劇場公開日 2021年9月17日

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由宇子の天秤のレビュー・感想・評価

全142件中、81~100件目を表示

4.0思わずうなる一本

2021年10月12日
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鑑賞方法:映画館

自分の評価は高いものの、作品の感想を述べるのが非常に難しい作品です。多分それは私個人の人間性にもよるのかな、と。
と言うのも、私は正直「面倒を避け、他人との関わり合いに一定の距離を開けよう」とするところがあるのですが、主人公の由宇子は仕事きっかけとは言え、ある場面では「信頼を得るため」に、或いは「使命感」、さらには「罪悪感」から相手との関りを深め、且つ、どんどんと背負いこんでいくのです。いつか破綻しそうなほどに。
観ていて逃げ出したくなる展開が続き、非常に重たい内容ですが、春本監督による脚本(及び編集)の素晴らしさと、主演の瀧内さんをはじめ、役者たちの演技に圧倒される一本です。

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TWDera

3.5長尺

2021年10月11日
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鑑賞方法:映画館

テーマやストーリーの構成、まさに「天秤」の傾きをどうしようか苦悩している主人公の気持ちは胸が苦しくなった。
ただ、長尺であったのと、カット割が多すぎ(わざとかもしれないが)他のが、気になった。そして、もえちゃんは「ビート板」だったんだ、全然、わからない位、演技の切り替えが上手。

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hanataro2

5.0あらゆるジレンマを生むストーリー展開に

2021年10月10日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

興奮

色んなことが重なって、色々と思い・悩み、見ながらにして苦しんでしまったような─
テーマにふさわしい絵づくりで、非常に長い作品ながら、終始ストーリーに入り込んでいた気がします。手持ちやフィックス、カット割りの長短など、非常に巧みで、決して楽しい作品ではありませんが、堪能しました。一応落ちみたいなもので終わっていましたが、まだまだストーリー展開が出来るぐらいの濃密な内容だったと思います。

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SH

4.0不都合な真実

2021年10月10日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

難しい

女子高生いじめ自殺事件の真相を追う由宇子は、ドキュメンタリーディレクターとして、世に問うべき問題に光を当てるということに信念を持ち、製作サイドと衝突することもいとわずに活動をしていた。その一方で、父が経営する学習塾を手伝い、父親と二人でそこそこ充実した生活をしていた。そんな時、塾生の女子高生が塾で倒れ、妊娠してることを知り、相手が思いもかけない人で、由宇子の信念を揺るがす様な選択を迫られる、という話。
監督のオンライントークの回で、どう解釈するのか、はあえて明確にしなかったとの事。
社会の闇に光を当てるという事を正義と考えてた主人公が、自分の家族の闇に光を当てられるのか、という面で深く考えさせられる良い作品だった。
みんな他人には言いたくない不都合な真実が有るよな、それをどこまで知らない人に伝えるべきなのか、結論は出ない、というのが一番の感想。
由宇子役の瀧内公美が熱演してたし、メイ役の河合優実も良かった。

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りあの

4.0重たいテーマで凄い作品を観てしまった感じ。 そして役者の皆さんの演技も実に凄かった!

2021年10月9日
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鑑賞方法:映画館

ある事件のドキュメンタリー番組のディレクター由宇子がメイン。
その事件の真相を調べるため、関係者にインタビューなどをするシーンからスタート。
皆さんのリアルな演技に本当の番組を観ている感じ。

そんな中、もうひとつの重たい事件が発覚。
父の塾を手伝う由宇子。
塾に通う女子高生の小畑萌。
この二人の展開が凄かった。

本作のタイトルの通り、彼女が天秤をどちらに動かすのか?
誰にでもありそうな決断に泣ける。
(本当は泣いてないけど)
そして予想もしていないラスト。
お父さんの気持ちがとても良く解る。

ひとつの問題は解決したけど、もう一方の問題が解決されないまま終わってしまったのは自分的には残念だった感じ。
あの先の結末が知りたい!!

