「10歳の亡命日記」ヒトラーに盗られたうさぎ bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
10歳の亡命日記
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ナチス政権発足前夜にドイツから亡命し、スイス、フランスを経てイギリスに渡った一家の物語。そのままドイツに留まっていたら。フランスに留まったままドイツ敗戦を迎えていたら。まぁ、イギリスに渡っていて、本当に正解だったとしか言い様がありません。
"Auf Wiedersehen" 想いの詰まった者たちに別れの言葉を掛けるアンナ。電話は家政婦のハインピーからのものでしたが、別れの言葉は言えませんでした。「Bis bald!」(またね!)って言いたかったのに。
「亡命者にサヨウナラは付き物よ」なんて大人びてカッコいい台詞、10歳の女の子の無邪気な言葉であったとしても切ないもんです。スイスを後にする時の親友との別れの場面。二人は赤ん坊の様に毛皮にくるまって、敷物の様に床に転がっていました。ここを動きたくないよ。
1フラン分の冷たさ。15フラン分の屈辱。タダの施しを受けると怒るパパ。
なんか、既視感あるんですけど。邦画の「戦時中の疎開もの」なんですかねぇ。
「ヒトラー」と言う言葉に、もっと悲惨な物語を予想していたので、正直、肩透かし感はありましたが、沁みるものはありました。
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