「ただただ、フローレンス・ピューに圧倒される。」レディ・マクベス バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
ただただ、フローレンス・ピューに圧倒される。
ミッドサマーの演技に魅了され、それ以前の主演作ということで
興味津々で鑑賞です。
フローレンス・ピュー恐るべしな一本でした。
何度か同じ構図のシーンがあります。
ソファーに座りみじろぎせず真正面を見据える主人公。
セリフ、音楽、動き、、、全く無し。
どのくらいの長さだったかな?
不思議に繰り返されるたびに
主人公の心情が変わっている気がしてならないのです。
内面から滲み出る何かなんだと思いますが、
どんどん無垢な少女から変わっていく様。
自我?欲?価値観?芽生えた覚悟?
この無言のシーンに説得力をつけてしまう
フローレンス・ピューの凄さは一体何なのでしょう?
静かに、主人公キャサリンの欲望が青い炎のように、したたかに燃え続けます。
嫁によって屋敷内の空気が変わっていく様、怖いです。
いやいや、ヒリヒリします。
そして、クライマックス。
人間の愛とは誰に向けてあるのか?
極限状態のときに人間は一体何を守るのだろう?
何を優先するのだろう?
行動の源ってなんなんだ???
キャサリンが得たもの、手放した物(者)はなんだったのか?
そうなったのも、そうさせたのも人間の業なんだよな。
哀しい、寂しい、人間って。
セリフ、音楽が少ない。
しかし、映像の力、演技の力でなんとまぁ、
あっという間の良い時間でした。
一つ、あるとするなら、キャサリンの
スイッチが入った背景、心情にもうちょい
厚みが欲しかったかな?
コメントする