ぶっちゃけあまり知らない役者さんが多かったけど、観賞後調べたら過去に観た作品に登場しててビックリ(笑)

一番のビックリは萌役の川合優実さん!
最近観た映画愛が詰まった作品のビート板だったのね( ´∀`)

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イゲ

4.0メディアと正義

Nさん
2021年10月9日
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メディアや、あとはまぁSNSも、ほんとに社会的殺傷能力高すぎますよね。。歪められた情報での判断や、そのちょっとしたことで当事者がどれだけ苦しむのか考えて行動しないと。

さて、本題は、正義とは、なんでしょうね。
真実が全てではやはりどう考えてもない。。極端なこと言えば一番全員にとって被害が少ないことが正義と言える気もするし、自分だけのことを考えれば自分に被害が一番少ない道が正義だろう。メディアに携わる人間だからこそより一層強く苦悩する主人公の想いが滲み出てていいですね。

竹内さんよかった。なんかもはや演じてる感なかったですな。ドキュメンタリーみたい。実在する人みたいだった。映画全体そんな雰囲気だったけど。河合優美さんもいいですね。いい感じに闇が垣間見えるけど子供っていうバランス。。たまーに横顔が昔の石原さとみに見える。

にしても実際は塾講師が、、自分の親父が、、JK抱いてたらほんとに気持ち悪いだろうな、、口も聞きたくない、、親父にカメラ突きつけるのはほんとにかっこよかった。

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N

3.0どっち側?

2021年10月9日
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鑑賞方法:映画館

真実を知るってホント難しいですね。
身内は庇うものだし噂も信じてしまうし。

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たつじ

4.0ジャーナリズムの自問自答。

2021年10月9日
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事実を掘り、公開するのが仕事の人が、、、
自分、身内の隠したい事実を掘り公開出来るかと言う話し。更に事実だと思って掘ったが違ってた件も絡み、間違いであって欲しいと言う気持ちも働き判断を鈍らせる「ジャーナリスト究極の選択」。

機械的に考えると一択だけど、「加害者、被害者を守る」という事も人道的に必要なわけで、微妙。

ばっくれるという判断もあながち間違いじゃないと思うが、一生重い荷物を心に背負って生きていくのは大変なストレスだなぁ。荷物の重さと自分の生きる力を天秤にかけて測る必要はある。

その天秤なのかも!と今気付いた。

というわけで誰でも多少の嘘をついて生き、
真実を墓まで持っていくのだ。

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masayasama

4.0天秤は自分に都合よく揺れる。

2021年10月8日
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鑑賞方法:映画館

信頼していた人が実は嘘つきで、いい加減そうな人が実は誠実だったりする。善と悪。真実と虚偽。一見全く反することもあっと言う間に入れ替わったりもする。

時には圧力と闘いながら自らの信念を貫きドキュメンタリー監督としてある事件の取材を進める由宇子。そして夜は父親の経営する塾を講師として手伝う忙しい日々。そんな中最近入塾して来た生徒が妊娠していることを知る。更に次々と明らかになる嘘。自分が今まで選びとってきたものは一体何だったのか。由宇子の天秤が激しく揺れ始める。

真実を追及し虚構に立ち向かって来たはずの自分が身内の失態を隠蔽しようと画策している。なんて身勝手で滑稽なのか。そしてなんて人間臭いのか。ジャーナリストとて人間だ。所詮自分が一番かわいい。嫌と言うほど。

ラストシーンは震えました。物事の本質を見極め、語られる言葉を記録するために由宇子が回してきたカメラ。最後にそのレンズを向けられるのは誰か。常に冷静ながらも内なる動揺を演じきった瀧内公美さん素晴らしかったです。

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はるたろう

4.5人は嘘をつく

2021年10月7日
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怖い

難しい

由宇子はある学校で起きた自殺事件のドキュメンタリーを撮影中、学習塾を経営する父のある事実を聞かされて揺らいでいく話。

この作品、人が「嘘をつく」ということを丁寧に描いた上で、人とのかかわり合い方、ドキュメンタリーやらメディアやらSNSやら全ての情報の受け取り方を示してくれてる映画なのかなと思った。

