配信開始日 2020年10月21日

「時代性の変化を反映」レベッカ オスカーノユクエさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0時代性の変化を反映

2020年11月23日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

オリジナルから80年後のリメイクとなれば、時代性の変化が反映されているかどうか?が真っ先に問われることになる。その点、今回のリメイクは現代の価値観や社会性を慎重に反映していると評価できる。

ヒッチコックが監督したオリジナルは、1940年という時代ゆえに今観ると歯がゆく感じられる部分も多い。受動的なヒロイン像しかり、前夫人=レベッカのサイコパス的な描かれ方しかり。ローレンス・オリヴィエ扮する富豪の身勝手ぶりも相当なものだ。

ポリティカリー・コレクトネスに配慮した結果と言えばそれまでだが、本作の場合はそれが物語上の必然として上手く機能している。ヒロインは主体性を帯びてより魅力的になり、前夫人の存在に固執する家政婦長のキャラクターも説得力を増した。

アカデミー賞作品賞を受賞したオリジナルに挑み、見事に結果を出した稀有な例として評価されて然るべき良作だ。

オスカーノユクエ