劇場公開日 2021年6月4日

「ラブコメの暑苦しさが無く観やすい作品、若手キャストも魅力的」胸が鳴るのは君のせい たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ラブコメの暑苦しさが無く観やすい作品、若手キャストも魅力的

2021年6月9日
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鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

萌える

『思い、思われ、ふり、ふられ』以来の胸キュン映画なのだが、それよりも直球に描く今作。しかし、片想いとすれ違いを丁寧に描いた作風が何故かキュンキュンして泣いてしまった。片想いのムズムズとした感情が余韻をくれる。

まず、キャストが絶妙だと思う。美少年の浮所くんは初めて観てちょっと平野紫耀くんっぽくて、あんまり…と思ったけど、次第に馴染んでいった。一方、ヒロインを白石聖がしている時点で既に今作は成功だと思っていたので、間違いはなかった。寧ろ、満を持してこの系統のヒロインを務めた印象。初々しさとシーンの緊張感を作るのが上手くて、心臓が痛かった。笑
また、原菜乃華や板垣瑞生の配役もバツグン。掻き乱す役どころでありながら、彼らの気持ちも分かるからなんとも言えない…。この他ドラマや映画で観る、演技の上手いキャストで固められているので、ラブコメでもいい塩梅が効いていたと思う。
さて、作品の方はというと、自分のストライクゾーンの真ん中に近いテーマだけあって、ずっと楽しめた。少しありえないようなシチュエーションも、光を多用した心の煌めきも好き。久しく乱発していたラブコメ作品の中でもリアリティの比重があるので、個々の感情が浮かびやすく、観やすかった。だからか、大学生のクセして普通に感動してしまってるし、なんなら繊細な人間模様にグッと来ていた。
その一方、説明的な場面を投入するのはやっぱり倍速や情報接触を短時間で済ませたがる中高生への配慮なのかなとも思う。「これはこういう所から来ている感情でね…」と引っ張って見せるのは、悪くないけど気になった。あと、証明さんと撮影さんのコダワリが伝わってきて良かった。

思ったより苦戦しているのが意外。華は特段ある訳ではないが、しっとりと良い雰囲気で進むから観やすい。ただ、東映だから劇場が少ないのも残念。もっと白石聖の魅力に気付いてほしいよ、皆…。笑

たいよーさん。