ディメンションのレビュー・感想・評価
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オーマイゴッド!?
宇宙人に誘拐さた過去を持つ3人の体験の真相とは?、2時間も掛けて謎に迫る無駄に長いSF映画。
宇宙人は典型的なグレイ・タイプ、気味は悪いが敵意はないらしい。
それに比べて国連のエイリアン調査組織(ISRP)がやたら暴力的、白装束のロボコップまで登場するがさして凄いわけでもなく意味不明、エリック・デミューシー監督(脚本・製作)は自他ともに認めるスターウォーズフリークだからまるでスターウォーズ風のオープニング・タイトルだし、ロボコップはストームトルーパーのオマージュかも知れませんね。
主人公のアイザック(ライアン・マッソン)はNASAのジェット推進研究所のコンピュータ技師という設定だが単なるオタク青年にしか見えません、同じく第三種接近遭遇の体験を持つ少女サラ(ハイディークアン)と絡めてジュブナイル向けロマンスに仕立てるためのキャスティングでしょう。
劇中でも凄いと言われていましたが木こりの爺さんが独学で宇宙語翻訳機を開発してしまうのは解せません、主人公のサイキック同様、遭遇で具わった能力なのでしょかね。
主人公のビデオカメラも一昔前のDVカムだし爺さんの機材もAvalon VT737というビンテージのオーディオ機器、オシロスコープやテープレコーダーが所せましと並び、ルーズベルトが使っていたと言うレコードプレイヤーまで登場とアナログ感満載、UFOの電磁波対策なのか単なる監督の趣味の小ネタなのか?・・。
凶暴エイリアンでなくスピルバーグ路線に寄せていますが、何より呆気にとられたのは人間調査の目的がオーラの研究?、最大関心事はイエス様だったとは、オーマイゴッド!
『未知との遭遇』を超えられないジレンマ
アメリカ人はどうしてこうもUFOによる誘拐事件(abduction)ものが好きなのだろうか。宇宙人の造型もロズウェル事件におけるものから進化していないし、拉致されたものの生還した人が多すぎ!やはり他国から侵略されたことのない妄想だらけの国民性。もうアメリカに侵略する勇気のある者は宇宙人だけということか・・・
ストーリーは一貫性があるように思わせているけど、宇宙人関連のIRSP警察による追跡といった架空の組織による謀略の真の目的すら曖昧になっている。登場するのは優しい宇宙人だし、秘密を隠匿するためだけのものだとすれば、生かしておいたアイザックたちを追い詰めるのも意味不明だ。普通なら最初から抹殺するだろうに。最終的にはファンタジーで帰結するものの、展開をスリリングにするために無茶な敵対関係を作っているのだ。
ただし、時代を感じさせる動画投稿によるバッシングだとか、ネットでの検索を不能にする隠蔽工作、アナログとデジタルの使い分けなどは面白かったし、全体的に映像には力を入れていることがわかる。どことなく『コンタクト』(1997)にも似ていたかも。
もっとも記憶に残るのは追跡装置を埋め込んだ腕を切断する技術!この映像は斬新。そして、宇宙の起源を探るとか言いつつ、なぜかイエス・キリストに興味を持った宇宙人。宇宙の起源とは関係ないと思うんだけどなぁ・・・
UFO人間拉致事件をリアルに描いたディテールに拘った作品
ストーリィ展開もテンポも良い。
決してB級映画ではありません。
SFとして臨場感と細部のディテールに拘った良い出来栄えの映画です。
他でなぜ低評価が多いのか??正直、理由が全くわからない。
きっと、題材がUFOや宇宙人なら、“「宇宙戦争」のような全方位的な大スペクタクルバトルが必ずあるはずだ”と、先入観ありきで鑑賞したのではないだろうか?
「スカイライン」への低評価となんだか似ている。
本作品はおそらく、UFOに拉致された記憶を持つ人々を緻密に取材した上で書かれた脚本だろうと思う。
ジェット戦闘機や戦車が登場する大バトルはゼロだが、斬新な最新鋭のアンドロイドによる追跡劇は興味深い。さらにラストシーンは意表を突く展開で目を見張った。
そのラストを観て、ようやく「ディメンション(次元)」の意味を理解。
被害者や秘密組織などの登場人物それぞれがリアル且つ科学的根拠に基づき丁寧に描かれており、その点で制作者の姿勢や方向性は非常に誠実で、好感を持った。
またSFジャンルではあるが、フィクションと呼べるのはUFOを追う秘密組織と宇宙人像だけで、他はほぼ現実。“SFスリラー”ジャンルから、“フィクション”の部分を丁寧に取り除いたような、これまでのUFO映画とは全く別路線の印象深い作品です。
「UFO映画はこうあるべき」との先入観さえ持たなければ、必ず楽しめるはずです。
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