まず、嘘は自分を守るために必要なことで、人が生きる上では当たり前の行動ということ。なので今作の登場人物たちもよく嘘をつく。由宇子は自分の立場を守るために萌に優しいふりをして嘘をつき、その萌もまた自分を守るために由宇子に嘘をついていた。ここには書かないけどさらにもう1人。

この人達が自分だったらと考えると、嘘をつかない行動より嘘をつく行動の方が容易に想像がつく。嘘は人にとって本能的な防御なんだろうな。

そして、人が完璧に理解できるのは自分のことだけで、他人については自分の目で見て聞いて感じることだけが真実ということ。なので登場人物達は、相手が嘘をついているかなんて全く疑わない。自分のことで一生懸命すぎて他人のことなんて考えてられないし、そもそも人を疑ってかかる人なんてあんまりいない。

この2つはドキュメンタリーの性質に似てるなと思った。1つ目の人は自分を守るために嘘をつくということは、取材対象者はカメラの前で少なからず自分をよく見せようと取り繕う。これはカメラが向けられている時と居ない時で言動が違ったり、カメラが向いてない思っている時にポロッと本音が出てきたりするので明らか。

2つ目の他人については自分が感じてることが真実ということは、ドキュメンタリーは製作者側がついた嘘を受け取って、自分の中で真実を見つけるしかないものだということ。これはドキュメンタリーは製作者側が伝えたいことがあって作られるものなので、どれだけ中立に撮ろうとしてもそこに意図的なものが入ってしまうことは必須だと思うから。

なので、ドキュメンタリーは嘘をつく(こんなタイトルの映画なかった!?笑)ものということを前提にして見る方も作る方も向き合っていかないといけないんだろう。ドキュメンタリーに限らず人は嘘をつくという前提があれば、SNSなどの色んな情報を自分の中で冷静に受け止められるんじゃないかな。

とはいえ自分も衝撃的なドキュメンタリーを見るといつも「そうだったのかあぁぁぁ」ってそのまま受け取ってしまうんですけどね。

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せつこん

5.0真実は闇に葬られる

2021年10月6日
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悲しい

難しい

ネグレクト、貧困などをはじめとする社会問題や、真実を伝えないマスコミなどの闇や問題を炙り出した問題作ではないだろうか。
観た後、重低音がずっと鳴っている感じ、ずっしり重い、難しい作品だ。

ユウコが手がけているドキュメンタリーような事件が自身の身にも降りかかるのだが、常に自分ならどうするか?と自問自答してしまう。

感情を伴う人間はどうしても自分の都合のよいようにはかってしまう。
皆、何かを守るために嘘をつき、正義と感情との間で葛藤しているのだろう。

それにしても、火口の二人での妖艶な役から本作のようなプロデューサー、塾講師としての顔も演じきる瀧内公美の役者魂には圧倒される。本作ではほぼスッピンで熱演し、彼女のことをまた好きになった。

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マキ

4.0たった一回で

2021年10月5日
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ドキュメンタリーが舞台のせいか、長く回す傾向があって152分。長回しの意外な効果として、こちらに考えさせる時間を与える点に気付かされる。転じて転じて、頭の中で天秤がガチンガチンと揺さぶられる。「そのやり方は逆に危険。後で説明つかなくなる」「現実的にはこれで収まれば…」「そこは怒って自己防衛して良いのでは」「それは直視せずに流した方が良いのでは?」などなど、一体どこまで続くのか、ラストにおいても終わった気もしない。
後で行動原理を再構築してストーリーにして伝えることはよくある所で、実際は利己と利他のいずれもが混じったその都度の判断の連続でしかない。「その時は萌を優先する」と「報道部の連中怒るでしょうね」が等価であったりする。
実にクールでカッコいい瀧内公美が黙っているシーンでも存在感を示す。それは善悪を超えた正しさを体現しているようでもある。そのあたりがこの映画における毒である。
出てきた途端に「ああっ、こいつは!」と思ってしまった梅田誠弘の弱さと狂気が入り混じった表情。最後に至るまで彼の一挙手一投足に目が奪われた。

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Kj

4.0町山さんがラジオで絶賛してたのと、プロデューサーが片淵監督というこ...

