「抗うレジェンド達の姿。」GET OVER JAM Project THE MOVIE Tonkiさんの映画レビュー(感想・評価)
抗うレジェンド達の姿。
奥井雅美さんのファン、それだけで観に行きました。レコーディング、ライブシーンも歌詞カード要らずの滑舌クイーン(勝手にそう呼んでる)ぶりは圧巻です。
しかしながらアニソン歌手の現状はかなり厳しい。
バンドリ、ラブライブ以降、主演声優さんが主題歌を担当することが主流になりつつある今。アニソン歌手自体の存在が危うい。やなぎなぎさん、亜咲花さん、Aimerさん位が生き残っている。他にも新鋭バンドを採用するパターンもある。つまりJAM PRO メンバーがソロで仕事をもらえる機会は厳しく、JAM PRO という集合体だから活動出来ている。それは彼等自身が一番わかっている。
コロナの影響が無く、アニバーサリーツアーが成功していたら、このプロジェクトは解散していたのではないか?と思う。本当にコロナが様々なものを引っくり返してしまっているのだ。
このドキュメンタリームービーはアニバーサリーツアーの代わりでは決してなく、ケジメなハズ。ファンと向き合うまで、直接感謝を伝えるまで、JAM PRO は続くと確信している。それがいつになるかわからなくとも、彼等は年齢に抗い、コロナに抗い、その時を楽しみにしているのだ。
プレイヤーにはピークがある。それはミュージシャンにしても、スポーツ選手にしても同じ。
ヴォーカルというパートは年齢の影響を受けやすい。楽器の演奏とは違い、生身の身体だけで勝負を強いられる。自分もプレイヤーのハシクレ、それ位はわかる。
年齢的に、現状キープだけでも難しい中、彼等は努力し、成長し続けようとする。このドキュメンタリームービーにはそんな場面と、彼等の想いが詰められた作品だ。
21世紀のトップベースボールプレイヤー、イチローさんは50歳現役を目標にしていたが、それは叶わなかった。あの、イチローさんでさえ。
JAM PRO のメンバーはそういう意味ではイチローさんを越えている。
そんな事を思いながら鑑賞していたら涙が止まらなかった。
※評価はマニア向、特別鑑賞料金を考慮したものです。