「ステレオタイプ」天外者(てんがらもん) よっちゃんイカさんの映画レビュー(感想・評価)
ステレオタイプ
まず初めに三浦春馬さんの演技がとても素晴らしかった。
三浦春馬さんはとても素敵な俳優さんだけに亡くなられたことがいまだに信じられない。
三浦春馬さんは素晴らしいのです。
ですが、正直なところ五代友厚が何を成したのかいまいちよくわかりませんでした。
理解不足だった部分もあるかもしれませんが、「日本を外国から守らなければいけない」等々理想を語る割には五代が日本のために何をしたのかがわからない。
つまるところ才助の想いはわかっても結果がわからない。
この作品はそれの連続といえる。
五代友厚映画化プロジェクトが先にあってできた映画だそうですが、この映画を見て具体的に五代友厚を凄いと思うことはできなかった。
無論、映画の尺では業績を語りきれないのもわかるし、五代が影響を与えた経済や産業の話はかなりややこしくてわかりにくいと言うのもわかるのですがもう少しどうにかならなかったものか。
こんな調子なのでクライマックスの演説シーンも三浦春馬さんの熱弁は凄まじかったもののそもそも「なぜこんなに糾弾されてるの??」と言うはてなが浮かびまくりでした。
(一応、外国からの脅威に対抗するために商人が一つにならなければいけないと説明されているが、一つになる事が難しい理由がなんなのかとかもう少し詳しく説明してほしかった。)
三浦春馬さんは言わずもがなの演技。
その他で苦戦していたのが竜馬と弥太郎。
どうしても龍馬伝がちらつくようなキャラクターで西川さんには西川さんの弥太郎があったはずだし三浦翔平さんには三浦さんの竜馬があったはず。
演説シーンでの弥太郎がとても素晴らしかっただけに勿体ない。
ーーーーーーここからは歴史好きの超個人的なぼやきーーー
この映画で描かれる幕末が一昔前のステレオタイプすぎて一周回ってギャグかと思うくらいだった。
・身分制度が厳しくて前時代的で差別が激しい時代を変えるべく立ち上がった若者たち。
・字を書けなくて字を学ぶことも許されない遊女たち
・土佐弁で日本の夜明けぜよと言う竜馬
・五代によって終結した薩英戦争
etc etc
途中父の仇!!と逆恨み同然に五代を斬りつけた侍は結局なぜトドメを刺さずに逃げたのか。
まさか血が出たのを見て「あわ、あわ、本当に斬ってしまった」と逃げたわけでもあるまい。
西郷さんの西南戦争フラグむっちゃたてといて回収しない。(まぁこれはみなさんご存知ですよねといった感じかと思えばさほど気にならないが。)