「シネマは時を越えて」サマーフィルムにのって Uさんさんの映画レビュー(感想・評価)
シネマは時を越えて
シネマがなくなる!
すっかりストーリーに同期して浸っていたために、「未来の社会ではシネマは死滅する」と聞いて、本気で錯覚しました。シネマやシアターが消えたら、どうやって生きていけばよいのだろう。
恋とタイムスリップもある
未来から来た青年は初めは時代劇のヨダレもののポスターでも釣られなかったのに、やがて時代劇に憑かれた女子高生と一体になり、シネマ制作にのめっていく。その熱量に、この作品の恋もタイムスリップも呑み込まれたと言う感じです。
もちろん、ほろ苦い海辺の恋も、とぼけたタイムスリップも良かったです。
仲間とライバルも思い一つ
頑張るヒロインに少しずつ引きずられていく仲間たちも、更にライバルチームの熱意も自然。挫折を露わにしたのはヒロインで、他のメンバーに明らかな挫折や対抗意識がなかったのは、作品的に成功したと思います。シネマに対する愛だけが強調された。
海ほどに深いシネマ愛
凛太郎は、敬愛する女流監督の高校生時代に恋する訳ですね。ここのSFらしい切なさも良かった。
そして未来のシネマを、絶対に絶やさないことを決意する。深くて執念深くて計画的なシネマ愛。
どちらが勝った?
座頭市はどこかで使われると予想していましたが、最後の最後、ハダシと凛太郎が斬り結ぶシーンでとは思い及ばなかった。このカットでエンディングして、後日のシーンが一切なかったのは、少し寂しかったけれど強烈でした。
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