オン・ザ・ロックのレビュー・感想・評価
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女性視点で描かれる日常のあれこれ
名もなき家事や子育てのふとした瞬間を映し出すのが良い。
旦那の浮気を疑って行動を起こすけど、信じたい気持ちと疑いが深まって焦る気持ちとが観て取れて面白い。
父親が恋多き人で家庭を顧みない描写もあるのに、誰に対しても紳士で博識のあるいでたちに、カッコいい大人の男性だなぁと感嘆してしまう。ビル・マーレイ!可愛いカッコイイ紳士を好演しています。
憎めなさと、女性の扱いに長けている。
劇中でさりげなく取り出す万年筆や、さりげなく女性にドアを開けてあげる所作が本当に素敵。
誕生日は特別な日だからと、少しランクの高い、それでいて気兼ねしなくてすむようなお店に連れて行ってくれて食事をするとか。何の気なしにチョコパフェが出てくるとか。
百発百中で女性を虜にする魅力の詰まったジェントルです。
主演のランダ・ジョーンズは良い意味でセレブ感が無いのが良い。
生活感のある主婦。少しオシャレな装いでも可愛いなぁと思える中肉中背体系に共感の嵐。スクリーンの中でしか観たことのないモデル体系の俳優を起用しなかったことで、グッと物語が身近に感じられました。
夫役のマーロン・ウィアンズは初めて拝見した俳優さんでしたが、清潔感もありつつ秘密を秘めていそうなナイスガイでした。
優しい笑顔がチャーミング。
疲れた時に心が暖かくなるほっこり系の映画でした。
役者さんや作品自体の雰囲気を楽しめる作品です。
是非、劇場でほっこりしてください。
父親は年取る程に娘が大好きなんです!
日本の多くのお爺ちゃんだって、きっと、おんなじ。歳いくほどに、娘が可愛くて、いっぱい話をしたいんだよ。(でも、現実は・・😭)
監督もパパのそんなところを、気づいていたんだろうなぁー。
年老いてく男の本性を、嫌味なくストーリーにしてくれて、上手いです。
勇気があるお嬢さんは、パパと一緒の観覧を!
マティーニ飲みたくなる
子供が二人いて良い人生を送れてると思っていたローラが、旦那が浮気してるんじゃないかと疑い、お父さんと浮気調査をする話。
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浮気をずっと疑ってるだけの話なので、特に大きな出来事は起こらないんだけどビル・マーレイ演じるお父さんと主人公ローラがレストランやらバーで話してるだけでずっと見てられる。
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お父さんはダメ男で浮気してお母さんとは離婚してる。古い価値観を持ってそうな老害なんだけど、そこまで嫌味に見えない。それはローラが上手くお父さんをかわしてることもあるんだが。
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要はこの話、お父さんを見て育ってるから男は皆浮気する生き物だから夫も浮気してるはずだと思っちゃって、ちゃんと旦那さんのことを見てなかったのよね。
だからお父さんとの食事シーンは耳をよく傾けられる静かな場所で、旦那さんとはうるさい場所で。やっと2人がお互いの気持ちを話す時に静かな場所で話すっていう構図になってるんじゃないのかな。
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あとはメキシコ(だった?)で、ローラがずっと黄色いワンピース着てるのは自分が夫を責めるつもりだったのに、実は自分が夫から責められる立場になっていたってことを表してるんじゃないのかな。タクシーの色と一緒だし。
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ニューヨークの巨匠を襲名か?
