「愛のかたちは、本当にそれぞれ。」この世界に残されて mayuoct14さんの映画レビュー(感想・評価)
愛のかたちは、本当にそれぞれ。
クリックして本文を読む
この映画は、所属する映画合評会の1月の課題映画だったのですが、思わぬ拾い物(…というと作品に失礼なのですが、実際、本当にそう思った)の一本でした。
時間が経っても鮮やかに心に広がる、映画で描かれた「愛の深さ」をこれからDVDやブルーレイ、配信などで見る人にも伝えたいと思い、時間差ですがレビューを残します。
主人公の二人は、10代の女性と40代の男性です。普通にある男女の恋愛感情だけでなく、親子のような慈愛、人間愛、同志愛、戦争による悲しい体験を分かち合うシンパシー、そのどれもを含む、簡単には形容し難い関係性で結ばれています。
そんな複雑極まる関係性を、抑制の効いた演出で、作り手の深い思いを満ちあふれさせて描いているところに、質の高い職人的手腕をひしひし感じます。
それ故、その思いは見る人の心にいろいろな角度と深度で刺さるのです。このような多層的な心の世界を描きながら、それでいて一本筋の通った、エモーショナルな感覚に溢れるという、独特な高いクオリティを持つ作品でした。
愛について饒舌な語り口を持つこの映画ですが、究極「愛のかたちは、本当にそれぞれ」。そして、その愛を語るこの映画を見た後は「言葉にするのがなかなか難しく、でも感じるところはたくさんある」。
素敵な映画体験を是非どうぞ。
コメントする