劇場公開日 2020年11月27日

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「「象徴」とするには微視的に過ぎないか。」ヒトラーに盗られたうさぎ talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0「象徴」とするには微視的に過ぎないか。

2023年3月13日
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周知のとおりのナチスによる迫害を免れるために逃避行を余儀なくされたユダヤの人々は、決して少なくありません。
充分な計画や準備に基づくものではない訳ですから、持ち出すことのできる資産も限られたことでしょう。
なかには、換金する暇もなく、経営していた工場やその設備をそのままに、着の身着のままで逃げ出した人もいたことでしょう。
そんな状況では、ウサギのぬいぐるみを持ち出せなかったことが、どれほどの痛手になるのか、評論子には、にわかには理解し難いところです。
もちろん、少女にとっては、かけがえのない大切なものであったことでしょう。
しかし、生業の基盤までうち捨てて逃げなければならなかった人もいたであろうことにも考えを及ぼすと、ナチスの侵奪の象徴とするにしても、「ウサギのぬいぐるみ」は、一本の映画の素材として取り上げる…ナチスによる迫害の「象徴」とするには、あまりにも微視的に過ぎるように思われて、仕方がありません。
その根幹的な一点で、本作は、すでに残念な一本となってしまいました。評論子には。

talkie