2021年10月1日
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町山さんがラジオで絶賛してたのと、プロデューサーが片淵監督ということで、気になってたこの作品を観てきました。
劇伴なし、ほぼすべてのシーンで主人公を追い続けるカメラ。懸命に誠実に取り上げようと追いかけていた事件と似たような状況に陥ってしまい、当事者としての判断を迫られる主人公の姿に心がヒリヒリする思いでした。急いで帰ってきてしまい、パンフを買いそびれたので、再度買いに行かねば。

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ふーみん

3.5天秤で量ることができる重さには限界がある

2021年9月30日
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 由宇子のお父さんの見た目がthe善良なこともあって、本当だったら衝撃の事実なんだけど、予告編でほのめかしているから驚きはない。そこは残念。それでも由宇子が、スマホで撮影しながら父親を問い詰める迫力には、見ている自分も後ずさりしたくなる。

 視聴率が稼げるシナリオに事実をつなぎ合わせて報道する体質というのは、今も昔も変わっていない。報道をそのまま受け取ってしまうだけでなく、一種の娯楽として消費する自分達も存在する。それが一転して当事者になると、ハイエナが群がってくる恐怖に襲われる。

 BGMがないため、目の前で起きている事実と錯覚するようなリアリティはあるんだけど、由宇子の父親とメイの父親のリアクションがちょっと現実離れしていてストーリーに乗れなかった。

 河合優実の演技はすごくいい。次回作はラブコメらしいのですごく楽しみ。

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bion

5.0主体性がないが故に成り立つ社会

2021年9月29日
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怖い

主軸が無くても何となく、出鱈目でも確実に動いている社会。誰も責任は取らないし、また取れない。正義を振りかざした側から、足元がぐらつく。自分に関して関心は薄く、他人に対しては異常なほど関心を示す。「オマエは誰だ?」と問われれば、直様「オマエこそ誰だ?」と問いをはぐらかし、発端を曖昧にする。これも人間の真実の姿には違いないのだろうが、立場の違いはちょっとした切っ掛けで交代する。社会的な強弱の差はさほどでもない。先ずは自らに関心を持つことだ。現象ではなく、存在というところで。
余談だが俳優陣の演技には目を見張るものがあった。監督の演出の上手さもあるのだろうが、これほど見せる演技が出来る俳優たちが世に埋もれている無念さもあるのだが、今後の日本映画の未来もまだまだ捨てたものではない。テレビサイズの映画ではない映画がスクリーンに現れる本数もこれからはますます増えて来るだろう。楽しみだ。

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shanti

5.0瀧内公美

2021年9月28日
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最初から最後までひたすら重い展開が続くが、二時間半飽きさせず見せる

手持ちカメラを多用し、長回しも多く、音楽も使わないのに見せる技術

とにかく瀧内公美に尽きる

存在感、演技力、素晴らしい(若い頃の田中美佐子に似てた)

必ずしも一般受けはしないと思うが、今年ベスト級の凄い映画

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うんこたれぞう

4.0見応え十分🎦

2021年9月26日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

正義を貫く難しさ。結局身近な身内が大切だと気づいて自己嫌悪に堕ちながらも自己の成果を守るためスタッフみんなに迷惑をかけるなどと後追いの理由付けを口にする自分にまた自己嫌悪。でも正義を貫けないと気づく。堂々巡り。でも仕方ないですね。みんな自分が一番大切ですから。身につまされます。

この主演女優、瀧内公美、凄い。存在感と雰囲気が良い。他の作品も観てみよう。

ストーリーの前半は良かった。中盤から帳尻合わせや伏線回収に転換する辺りから急に弱くなった。惜しい。もっと突き抜けないとドキュメンタリーチックの度合いが急減してしまう。おまけにラストが中途半端。

でも観ないと後悔しそうな作品である。間引きしていたが満席でした。上映館増やしても良いのでは。

エンタメにはない訴えのある秀作。
是非映画館で🎦

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タイガー力石

4.5どう受け止めたらいいのか、、

2021年9月26日
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鑑賞方法:映画館

2時間半の長尺ですが、ストーリー、役者(特に子役たち)の演技に最後まで釘付けでした。
もっとらしい正義や倫理観に当て嵌めることが出来ない問いを突きつけられて、鑑賞から2日経っても、自分なりの答えが見つかりません。

