「乱取り、ダンス、そしてアヒル口」アイの歌声を聴かせて bionさんの映画レビュー(感想・評価)
乱取り、ダンス、そしてアヒル口
シオンが壊れたAIロボット三太夫の代わりにサンダーの稽古相手になるシーンがあるんだけど、これがめちゃくちゃいい。柔道の組手が、いつの間にかダンスのホールド姿勢に変わり、土屋太鳳が歌うクイックステップの曲かかると畳の上を華麗なステップを刻んでいく。歌とダンスに酔いしれていると、ステップが払い技に変わりサンダーが一本を決める。
躍動感といい歌の挿入の仕方といい柔道とダンスのミックスの仕方といい、最高の出来。このシーンは何度でも見てみたい。
土屋太鳳、福原遥、工藤阿須加の俳優組がちょっと心配だったが、3人ともいい意味で本人の声を感じさせないとてもいい演技だった。
人間と見分けのつかないくらいの思考や行動をするAIアンドロイドを想像していたので、いきなりネジの外れた行動をするシオンに驚いてしまった。面食らう間もなく、土屋太鳳の歌で強引にストーリーに引き込んでしまう力技はなかなかのもの。
テンポもよくミュージカルパートも効果的挿入されていて見応えのある一作でございました。幸せな気持ちになります。
コメントする