劇場公開日 2021年8月6日

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「新たな青春讃歌から狼煙が上がる。」サマーフィルムにのって はるたろうさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0新たな青春讃歌から狼煙が上がる。

2021年8月11日
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鑑賞方法:映画館

正直単なるアイドル映画だと侮っていました。評価に引っ張られて行ってみたら、なんの、なんの。時代劇ヲタクの女子高生映画監督ハダシと寄せ集めの仲間達が繰り広げるひと夏の物語。果たして自主映画「武士の青春」は無事完成し文化祭に間に合うのか?!そして突如目の前に現れた凛太郎の正体とは。

新たな青春讃歌ここに誕生!

伊藤万理華が初々しかった。ちょっと空回りで浮き足立ってる感じがハダシにピッタリ。しかもご本人は20代半ばですか。全く違和感なかった。逆に板橋駿谷の違和感はもはや神がかっている。めっちゃ笑えた。金子大地は今後ますます注目ですね。

「2時間かけて他人の物語なんて誰も見ない」そんな未来。映画というコンテンツはどこへ向かうのか。館内が暗くなったら至福の時間が始まる合図。再び明かりが灯るまで無駄な時間なんてきっとない。そこには早送りもスキップも一時停止もない。松本監督は見事に、実に鮮やかにこの先映画業界が対峙してゆくこの問題に警鐘を鳴らした。余韻が深く残る最高のタイミングで訪れたラストカット。箒を交える二人の武士の背景に狼煙が上がったのを見た気がした。

はるたろう