「科学者とは」映画 太陽の子 かっちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
科学者とは
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日本の原爆開発は、理研と京都帝国大学で行われていたが、これは京都の方の話である。
そもそもが戦争末期の時点で、ウラン分離に使う遠心分離器すら完成していない。
いったいどれだけ現実に原爆が完成すると思っていただろう。
常識的に考えて、この戦争に間に合うとはとうてい思っていないはずだ。
石村が突き動かされていたのは、単に科学的好奇心からである。
「日本の為に」なんて思うのは単なる言い訳であるだろう。
それが証拠に、彼は原爆の炎に焼きつくされる京都を比叡山から見物するという。
そこに数万の人間がいるなんて彼は考えていなかった。
ただ彼は最後に英語で問いかける。
答えるのは科学者の立場の彼自身だ。
「こんな結末を予想したか」
「もちろんだ。これまでもそうだったし、これからもそうだ」
科学者である自分に問いかける言葉だった。
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