「断捨離とは」ハッピー・オールド・イヤー ぱんちょさんの映画レビュー(感想・評価)
断捨離とは
めちゃくちゃ面白かった2018年のカンニング映画「バッド・ジーニアス」のスタッフ・主演によるタイの「断捨離」映画。
断捨離は自らの過去と向き合うことである。
元カレに借りてたカメラを返すのは放置していた彼に改めて向き合うことであり、父が残したピアノを処分するのは家族のあり方を改めて問い直すことである。
作中にこんまりさんも登場するが、彼女の「スパークジョイ」手法になんとなく抱いていた違和感の理由がハッキリした。
ものを手放すって、ときめく・ときめかないという現在を基準とした判断じゃくなくて、それが持つ過去やそこに込められた記憶と向き合うことなんじゃないかな。
それを考えさせられた。
映画は前作のようなスピーディーでスリリングな王道エンタメな演出とはまた違って、心の襞を撫でてゆくような静謐で繊細でスタイリッシュなものだった。
タイ映画といわれてイメージするのとはまったく違う印象を受けるはず。
機会があれば、是非観ていただきたい佳作。
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