「こうした試みを否定する訳ではないが...」応天門の変 Boncompagno da Tacaocaさんの映画レビュー(感想・評価)
こうした試みを否定する訳ではないが...
珍しい映画だと横浜まで見に行ったが、期待外れである。そもそも小予算で限られた観客に向けて作られた映画なのかもしれないが、どうも仲間うちで楽しんでいるような、演出も映研臭さというか、プロの技と感心できない粗さがある。まず、平安の絵巻物の世界に枯山水の庭はないだろう。大して歴史的知識なくとも違和感を感じる。ロケ地の光明寺はよいお寺だが、やはり御所に見せるには無理がある。歴史考証が徹底しなくとも、役者の演技で見せる手もあるが、柳沢慎吾も和泉元彌もそれぞれの味は出ているが、上手く混じり合っていない。女優たちの演技も軽い。絵巻物を映画にしてみたいという気持ちは分かるが、全体的に中途半端である。
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