ニューヨークテイストのいまや巨匠とも言える風格ある作品を連発するソフィア・コッポラ。父君のように大ヒット大作主義で、結果ボラティリティが高い賭博的な方向ではなく、どちらかというと山手線的な無事故安定な仕事っぷり。この作品のウディ・アレンっぽさは濃厚で、かつてのニューヨーク派が老境に入ってきていることもあり、ニューエラの牽引者として襲名の声も旦那衆(出資スポンサーたち)からかかってくるのでは。
ビル・マーレイが極めて良い。保育園で並ぶ母との定番の会話シーンはアレンへの目配せか。ただ、アレンの強みでもあるユダヤ人であることの積極利用、スコセッシの大作志向など、諸先輩らはまだまだ侮れないのでコッポラさん、ご注意を。
よくできた楽しい作品
家族第一主義のアメリカ映画の多くは家族を守るために戦うアクション映画か、家族間の衝突と和解を描くヒューマンドラマだ。本作品は後者に属する。
「ゴーストバスターズ」ですっとぼけた剽軽な演技が評価されたビル・マーレイは、歳を経て更に味を増してきた。「St. Vincent」(邦題「ヴィンセントが教えてくれたこと」)では、聖者が俗物の爺さんの皮を被ればこうなるかもしれないと思わせる主人公を演じ、前作の「デッド・ドント・ダイ」ではやはりどこかトボけた警察署長を好演。本作でも矛盾だらけの小洒落た老人を存在感たっぷりに演じてみせた。
フェリックスが自分のことを棚に上げて語る人生観には、それでもいくつかの真実がある。彼自身も含めて世界を笑い飛ばすユーモアもある。若い女には理解できないが、内側に矛盾を抱えつつの飄々とした生き方は、一定の年齢を過ぎた女性には受け入れられるのだろう。フェリックスは年配女性にモテモテだ。
マーロン・ウェイアンズが演じた夫ディーンは仕事に一生懸命で誠実そのものだが、その妻である娘ローラが小さな疑いを持ったのをきっかけに、フェリックスは茶目っ気たっぷりの遊びを仕掛ける。真面目なローラはそれが遊びであることに気づかないままストーリーが進み、吉本新喜劇みたいな落ちで終わる。
ローラの立場で鑑賞するとありがちなホームドラマになるが、フェリックスの立場で見るとコメディである。フェリックスは娘が人生のある種のターニングポイントを迎えたことを知り、それを上手に切り抜けさせるための策を講じる。フェリックスは隅に置けない老人なのだ。真面目そうな運転手がさりげなく手伝うところも洒落ている。
フェリックスが撒いた伏線はローラの前ですべて回収され、ローラは最後に父の真意を知り、物語は一分の隙もなく完結する。よくできた楽しい作品だと思う。
軽やかさと脚本の妙に脱帽。
これが手腕ってものなんだろうか?
二児を持つ多忙な父と創作者の母親の家族。
夫婦間のちょっとした波風に、母親の父が絡んで
ストーリーが展開します。
めちゃくちゃザックリ書くとこんな話。
シンプル。
まるで、なんのイベントもなさそうな、
なんの期待も出来なそうな、、基本的ライン。
けど、この監督にかかると
「あるある感」満載かつ、軽やかに描かれる日常、
説明セリフに頼らずに語られる
人物像や人間関係、背景、それらがしっかり
しているから、このある意味バーディ物と
言ってもよい?であろう
不思議な展開が、なぜか、、、、ありうるかも?
って思っちゃうから不思議。
で、ビル・マーレイが見事!見事すぎる。
父親役が本作のキーだと思います。
この人生謳歌感、無敵。いや、マジ憧れてしまった
僕も問題有りだな(笑)
けど、見事に演じてるからこそ成り立つ映画だったかな。
ちなみに、かなり笑えますこの映画。
まさかコメディだと思いませんでした。
題名、on the rocks
なんでこの題名なんだろ?としばし考えましたが。
なるほどー!と勝手に自分で納得してます。
破綻して、岩の上、ウイスキーのオンザロック など
意味がいくつかありますが
すべて加味してんじゃないかな?
特に氷がジンワリ溶け出し、ゆっくり味が変わりつつ
楽しむお酒・・・の意味合いが、強いんじゃ?なんて思ってます。
そーいや劇中、お酒の場面良かったなぁ。
女子の理想のパパ(パパ活的に笑)
お金と時間にゆとりがあって、ご飯と大人な遊びを知ってて、会話が豊富で女たらしで、そして子供っぽいお茶目さを忘れず、年齢差を感じさせずに楽しい時間を提供してくれる、、、
これ、理想のパパやん!(理想の親子像かはともかく、あと男子なので知らんけど笑)
日本にも高田純次という、理想的な歳の取り方をした、誇るべき生涯現役男子がいるが、とにかくこういう人たちは、一挙一動が嫌味なく様になる。
それにソフィアコッポラさんの色使いが加わるので、開幕からエンディングまで心地が良い。
映画的に言えば、主人公と父、それぞれの心の再生を細かく描き出せば、ストーリーに層的な厚みが生まれたのだろうけど、、、そして120分ものを創っても良かったのだろうけど、、、
これはたぶんそういう映画ではなくて、たまに疲れた平日の晩に、自宅のソファでほろよいでも飲みながらライトにみるやつ。
