「架け橋」大綱引の恋 星月夜さんの映画レビュー(感想・評価)
架け橋
クリックして本文を読む
大海の〝凪〟みたいに広くて深いお人柄…佐々部清監督が大好きでした。
昨年、突然の訃報に悲しくてしばらく立ち直れなかった。
資金集めに奔走していたそうです。
映画制作って本当に厳しいですね。
コロナ禍で撮影が中断したままの作品やら中止になった作品やら…
遺作ということで見届けたい気持ちと観たらお別れになってしまうという気持ちが交差して、なかなか劇場に行けなかった。
今週で上映が終了するというので開いてる映画館を探しました。
鹿児島で400年以上の伝統を誇る川内大綱引を舞台に描き出される家族の姿と有馬武志の恋。三浦貴大さんが鳶の長男役にぴったりでした。
韓国人研修医ジヒョンと出会って恋して成長していく武志。
有馬家の家族それぞれの想いが沁みました。
三浦貴大さん、知英さん、比嘉愛未さん、石野真子さん、松本若菜さん、中村優一さん、西田聖志郎さん…キャストの魅力満載。
しばらく訪れてないけど、私の故郷にも有名な祭りがあります。
日本には地方に根ざした祭りがあって五穀豊穣や無病息災を願い続けてきた。
都会のど真ん中に構えていた会社を郊外に移転したり、若い人たちが都会に憧れる時代から地方都市を見直す時代に変化しつつある昨今。
祭りはじめ守り繋げたい伝統について考えさせられました。
人と人が歪みあったりしませんように
隣国との関係も友好でありますように…
武志とジヒョンそして大綱引が両国の架け橋になりますように。
エンドロールの後に声を出して泣いてたら
劇場スタッフと周り人に引かれてしまいました。
監督の願いや息遣いが聴こえて来るような素敵な映画。
佐々部清監督、ありがとうございました。
コメントする