劇場公開日 2020年12月25日

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「タイトルなし」FUNAN フナン ワイルドとみまるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0タイトルなし

2021年1月9日
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鑑賞方法:映画館

年末に見逃し、三が日明けの仕事帰りに観てきました「FUNAN フナン」

正月明けに観るには内容が重たいかなと思いましたが、うん・・重たかった((T_T))
でも、1年の初めに観ておいてよかったなと素直に思える作品でした

1975年4月カンボジアの首都プノンペン。
クメール・ルージュにより政権は倒され、人々は家を追いやられ強制労働のために農村に送られてしまう。その道中でチョウと夫のクンは息子ソヴァンと離れ離れとなってしまう・・・

クメール・ルージュ(武装組織)によって粛清された人々は120万人とも170万人ともいわれている。
都市文明を否定し、都市文明に思想が汚染されていると考え、人々を弾圧するクメール・ルージュ達。その行為の果てまでは、はっきりとは描かないけれど観ている側に行く末を想像させる描写

与えられる食料は乏しいのに毎日の重労働ですっかり痩せ細っていく姿。家族や自分が生きて行くために近いしい人にさえ犠牲になれと言わざるおえないほど思考が変わってしまう悲しさ

立場が逆転したとき、人は復讐心に支配され同じ仕打ちを行ってしまうのは仕方が無い気がする。けれど、その中で人の心にある本当の強さと人間としての尊厳を忘れてはいけない。それをチョウは教えてくれた。

優しい吐息は
やがて大きな風となり
彼の見ることの叶わない未来を
二人にはみせてくれるのだろう

とみまる