「未来に残すべき映画!」サマーフィルムにのって kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
未来に残すべき映画!
『座頭市物語』や『十三人の刺客』、『椿三十郎』といった時代劇に夢中になってる女子高生たち。主人公ハダシ(伊藤万理華)も勝新太郎の居合い抜きがメチャ決まってるし、剣道の達人とも言えるブルーハワイ(祷キララ)や天文部のビート板(河合優実)といった女子三人組の時代劇オタクが自主制作映画「武士の青春」を撮ることになる。むしろ彼女たちがチャンバラごっこを現代にもたらしたタイムトラベラーじゃね?などと思えた序盤。
映画部に所属するも、好きな時代劇を作らせてもらえないハダシ。ずっと温めてきた脚本で撮りたかったのに主演男優が見つからないので燻り続けていたのだ。そして凛太郎(金子大地)と出会ってから、照明、録音、助演男優を見つけていく。文化祭では映画部のキラキラ恋愛映画をぶっ潰そうとゲリラ上映を考えていたが・・・
低予算ということもわかるし、完璧な作品とは言えないかもしれない。キャラや映画愛という点でも『映像研には手を出すな』そっくりだし、ストーリーにおいてもSF的観点からすれば未来人と打ち明けるのは早すぎるし、個人的には音楽担当者がいなかったことにも不満だった。しかし、それ以上に高校生の熱量を感じ取れるし、映画を無くさないでほしいという願いがひしひしと伝わってくるのです。
タイムパラドクスを起こしちゃいけない!というSFテーマもわかりやすいし、ハダシ監督のデビュー作品が残っていない事実。これにしたって未来人が映っていちゃまずいもんね。予想ができる展開ながらも、ラストではまったく無防備だった自分を思い知らされるほど驚愕の展開。「打倒ラブコメ」とは言いつつも、やっぱり恋愛要素がなけりゃ青春映画じゃないよね~と改めて認識させられました。大好きでいいんだよ!で、ラストは結局斬ったんだっけ?と忘れてしまうほどだったので、もう一度見たい。というか保存版にしたい!
アマチュアの映画の良さをふんだんなく発揮させてたし、こだわりの勝新の殺陣、それに凛太郎の衣装がなんとも言えない。グレーのタートルネックは「時をかける少女」が原作のNHKドラマ『タイム・トラベラー』のケン・ソゴルにそっくり。気になった方はケン・ソゴルの画像を検索してみてください。
今晩は
今作、今夏の邦画の中では、個人的には「子供はわかってあげない」と並ぶ良い映画でした。ケン・ソゴル、調べましたよ。
この映画、私の職場近くのミニシアターでかかる事が決まり、良かった、良かったです。では。
kossyさんへ
英勉コメディの映像研も良かったけど、私も松本監督のムネアツワールドの方が好きです。チャンバラシーンにはジーンとしてしまいました。
最近見た中で、『サマーフィルムにのって』が一番記憶に残っています。
ハダシの勝新完コピとか、ラストの瞬間とか、時々脳内再生してしまうんですよ。
こういう映画がロングランになるとうれしいです。