「京大卒監督制作のアメリカとの対話」映画 太陽の子 amycinemaさんの映画レビュー(感想・評価)
京大卒監督制作のアメリカとの対話
ドラマ版と映画版では明確に主軸にするストーリーが変わります
ドラマ版は修よりも裕之という戦時下を生きた青年にスポットが当たります。
三浦春馬ファンはドラマ版を見るべきであり、映画版ももちろん見るべきです。
以下、戦争や歴史に無知な一般人の感想です。
日米合作ということでアメリカでの上映も視野に入れているため試行錯誤しているのが視覚やセリフにも見え隠れします。
物語も序盤にかかってくると説明的な場面が増えてきます。
日本特有のセリフを言わず想像力で伝えるということはせず、
アメリカ人が字幕で見てもわかるように説明台詞が出てきます。
気になったのは歴史的事実をラジオで知る方法が日本国軍のラジオではなくアメリカ軍のラジオです。
アメリカ人は役者として出てこないが対話相手はアメリカなのです。
ここに映画の目的というものが見え隠れします。
日本軍の当時の偏った思想を無視し、アメリカ側の主張を科学者達は優先していたというのでしょうか。
また修がアインシュタインと会話するのも英語です。
もともと日本語だったのが柳楽優弥さんの提案で英語になったそうですが
前半のラジオの部分とこのシーンも英語になったため、日本制作映画をアメリカ人に伝えるという気持ちが強いことを感じさせました。
科学者が部隊として戦争に参加せず表向き技術開発の戦争として参加する事は当時の学生が葛藤する事が想像できますがそれも説明があります。
ただその割にマンハッタン計画の事が抜けていたりと映画を見ただけでは分からない部分の説明が抜けているのは監督が頭が良すぎるゆえでしょうか。
アメリカ人にとってマンハッタン計画は称賛されているのかも知れませんが日本人で知っている若者はいるのでしょうか。
これは当時エリート科学者達の物語でありそして現代の科学者達への映画です。
その為日本軍である裕之の衣装が時代考証と合わなかったりとドラマ版放映時に批判がありました。
この映画は日本人からの批判も受ける事でしょう。
戦後76年少し偏りのあるこの映画はどれくらい受け入れらるでしょうか。
何度も見る予定なので意見が変わったらまた追記します。