劇場公開日 2020年12月11日

  • 予告編を見る

「モノが引きずる思い出が成長させてくれる、少し可笑しくて面白い断捨離の行方」ハッピー・オールド・イヤー たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0モノが引きずる思い出が成長させてくれる、少し可笑しくて面白い断捨離の行方

2020年12月16日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

モノとお別れするって疲れる。途方もないほど険しく見える。モノに絡んだ思い出を向き合いながら、自分を清算していくドラマに、ジンジンと胸が痛んだ。

モノがないのが理想的、そんなスタイルに憧れて帰国したジーンは、とっ散らかった家のリフォームを企画する。邪魔されたくない母と賛同してくれた兄。単に捨てるだけではなく、モノと向き合うことを決めたのはいいが、出てきたのは、怠惰な自分の触れずじまいだった思い出ばかり。作業を進めるが…。思い出ばかりを大事にしていたら進まない、でも誰かのモノであれば幸せで。そこをつつくように、モノと思い出をあらゆる角度で見せてくるので、胸が痛む。分かっていると投げたしたくなりつつも、ちゃんと向き合って傷ついて成長して。そんなジーンを羨ましくも思えてきた。

ハッピーなのかは分からない。でも、思い出に目を瞑ってしまうなんて、可哀想じゃないか。気持ちを整理して前を向いてまた一年歳をとって。家に帰ったら、思い出とにらめっこをして。来年が良い年になるように準備をしたい。

たいよーさん。