お鈍な男子にも心の動きが理解できるほど、主人公役の女優さんの演技が秀逸なので、それがまた心地良いのです。
定期的に、自分が嫌な歳の取り方してないか、見直そう。
ハイソの何も起こらないつまらん話
自分とはちょっと違うハイソなドラマで、なんかいけ好かんなーと思いながら見ていたけれど、いけ好かん気持ちや人の日常というのは金の有る無しに関係ないなと感じさせられてしまって、だんだん可笑しくなってきて、結構笑って、結局かなり感動させられてしまった。
自分自身を包み隠さず素直に表現しているこの監督の作品は、正直まったく自分とは縁がない世界だと思い知らされつつも、なんの嫌みも違和感もなく堪能できてしまうので、なおさら気に入ってしまう。つまらんなーと感じつつも、いい作品だと思ってしまう。
口笛
主人公夫婦の妻役の父親、ビル・マーレイがいい味を出している。ああいう歳の取り方は素敵だと感じた。
にしても、結婚とはなんぞや。と考えさせられる内容であった。旦那は家庭を顧みず出張ばかり。妻は執筆活動が全く進まず、すれ違いの日々が続く。ましてや旦那には浮気の疑惑が。下手すりゃ家庭崩壊である。
でもやっぱ真実の愛は勝つんだよな
父親が娘を想うって、切ない
とにかく、娘が心配で、何でもいいから役に立ちたい、愚かで愛おしい父親です。
不安だったのは、自分のはずなのに、父親を言い訳にするなんて、まだまだヒヨッコだね。
あんなに娘に言いまくられて、責め立てられても怒らないなんて、ホント、神対応としか言えない。
愛、そのものですね。
これが娘と母親となると、かなりバトルのですが。まだまだ、親として未熟だなと、猛省です。
ソフィア・コッポラが描く家族像は、裕福な(しかもかなりな)家ばかりで、憧れではあるが、生活感なさ過ぎて、さすがに映画!って感じ(笑)
ソフィアコッポラ+A24…当然観たい
思ったよりコッポラらしさがあまり無いように感じました。
が、男は初見で理解できていないのでしょう。
きっとそうだ!ソフィアコッポラなんで・・・
余談:
なぜ今回、こんなにも上映館数が少ないのか疑問だったのですが、冒頭部分で理解できました。
「An Apple Original Film」
あぁアップル資本の専用コンテンツって事みたいです。
もうコッポラ監督の作品は今後TOHO系では鑑賞できないのでしょう。
怖いです…アップルが映画公開日にスマホにも同時配信って日が来るのでしょう。
口笛は、まやかしの汽笛
The アダルトエンターテイメント
オープニングのBGMから、期待値MAX!
夫婦によるライトな前フリが済んだところで、ビル・マーレイ扮するダンディパパの登場シーン。
ジャジャーン!!!
満を辞して感否めない。(心なしかドヤ顔)
そしてそこからが本番!
妄想娘と夢想パパの喜劇な探偵サスペンス。
シリアスさもなければ、バラエティにも富まない展開。
それこそが妙味の洒落と小粋さよ。
アートとしての映画!星4つ✨
口笛吹きは、優しきliar
吹けない彼女は一途な、kind pearson
ビル・マーレイのための映画
この手の「ちょいワルおやじ」を演じさせたら、
彼がすべてを持っていってしまう。。。
古くて申し訳ないが、
『恋に落ちたら…(原題: Mad Dog and Glory)』で
デ・ニーロにまとわりつくギャングを演じたのを
思い出した。
本当に味のある、他に替えがたい名優だと思う。
ただ映画としての出来はザンネンな感じが拭えない。
起承転結の「転」に当たる部分が弱く、
前半のワクワク感を、最後まで引っ張られた挙げ句、
娘に構いたかっただけのセツナイおやじ、
としてしか振り返られないのがニガい。
【ありがち、ありがち】
疑心暗鬼の責任は、実は自分にあることが多かったりする。
それが滑稽なのだ。
こういう時に限って、いらぬ想像力が爆発したりする。
周囲も無責任に想像力の枝葉を広げるのを手伝う、煽る。
フェリックスは、彼なりのやり方で、それを教えているのだ。
過去にあれこれあったのかもしれない。
それで問題があったこともあるだろう。
でも、振り返ったら、率直であったはことは総じて良かったのではないのか。
気軽に他人とコミュニケーションを取り、思いつくままに計画を前に進めてるようだが、実は思慮深かったりもする。
見た目だけで判らないことは沢山あるのだ。
このストーリーの展開、館内に笑いが伴う。
決して大笑いではない。
結婚してようが、未婚であろうが、似たような疑心暗鬼を抱えた人がほとんどのはずだ。
だから、気恥ずかしさも半分で、きっと大笑い出来ないのだ。
でも、率直になった時、ローラは実は、フェリックスに感謝してる。
きっとバツが悪いと思うけどね。
人生、そんなことの繰り返しだ。
収まりが良ければ、滑稽でも、それが素晴らしいのだ。
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