クローゼット(2020)のレビュー・感想・評価
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とても優しかった。救われた気がした。
交通事故で男性の機能を失ったジンは地元の先輩が経営する「添い寝部屋」で働き始めた。
さまざまな悩みを抱える人々に触れた。何かできるわけではなかった。ただ静かに寄り添った。婚約者と別れ孤独と絶望の中にあったジン自身の表情が優しくなっていく気がした。
そう、主人公のジンを演じた三濃川陽介さんの繊細な表情の移ろいが秀逸だった。30代の派遣社員を演じた新井郁さんの等身大の演技も輝いていた。
孤独な心、傷ついた心をそっと包み込んでくれる心優しい秀作。大好きだ。
添い寝部屋という職業を通し、主人公の苦悩と添い寝部屋にくる人々の交...
添い寝部屋という職業を通し、主人公の苦悩と添い寝部屋にくる人々の交流がうまく描かれいて温かみも感じた作品でした。
出演している役者さんほとんど知らない方でしたがそこは気にならずに観られたな。その中でも渡辺いっけいさんの人物像もよかったですし草村礼子さんのシーンはジーンとしました
想定外の傑作だった。
これは久しぶりの大当たりの映画だった。
テアトル新宿のはしごで何気なく見たキャストも監督も知らない映画。
キャストで観客動員を狙う映画ではないのだろう。
その洗練された観客の想像力を信じた、説明セリフと音楽をギリギリまで省いた演出と脚本と無名俳優たちの演技の実力に脱帽!
となりに座った人間の呼吸が聞こえるほど静かで深く染み入るいい映画だった。
ひさしぶりにこれが映画だというものを見た。満足!
キツイ・・・
役者って大事だね・・・設定に合ってない配役は見てて辛い・・・。
売れっ子添い寝屋、ホスト、女子大生が役に合ってない・・・お金がある映画ならイケメンや可愛い子をキャスティングするんだろうな。
ストーリーも添い寝屋っていう設定だけで平板で飽きる、必要ない登場人物多すぎ。政治かな?
腕枕はずっとは無理
この商売実際にあるのでしょうか?
膝枕耳掻きはあったと思うけど。
時給的には合わないでしょう。
出てきたのはみんなキレイな娘ばっかりで、絶対ムクムクしちゃいますよね。
女子大生役の彼女とホストの話しは共感できる箇所ひとつもなし。ホストクラブって、いつもあんなにうるさいのかね。
婚約者役の彼女は好感持てたけど。
。
だけども、彼はいろいろな客と接して、貴重な経験や人生勉強をしたと思う。
イグアナのいわながさんの話しは面白かった。おばあちゃんキュート。
渡辺いっけいの目がなかなかだった。デザイナーには見えなかったけど。
若い俳優さんばかりだったから、先入観無しに見れて良かった。
なかなか面白かった
いわゆる単館系映画となり、テアトル新宿のみの公開でしたが、
自主映画の割に、メッセージ性が独りよがりしておらず、
役者さんの演技も良かった。
これはいま観るべきいい映画。
”人間味”の描き方がとても良きです。
ロマンスに憧れて
交通事故で男として機能しなくなった主人公が、SOINEKO男子という、そういうお仕事で働き、世間と自分をみる話。
機能しない設定はなかなか明かさず、スノッブの意味さえ判っていなさそうな、スノッブの客を相手にした仕事をみせていく。
判ったフリな女に判ったフリな主人公。
オラオラだったり、ネガティブなマウントとったりして楽しいですか?
そしてそのマイナスを補填する様なマイノリティーな客。とそれすら言っていることもスノッブ感満載じゃないですか?
20代の監督さんですかね?
