「オッサンのファンタジー。足りないのは予算とエロ。」激怒 タナカナオキさんの映画レビュー(感想・評価)
オッサンのファンタジー。足りないのは予算とエロ。
監督の過去作(脚本だが)の冷たい熱帯魚と同じで、とにかくいい味を出したオッサンが一杯出てくる。悪い、くさい、汚いオッサンからあんなに深い味を引き出せているのが痛快だった。もっと見たい。もっと悪辣なオッサンを見たい。とわくわくしていたら気が付いたら上映が終わっていた。少し物足りなさは残ったかな。でもオッサンのキャバクラは見ていて楽しい。こういう作品もっと増えてほしい。
残念だったのは予算の制約のせいか、見せ場が少しチープだったこと。地域ボランティアみたいな人達はもっといてもよかったと思うし(あれでなんでホームレスみたいなやつらを一掃できるのかわからん)、マンツーマンでの殴り合いも楽しいけど、やっぱり地域ボランティアみたいなやつらが爆発か何かで全員ぶっとぶシーンは見てみたかった。それにラスボスの見せ場はもっとあってもよかったと思う。もっと叫べ、もっと後悔しろ、生きるのをやめるな、そんなに簡単には死なせねーよ、みたいなねっとりしたシーンが見たかった。監督はひょっとして早漏なのかな?
そう。早漏と言えば、あとエロが足りないと感じた。圧倒的に足りない。おそらく監督は意外に紳士だからだと思うが、ここまで排除するかね。タランティーノも「ぼくは紳士なんだよ」とか言っているらしいし、映画なので生々しさが際立つのはわかるが、そこはエロゲーやエロ同人の精神を見習ってほしい。タイヤネックレスをするぐらい極端化した社会なら性衝動も抑えられんだろう。そこら辺のバランスがずれているのが少し気になった。ぼくはおっぱいがでかい人の方が好きなのでそこも気になった。次はもう少しおっぱいにも気を使ってください。
最終評価の話に移ろう。こういう映画が増えれば最強のバイオレンス映画が見れるかもしれないという期待を込めて5点をあげたい所だが、気に食わない点が少しあるので0.5引いておいた。
監督の次回作に期待である。