激怒のレビュー・感想・評価
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ここまでやるかと妙にスッキリした
ストーリーは単純だ。
切れると手のつけられない暴力刑事がアメリカで治療されて帰国したら、我が街はすっかり奇妙な街に変わっていた。違和感を抱えながらどうにか馴染もうとするが、ついに爆発。反撃開始の狼煙が盛大に上がるのだ。
まさに激怒というタイトルがこれほど似合う映画もない。主人公の男は最初からキレる時はすごいんだけど、最後はもう目が狂気だ。なぜこれほどまでの狂気を感じるのか、最後は素手を使うからかもしれない。相手の自由を奪うまでは鉄パイプみたいなども使うけれど、最後にボコボコにする時結構、素手が多くて、それなのに殴られた相手の顔はどんどん原形をなくしていく。これはすごい恐怖だった。
特殊メイクのなせる技が素晴らしい。
全員を殺しまくって、最後に街を眺めるシーンに青い鳥。これは結構グッときた。このシーンは映画のラストに希望を感じさせてくれた。
説法
まぁ、スカッともしない。
行き過ぎた正義とか正論とか協調性みたいなのが、主人公の敵なわけだけども…もうその時点から胡散臭い。今の現状の一部分を切り取って極端な偏見を加えて、共感しやすい汚物に仕立ててるような感じだろうか。
やりたい事は分かるのだけど、あちら側の人達だって、その姿に自分を重ねはしないと思う。
そんなモノと対峙するわけだらか、主人公にしてみたって「うるせー、馬鹿野郎!」と暴れてるような感じだった。
なるほどタイトル通りの作品ではある。
あー、そっか。
反面教師みたいな事で、この作品を見て「歩み寄りが大切だなぁ」と思ったので、そういう事を喚起する構成になってたのだな。
だから、スカッともしなくていいのか。
きっと、コレに関わった人達は、俺なんかよりずっと優しくて、社会を憂いている人達なんだろうなぁ取った思う。
EVERYONE IS WATCHING YOU
自由や平等、人権の尊重といった公正・公平な正義は忌避され、普通の日本人(マジョリティ)の平穏や安心に寄与する通俗道徳やマナーばかりが優先される。そして不当や不正への怒りは「平穏」のためにトーンポリシングされ、懸命な人がメタ位置からどっちと認定する。そうした日本社会の病理を戯画化した秀作。
自警団を結成し、街の平穏を乱すものをリンチし虐殺するさまからは、時期的な事もあり、震災下で同じように町内会の自警団が起こした朝鮮人虐殺を想起させられた。
「BIGBROTHER IS WATCHING YOU」を日本的マヌケさで秀逸に翻案した「みんなが見てるよ!」のポスターに監視されるディストピアで、ルドヴィコ療法よろしくアンガーマネジメントされた主人公が「怒り」を取り戻す話。
いろいろ瑕疵はあるけど、知恵と工夫と初期衝動にあふれていて面白かった。
殴りすぎて突き出た骨さえ武器にするところや、人体破壊にがっつりウェイトをかけているところ、主人公たちの歯がちゃんと汚いのもよかった。
個人的には乗れなかった。
各シーンの画作りは凝っていて、不穏なノイズ音と相まってカッコ良いカットが多くありましたが、作品全体としては、個人的には乗れなかった。
独自ルールと暴力で支配する町内会に対する怒りが頂点に達し、結局暴力で解決。ってところが、う乗れなかった最大のポイント。
あと、今、警察や自警団による一般人への暴力を描くには、マスコミやSNSでどう扱われるか。の視点が必要な気がするが、一切無かったのも違和感。
オッサンのファンタジー。足りないのは予算とエロ。
監督の過去作(脚本だが)の冷たい熱帯魚と同じで、とにかくいい味を出したオッサンが一杯出てくる。悪い、くさい、汚いオッサンからあんなに深い味を引き出せているのが痛快だった。もっと見たい。もっと悪辣なオッサンを見たい。とわくわくしていたら気が付いたら上映が終わっていた。少し物足りなさは残ったかな。でもオッサンのキャバクラは見ていて楽しい。こういう作品もっと増えてほしい。
残念だったのは予算の制約のせいか、見せ場が少しチープだったこと。地域ボランティアみたいな人達はもっといてもよかったと思うし(あれでなんでホームレスみたいなやつらを一掃できるのかわからん)、マンツーマンでの殴り合いも楽しいけど、やっぱり地域ボランティアみたいなやつらが爆発か何かで全員ぶっとぶシーンは見てみたかった。それにラスボスの見せ場はもっとあってもよかったと思う。もっと叫べ、もっと後悔しろ、生きるのをやめるな、そんなに簡単には死なせねーよ、みたいなねっとりしたシーンが見たかった。監督はひょっとして早漏なのかな?
