劇場公開日 2021年8月13日

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「アベンジャーズよ、これが妖怪版アベンジャーズだ! そしてまだまだ奥深し日本妖怪世界」妖怪大戦争 ガーディアンズ 近大さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0アベンジャーズよ、これが妖怪版アベンジャーズだ! そしてまだまだ奥深し日本妖怪世界

2021年8月18日
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鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

単純

2005年作『妖怪大戦争』の続編…ではない。
前作と繋がりナシの全く別物で、あれはあれ、これはこれ。
でも、三池監督は続投。小豆洗いのナイナイ岡村、大首の石橋蓮司、“最初に妖怪に遭遇する老人”の柄本明は引き続き同役で出演。前作主演の神木隆之介も別役で出演。
何だか、『スーサイド・スクワッド』→一部キャラが同じの『ザ・スーサイド・スクワッド』みたい。最近、こういうの流行ってるのか…?
とりあえず、前作見てなくてもOK!

日本列島を東北と西南に分かつ地帯、フォッサマグナ。
そこに眠る化石の怨念が集結し、誕生した巨大な妖怪獣が、街を破壊しながら東京へと突き進む。
東京には、妖怪たちが恐れる“あのお方”を封じ込めた結界があり、もし妖怪獣によって結界が破られ“あのお方”が復活したら、日本は壊滅する…。
妖怪獣を倒す事ができるかもしれないのは、今は鎮まり眠りに就いている“武神様”のみ。
武神様を復活させる事が出来るのは、平安時代の(実在の)妖怪ハンター、渡辺綱の血を継ぐ者。
気弱な少年、渡辺兄(ケイ)であった…。

設定や大筋は前作と似たり寄ったり。
日本絶体絶命の危機、善妖怪対悪妖怪。
“選ばれし者”は気弱な少年。最初はビビりながらも、勇気や成長し、立ち向かっていく。
前作よりエンタメ度や鈍かったテンポはアップ。
製作側はハリウッドのようなヒーロー映画を目指して作ったとか。まあ、失笑レベルかもしれないが、
ただの妖怪ファンタジーに付け足し。妖怪ファンタジー×少年ヒーロー・アドベンチャー。

今回妖怪たちに選ばれたのは、寺田心。何だかイイ子ちゃん過ぎてあんまり好きじゃないが、奮闘好演は好感。
『妖怪大戦争』の魅力の一つは言うまでもなく、豪華出演者たちによる妖怪変化。
前作レビューは割愛したけど、本作は新作なので、印象に残ったキャラをサラリと。
ケイを導く謎の狐面の女。杉咲花がクールに演じ、さすがの演技力と存在感。
言う事は本心と逆。ケイと同行する天邪鬼。赤楚衛二がウザいユーモアと哀愁滲ませる。
敵対する狸の妖怪、隠神刑部の大沢たかおが貫禄たっぷり。刑部が乗る爆走バイクに息切らせながら連いてくる狸たちがキュート。
他にも個性的な妖怪(出演者)たちがわんさか登場。
ユニークだったのは、世界の妖怪/モンスターが一堂に会するサミットならぬ“ヤミット”。有名モンスターたちの中に、明らかにあのピエロの怪人も…?
CG技術は当然ながら前作より進歩。しかし令和の時代になってもアナログな特殊メイクで創り上げられた妖怪たちに愛着感じる。

(あるキャラについて一言。前作繋がりでそのあるキャラについてWikipediaのページ開いていたら、そこに某キャストの名が。しまった、見る前にネタバレしてもうた…! もし知らないで見てたら結構衝撃的だったのに、残念な事をした…)

お馴染みの妖怪たち、世界のモンスター、本作オリジナルの妖怪獣。さらには、骸骨竜も登場。
まさに、妖怪大進撃!
だが、これだけじゃない。
本作飛びっきりのSP妖怪ゲスト。
私が本作を見たかった最大の理由。
そう、大魔神!
あの大魔神が55年ぶりにスクリーンに復活!
いや言い換えるならば、旧知の大映妖怪戦争に強力助っ人参戦!
かつてより遥かにパワーアップ、闘い方もド派手に!
でもちゃんと、祈りが届いた時目醒め、怒りの顔への変化、怒りを鎮める純真な祈りなど、かつてのあるあるも踏襲。
さながら、“シン・大魔神”! 単独で新作映画が製作される事を、真に祈ってます!
今年は妖怪に大魔神、ゴジラにコング。見てはないけど恒例仮面ライダーと戦隊ヒーローが現時点で公開。これで『シン・ウルトラマン』も公開してくれたら、特撮ファンとしては言う事ナシなんだけどなぁ…。
(ついでに、ガメラも復活してくれたら…)

色んな話題性ばかり注目を集めがちだが、今回はドラマ的にも前作より悪くなかったと思う。前作はとにかく超豪華な出演者たちを妖怪に扮させて、ハチャメチャやらせておけ!…って感じだったけど、
ケイには弟(ダイ)という純真無垢な弟がいる。武神様を蘇らせる要=生け贄として、妖怪たちに間違えられて連れ去られてしまう。ケイはダイを助ける事が出来るのか…?
狐面の女、天邪鬼との冒険。人間と妖怪の在り方。
対する敵の本心。
闘って倒すのではなく、現代世界ならではの解決。
真の勇気。
まるで妖怪たちが、今の我々に教えてくれているようだ。

人それぞれ好みはあるかもしれないが、個人的には前作より面白かった。
やはり夏はこういう作品に浸りたい。
毎年でなくともいいから、東宝/KADOKAWAで妖怪を、東宝単独で懐かしの『学校の怪談』を競作してくれたら…。
子供の妖怪/お化けデビューに最適と思うのだが…。

劇中で妖怪たちが何度も口にしていた“あのお方”。
てっきり前作にも登場したあのキャラかと思ったら、全然違った。
確かに、にしては妖怪たちのビビり方が桁違い。
調べてみたら、へぇ~、そんな妖怪がいるんだ…。
奥深し、日本妖怪の世界!

近大
YOUさんのコメント
2023年2月27日

でも、「ひかきん」はナイなと思いました(笑)

YOU