「生き延びたからこそ孤独」この世界に残されて スクラさんの映画レビュー(感想・評価)
生き延びたからこそ孤独
ホロコーストを生き延びた対価は家族を失った孤独。あまりにも惨いけど、
このような状況に置かれた人はきっとたくさんいたのだろうな。
孤児であることを頑なに認めない主人公の少女クララの姿が切ない。孤児であること=両親の死を認めることだからだろう。
残された方が辛い、そう思ってしまっても仕方がない。
そんなときに父の姿を重ねられる医師アルドと出会い、孤独で暗いクララの世界に少しだけ色が付いたような印象だった。
明確にでは無いのだけれども、終わりの方まで書いてしまうと中にはネタバレと感じる人もいるので、続きはちょっと下げて書きます。
終わり方はちょっぴり切なかったな。幸せであるけど、解釈によっては再び残されることになってしまう。でも、そのシーンの描写があるからこそ、クララにとってアルドがかけがえのない存在だったと同時に、アルドにとってもクララがとても大切な存在だったことがより強調され、二人の関係性がより美しく見えた。
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