そう。早漏と言えば、あとエロが足りないと感じた。圧倒的に足りない。おそらく監督は意外に紳士だからだと思うが、ここまで排除するかね。タランティーノも「ぼくは紳士なんだよ」とか言っているらしいし、映画なので生々しさが際立つのはわかるが、そこはエロゲーやエロ同人の精神を見習ってほしい。タイヤネックレスをするぐらい極端化した社会なら性衝動も抑えられんだろう。そこら辺のバランスがずれているのが少し気になった。ぼくはおっぱいがでかい人の方が好きなのでそこも気になった。次はもう少しおっぱいにも気を使ってください。
最終評価の話に移ろう。こういう映画が増えれば最強のバイオレンス映画が見れるかもしれないという期待を込めて5点をあげたい所だが、気に食わない点が少しあるので0.5引いておいた。
監督の次回作に期待である。
サタニズム(Satanism)、あるいは、ディアボリズム(diabolism)
監督本人が公言しているので、その思想や哲学を元に描かれた作品であることは間違いない。
決して、悪魔を崇拝してる訳ではなく、人間の悪魔的側面を否定することなく旨く利用しようという考えというと、一寸買いかぶり過ぎか・・・
ストーリーそのものはジャンル映画的な進行になってはいて、展開の端々はハッキリ言って拙い。まぁそれも含めてジャンル映画的要素と言えば正しいし、そういう観方を心得るべきであろう。
結局、あの薬(精神安定剤?)の効能や、何故渡米?や、署長との関係性やその後の処遇等々、本筋には影響がない部分を突っ込むところが正に悪魔主義者から敬遠される”原理主義”的発想なのかもしれない。
今作品のテーマである”暴力”という行為に正面からぶつかり、その疑問を分かり易く提示したことは非常に意義深いものを感じる。勿論、作品では一切その模範解答は提示されない。観た人がどう持ち帰るかということであろう。
しかし、自分が観た回の観客の、あのくたびれた多数のオジサン達(含む自分)に、どうして欲しいのかそんな疑問も又湧いてくるのが面白い。或る意味、上映そのものが”ミサ”なのかもしれないと、隠れ嘆美主義者達と共に、劇場を後にしたのだった…
【良かった点】 近未来SF系列の作品の中でも珍しい血生臭く、男臭い...
【良かった点】
近未来SF系列の作品の中でも珍しい血生臭く、男臭い映画だった。ストーリーもシンプルで勧善懲悪ものではありつつも主人公も暴力でしか解決できないという不器用さ、グレーさがこの作品の売りだと感じた。ラストバトルシークエンスの折れた骨で戦うシーンはかっこよすぎてニヤニヤが止まらなかった。
【良くなかった点】
個人的な話になるが、ロケ地が馴染みありすぎて純粋な気持ちで楽しめなかった。知ってる場所しか映らんって何?笑
スッキリしたー!!
公開をずっと待ってました!やっと観れた!面白かった!!
ラストのブチギレはもっと狂ってほしかったとは思うのだが、、!
照明や音楽、スモークはやはり全部カッコいい!高橋ヨシキさんにはこれからもたくさん映画撮って欲しい!
個人的に残念だったのは、トリハダの笹野さんが大好きなので出演してる時点でもう最高なのですが、あのミサキちゃんが最後どうなったのか気になって仕方ない。最後ボスたちと彼女なりの彼女にしかできない戦法で戦ってくれたりしたら劇場で叫んでたかも。
俺は、お前らの映画が観たい。
車の気配も全く無いのに、思考停止して長い赤信号を待ち続ける町内会メンバー。
主人公の深間は信号無視して、町内会メンバーを押し退け先へ進んで行く。
開幕から映画的な表現で
彼らの性質が分かる印象的なシーンに引き込まれました。
全編で1番良かったのは
海外の医療機関へ送られるキッカケになったバイオレンスシーンで
テンポも良く突き抜けたエクストリーム表現に笑ってしまいました。
「もう2人ともボコボコ(呆れ笑い)」
「へへ、やっぱすげぇな(尊敬)」
からの、脳みそぶち撒けシーン!
ボコボコってレベルじゃないと思いますw
凄く楽しかったのを前提に
一点、不満を言わせてもらうと
ラストの建物で自警団を迎え撃つ際
釘板一枚だけでなく
安心安全・富士見町と印字された三角コーンに刃物や火薬が仕込んである、など
もっとユーモラスでグロい反撃シーンを見たかったです。
デビュー作が完成したばかりですが
早くもチーム高橋ヨシキの次回作が気になります。
映画の中くらい好きにさせて
実生活ロクなことないんだから映画くらいはこれくらいやっていいでしょ!が詰め込まれててたまらない。
溜め込まれた怒りが沸々と首をもたげる描写が秀逸 これでもかと出てくる腹立つ連中にラストまで我慢させられる覚悟だったけど、序盤アメリカ送りのキッカケになった暴力描写で結構なカタルシスがあった。
安心とか安全とかクリーンとかいうのは弾圧とか差別偏見と紙一重。
もっとお金がかけられればーと感じる場面も無くはないけど、肉弾戦メインながらも飛び出た骨を凶器にするとかフレッシュ!
最後、お前は誰としゃべってるんだ のセリフに説明のつかない哀愁を感じてグッときてしまった。
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