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ほにゃらら

5.0信念がぐらつくほどの力を持った作品

2021年9月25日
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人は、常に何かを選び取って生きていくものだと常々思っていますが、こんなにしんどい選択を1人の人間に次々と仕掛ける物語に、観ている私たちも気持ちの共鳴を感じながら、どんどんしんどくなっていく…でも、「どうなるんだろう」「どうするんだろう」そんなことが気になって、最後の最後までずっと釘付けでした。

「本当のこと」は、それを伝えているもの、つまり当事者本人にしか分からない。
伝えられた相手が、伝えられたことを信じればそれが「真実」として物事が進み、人を動かします。でも、真実を伝える正直さや、正しいと思う正義が、余計な、あるいは不幸な結果を生むこともある、と…映画を見て、そんな感想を持ちました。

主人公の由宇子は、自分の信じた「真実」を世に伝えるため、その一心で突き進む、とにかく真っ直ぐで怯まない、凛々しく格好良い女性です。
が、そんな彼女に「真実をそのまま伝えられない」不条理や不都合が、ごく個人的な範囲で、全く自分には非がない状態で起きます。
責任感の強い由宇子は、不都合の当事者が自分の一番身近な人たち(うち一人は「自分が守るべき」弱い立場の少女)なので、自身の責任において事態を回収しようと試みるのです。
しかし、それは徐々に彼女を追い詰めていきます。
「本当のことが周りに知れたら、その当事者に取り返しのつかない危害や不幸が襲い掛かる」ことが考えられるので、そうならないように由宇子は奔走します。当事者の少女から一番の信頼を得て、どうするのが彼女にとって最善なのかを考え、守ることに懸命になります。
守れそうな方向へ物事は進みかかるのですが、またそこに予想もできない別の真実(おそらく少女の嘘)が第三者の発言で突きつけられます。

世間の嫌な空気や、ネットやメディアの無責任な発言や煽り、そういうものとは「自分の信念」を以て闘えることも多いのですが、信じた相手がやむにやまれぬ状況でついた嘘や虚偽行為に自分が向き合う時、どうすればいいのか…答えはそう簡単には見つからない。映画は「では、貴方ならどうするのか」を見ている側に容赦なく問いかけて来ます。

守ろうとしたその子は自分に嘘をついていたのか…由宇子は本当のことを知ろうとしますが、失敗してしまいます。当事者の少女はその結果暴走し、不幸な事故に遭ってしまいます。
少女を救うため、彼女の父親に、自分の誠意を以て、真実を告げようとしますが、ここでも失敗し、いきなり命の危険に関わる目に遭います。

正直であること、誠実であること、私はそんな価値観に支えられて生きています。
しかし、この映画で描かれている物語を見てしまうと、そんなものは厳しい現実の前にはいとも簡単に崩壊するものだと思い知らされます。
まさに、「天秤」でぐらぐらとするように「嘘や不誠実が必要な場面もある、不可抗力となることもあるのだ」と納得せざるを得ませんでした。
だからと言って、自分の価値観が変わるということはないのですが、人が自分の身を守るため、生きて行くために「使わねばならない」手段に嘘や偽りがあるのも厳然たる事実。
映画を見た後、多くの人は、考えるのでなく「考え込んでしまう」そんな「ずっしりと、とてつもない重さ」のある作品でした。
こんなにすごい物語を書き、映画を生み出した春本監督、すごいキャラクターを体現した瀧内公美さんや河合優実さん、梅田誠弘さんをこれからも追いかけたいと思います。

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mayuoct14

4.0前評判通りの傑作

2021年9月25日
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決してセンセーショナルに煽るでもなくドラマ的に描くでもない。音楽なしで、主人公視点で描くことで150分の長時間を飽きさせることなく描いている。工夫とかアイデア、練られた脚本でこうなるかと感心する作品。
渋谷ユーロスペース席飛ばしもなくかなり密で椅子の座り心地も悪い。ただし本作のような作品を上映してくれるスピリットに感謝。

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90's