「【”父親はいつでもいつまでも、娘を大切に思っている。けれど、行き過ぎると・・。どう見ても、ソフィア・コッポラ監督の実体験をネタにしたと思えてしまう面白き作品。ビル・マーレイの魅力全開作品でもある。】」オン・ザ・ロック NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”父親はいつでもいつまでも、娘を大切に思っている。けれど、行き過ぎると・・。どう見ても、ソフィア・コッポラ監督の実体験をネタにしたと思えてしまう面白き作品。ビル・マーレイの魅力全開作品でもある。】
―ニューヨークで暮らすローラ(ラシダ・ジョーンズ)は夫ディーンと娘二人と幸せに暮らす日々。彼女も執筆業をしている。
が、ある日、酔っ払って彼女のベッドに入って来た際の夫の態度と、度重なる夫の出張とで少し夫に対する疑念が・・。そして、見つけてしまった夫の出張用スーツケースの中に入っていた”ピンクのハートマークが沢山デコレーションされた”ポーチを見つけてしまう・・。-
疑念渦巻く悩めるローラ。つい、相談してしまったパパ、フェリックス(ビル・マーレイ)は、画商の仕事もそっちのけでローラをそそのかし、二人でディーンの尾行を始めるが・・。
ーパパに相談するってことは、既に母親とは離婚していると思われる父親との信頼関係がある事が分かるし、面白いのはビル・マーレイ扮するフェリックスの真面目な顔をしながらも(ビル・マーレイだからね。)、内心嬉々として、娘を奪った男の浮気現場を捕らえようとする姿である。ー
又、彼のその人脈の広さにも驚く。
■パパ、フェリックスの人脈
1.ロンドンのホテルのコンシェルジュ→ディーンのイギリス出張の状況を調査!
2.夜のNYを信号無視して、ディーンが疑惑の女性と乗ったキャブを追いかけ、警官に捕まっても、その警官の祖父とお友達→見逃してもらっただけでなく、エンストした古い真っ赤なアルファロメオを押し掛けまでしてもらう・・。
3.メキシコの宿の女主人→ディーンの主張先まで押し掛けるに頼る・・。
が、パパ、フェリックスもかつては、数々の浮名を流し、母親とローラを悲しませていた。その事を、ローラは追及するが・・。
<ローラとビル・マーレイ扮するフェリックスとの随所でのやり取りが面白い。
どう見ても、ソフィア・コッポラ監督が父、フランシス・コッポラ監督を想起して書き下ろしたとしか思えない作品でもある。>
■蛇足
将来、娘が結婚し、その相手が浮気しているようだと知った時には、フェリックスのように、湯水のごとくお金を使って浮気現場を押さえてやる!
などと考えていたら、何だか楽しくなってきた・・。
男とは、幾つになっても、おバカな生き物なのである・・。
<2020年10月31日 刈谷日劇にて鑑賞>