2人の間に亀裂が生まれますが、最後のピンチで仲直り。
ついでに人間とも仲直り?してめでたしめでたし。みたいな。
人間がシーモンスターを受け入れる部分が唐突な以外は、良かったんでは無いかと。
本当の自分自身で日々を過ごせる美しさ
主人公のルカはシーモンスター。普段は海の底で暮らし人間との接触を禁じられている。
海の底には人間世界で使われてる物が沈んでいる事もあってそれらに興味を持ったルカは地上世界へ強く興味を持つ。
そんな中同じ年代のシーモンスターアルベルトと出会う。彼と出会う事で、地上に出て体に水が触れていない時は人間の姿になる事ができる事を初めて知る。彼は地上世界と海中を行き来した生活を送っており、彼に色んな事を習うように共に生活を送る。
そんな時両親に地上世界を行ってる事がバレ、海中に閉じ込められそうになった時にアルベルト共に人間世界へ家出する。
水に触れるとシーモンスターに戻ってしまう不安、シーモンスターは人間にとっては危険な存在とされ懸賞金をかけられてる状況をはじめとした最初は不安だらけの日々を送るが、地上世界では人間のジュリアと友達となり彼の父とも友となる。
この町で毎年夏に子供達に向けて行われるトライアスロンの様な大会に向けて、ルカ、アルベルトそしてジュリアが協力して優勝を目指す事となるがその過程でルカとアルベルトが各々違う目標や夢を抱くようになりぶつかってしまう。
アルベルトはシーモンスターである事が町のもにバレ大会に出る事を諦めるが最後は大会出場中のルカを助け、そして共にシーモンスター化となるが大会に一生懸命取り組む姿、二人が助け合う姿、そしてこれまで町で過ごしてきた姿を住民達が認めシーモンスターである彼らを受け入れて作品は終わる。
昨今の多様性社会をピクサーの世界観で表現した作品でありそして子供が見ても分かりやすくストレートに描かれた作品であった。そのストレートさがまっすぐ過ぎて心に直で響き後半はとても多くの涙を流してしまった。
この作品の好きなところは非常に少年時代を思い出させてくれたり、大人になっても心の奥にある純心さを非常に擽ってくれる。
それはルカの言葉一つ一つがとても純粋だからであろう。シーモンスターで海の底にずっと暮らしていた彼が何も知らない人間世界を送り目に映る事全てが新しい発見ばかりの状況と彼の純粋さが非常に上手く描かれている。
人間世界は危険でありルカを過保護に接していた両親の考えも行動ももちろん理解でき、ルカ達でなければ早々に人間に殺められていたかもしれない。
外の世界は沢山危険な事も待ってるし、傷つく出来事も沢山ある。ただそれら以上に世界は自分が思ってる以上に大切な事や美しい事が待っている。
その大切な事や美しい事に出会えるために時には辛い事も我慢して乗り越えていく事もある事を改めて実感させられる。
この作品で一番好きなシーンは最後のシーン。ルカ達がシーモンスターである事を住民に認められた際、住民の一部が自分たちもシーモンスターである事を明かす。
まだまだ時代は間違った事に縛られ、理不尽な差別によって苦しむ人もいる。そういう差別を受けない為、自分達を守る為に本当の自分自身を曝け出す事ができず社会に適応しようと偽る事で日々の生活を送っている人も世界には沢山いる。
このルカの世界の様に1日でも早く皆が皆本当の自分自身で生活が送れる社会にしていく必要、そしてお互いが理解し共存していく社会の美しさを心から感じさせてくれる作品であった。
映像も綺麗でディズニーファンとしては映画館で見れない点は残念であったが、
子供が存分に楽しめそして分かりやすくストレートなメッセージを送ってくれる作品である為家族で見られる環境の人には強く勧めたい作品であると感じた。
もちろん一人で見るのもまた良い。ディズニーファンであればディズニーらしいシンプルかつストレートな美しい表現をこの作品でも楽しめる事は間違いない。
今年も半分が過ぎようとしているが今年見た作品の中では自分にとってベスト級の作品であった。
全5件を表示