「新しいスタイル」クローゼット mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
新しいスタイル
YouTubeレンタルで見る。昨今の韓国が作る恐怖映画は単なる恐怖から抜け出そうとしているように思える。それは昔の日本の怪談に似た世界観を感じる。恐怖や呪詛には深い哀しみや人間の持つ傲慢が潜んでいたりする。そこを極めて丁寧に描き出そうとする傾向がある。まだ方向性的には過度期ではあろうと思われるが、明らかにその方向性は新鮮でありクリエイティビティを有したものである。怖さの表現だけを追い求める時代は終わりつつあるのではないだろうか?この作品も怖さよりも恐怖の源への深い憂いが横たわっていて、その浄化のプロセスで見る側のカタルシスを促す効果を内包しているようでもある。終盤では思わず涙ぐんでしまったほどである。そして最後の一家族としての救いと、その一方でさらなる恐怖の元凶が未だ解決されえていない韓国社会への痛烈なる警告で幕を閉じる点、我々はまさにそこにハッとさせられるのである。
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