辛口過ぎてすいません…酔いどれレビューなもので。
どこまで行っても夢は夢。
現実を受け止め抗って下さい。
ジジイには、生々しさを微塵も感じられないヒューマンドラマだった。
白々しいと感じるか否かは人次第。
誰かの孤独に共感出来る
この映画では多種多様の「孤独」が描かれています。
添い寝屋を訪れる顧客は皆「孤独」ですが、
実は顧客だけでなく、もてなす側もみんな「孤独」である気がしました。
主人公ジンはもちろんですが、
一人で会社をきりもりする高木さんや
ダメ人間のホストにも「孤独」を感じます。
でも自分が一番感情移入してしまったのは
やり手の先輩のKさん。
誰にでも合わせられるってことは
自分がないわけで
それって悲しいほど「孤独」ですよね。
なんだか分からないですが、観てて
「太陽を盗んだ男」が頭に浮かびました。
そんな感じの多種多様の「孤独」を
多種多様の俳優さん達が演じています。
ところで自分は人の顔を覚えるのが苦手なんです。
普通これだけ沢山の人が出てくると
誰が誰だかわからなくなってしまうんです。
でもこの映画は俳優さんの演技がみんな印象深いので
見失うことはなかったです。
特に草村礼子さんと渡辺いっけいさんの
味わい深さはしばらく頭から離れない気がします。
主演の美濃川さんも難しい役所でしたが、
物語を見事に牽引していてスゴイと思いました。
というわけで
登場人物の誰かの「孤独」に共感することで
観た人「孤独」な心に寄り添う。
まさに添い寝屋のような映画だったと思います。
こんな時期だからこそ、誰かと触れ合って生きてゆきたい
性的接触は一切せずに「添い寝」だけする。男性の側としてはそんな仕事が成立するのかと思っていたのだが、この映画を観ていると、本当に素敵な仕事なのだと思ってしまう。
ただ傍にいてくれたらそれでいい。
単純なことなのに、今はそれが出来ないでいる。
それこそが一番危険な行為なのだと問われる時代。
でも人って、誰かのぬくもりを感じているからこそ生きてゆけるんだよね。
そんな素敵な映画でした。ありがとう。
心に染み渡る
日常に潜む闇や心の傷。それを誰にも見せずに、何事もないように生きる。でも闇や傷はどんどん膨らんで。。
自分の心の中にしまい込んでないで、誰かを頼っていいんだよ。この作品はそう言ってくれる。辛い時に素直に辛いと言える世の中であって欲しい。
燃えるような心の叫びを、静かに美しく描いている。触っただけでも壊れてしまいそうな繊細な心が、俳優陣の目から伝わって来る。
添い寝の基本姿勢は「腕まくら」
10月13日、オンライン試写会を観させていただいた
映画「クローゼット(2020)」(進藤丈広監督)から。
一言・ワンフレーズで表現すると、
鑑賞した後に「誰かに腕まくら」をしたくなる、そんな作品。
私の場合、誰かに腕まくらをしてもらいたい・・ではなかったが、
たぶん観る人の現在の心の状態によって分かれるだろう。
若い頃、夢中になった「ブルース・リー」主演映画鑑賞の後は、
強くなった気になり、映画館を出ると格闘の真似をしたのに似ている。
素人だった青年が、癒しを求める多くのお客様と接することで、
成長していく展開は、映画「娼年」(三浦大輔監督)と少し被ったが、
一方は「セックス」、もう一方は「添い寝」だったから、
その対比が妙に可笑しかった。
この「よそでは言えない不満を吐き出す場所を提供」するという
添い寝ビジネスは、これからも流行る予感さえするから不思議だ。
「お客様は目が覚めた時にいつでも、よしよし、してもらうために
高いお金払ってるんですよ」という説明に頷く私がいたし、
やや短い作品だったが、メモは驚くほど多かった気がする。
その中から選んだのは、やはり「添い寝屋」として心得、
一番最初に説明を受ける、その仕事の基本中の基本。
「添い寝の基本姿勢は『腕まくら』」
文字にすると「腕枕」でもなければ「うでまくら」でもなく、
「腕まくら」がピッタリ、と思うのは私だけか。(汗)
これがうまく出来ないと「添い寝」どころではない。(笑)
「添い寝ビジネス」の次は「耳掻きビジネス」かもしれないな。
どちらも平和の証だし、1人では心が温かくならない行為。
さらに、されると気持ち良くなってしまうのも共通かも。
私的には、さっそく妻に腕まくらの感触を確かめてもらったくらい、
素敵な作品だった。
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