「やはり描ききれないかな」映画 太陽の子 まゆこっちさんの映画レビュー(感想・評価)
やはり描ききれないかな
8/6の広島原爆投下の日の公開初日に観てきました。
どうしてもテレビも映画も俳優三浦春馬のことがクローズアップされがち。このことはどうしようも無く、私も彼のことは本当に残念だし、俳優としてこの後の活躍がもう見られないのはとてもとても悲しくて惜しいことと感じている。悲しい。
しかし、やはり柳楽優弥が主演でここを軸に観てもらいたい。ここでも演技は凄いなと思いますね、彼は本当に怖いくらいです。どの作品でも。
ストーリーですが、浅いかなと感じました。それにこれは観る方に預けられるような、考えること、想像することのきっかけを与えるものなので、これを見て色々感じたり理解したりは観る人によって本当に違うと思います。
一番悲しかったなぁという場面は、
一時帰宅するのは戦線に赴く前にありがちで、もう帰ってこないかもしれないとわかりつつも、何も言えない田中裕子演じる母。最後に三浦春馬演じる次男を抱きしめたい、抱きしめてしまうとグッと堪えている感情が破けかねない…そしてもう最後かもしれないから抱きしめた方がいいと言う私の心の叫びも届かず(テレビドラマ版でも同じ!)見送る。その場面はテレビでもすでに見ていても辛かった。
子供たちを束ねて工場(?)で働くセツは子供らの夢はたくさん子供を産んで御国に捧げることと知り、静かなる激昂。これは戦時下での教育という名の洗脳、実際そうだった訳でなんて恐ろしいんだろうと改めて感じるが、セツの夢の素晴らしさがとても美しく思う。そして、未来を見ている彼女の強さ。我々が今生きる平和な世の中まて繋がる細い線が見える感じがした。有村架純すごく良かった。
原子力研究、ここに描かれている状態が本当ならアメリカとは圧倒的に…言葉が悪いがちゃちい。日本の国レベルでこんな?
本当に研究者自らが一抱えのウランを街でかき集めてようやく実験してるレベル?嘘だろ…
軍に託された研究が本当にそんなやり方だったのか?
ストーリーが浅いと感じてしまったのは
広島原爆投下直後、それも長崎への投下より前に現地入りして帰ってきてるけどなんで?
ここのストーリーは映画の根幹なのに嘘っぽい。稚拙な感じがした。(もし実話なら本当にごめんなさい)
でも、柳楽優弥演じる研究者がウランを持ち帰った後に感情を爆発させて、自らの研究に疑いを持ち仲間と殴りあったり、広島の凄惨さを見せつけられてきてるのに、故郷京都にも原爆が落とされるならそれを見たいという狂ったようなことを考えたり。
そういう感情にもなり得るだろうが、私も田中裕子演じる母と同じ気持ち、見物するのか。と思いました。
研究者って変わってるとかいうけど狂ってると。広島を見た直後だろ、恐ろしいと。
冷静に考えて原子力研究を軍事利用することを嫌がってるのも本心でその力を見たいだけ、街や人が燃え苦しむことが見えなくなってるってわかるけど。
怖いです、柳楽優弥の演技がうますぎて、私はこんなに脳内で色々考えてしまったので根幹のストーリーの嘘臭さの減点を補って3.5。
書ききれなかったけど、研究室のメンバーそれぞれもすごく良かったです。三浦誠己や宇野祥平と言った映画で有名な方々が豪華に脇を固めてます。
まゆこっちさん 両方に コメントありがとうございます。
そうなんですね。「太陽の子」は ちょっと自分には合わず、家族にも勧めなかったのですが、まゆこっちさんのレビューを拝見して もう一度TV版を観てみようかと思います。多分…印象は変わらないかもしれませんが。
HOKUSAI の映画の脚本は全くいただけませんが、役者さん達の演技は良かったですね!
フォローありがとうございますm(__)m
コメントありがとうございます。
テレビと映画は同じ撮影のものを編集を違えている感じでした。
内容はほぼ同じで余り映画をみて驚くような展開の違いもなかった(と私は)思いました。
柳楽優弥さんもすごく好きなんですが、映画は俳優より内容で選ぶ感じです。HOKUSAIも内容に期待したんですが…芝居と映像の美しさは楽しめました。
まゆこっちさん 「HOKUSAI」にいいねをありがとうございます!
「太陽の子」は昨年 TVで観ましたが、映画は新しく編集されたものなのでしょうか?まゆこっちさんは柳楽優弥さんが お好きなんですね?だから「HOKUSAI」なんですね?映画はご覧になりましたか?
私のレビュー通り、私は全く評価出来ない映画でした。脚本が優れたものならば、柳楽北斎はもっと魅力的だったハズです。写楽や歌麿などに影響されたり迷ったりなどせず、ただ描きたいものに飄々と向き合っている柳楽北斎を見たかったです。ただ、本当に筆を走らせる姿は美しく圧倒されました!
柳楽優弥さんは「ゆとりですが何か?」や「青い炎」などで観た時に コメディも出来るんだ❗と驚きました。