ベイビー・ブローカーのレビュー・感想・評価
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韓国映画と言ってもザ是枝映画でした。 韓国で撮った意味はソンガンホ...
韓国映画と言ってもザ是枝映画でした。
韓国で撮った意味はソンガンホを使いたかったから?
産んだからって母親じゃない
あの産みの母親に赤ちゃんを育てさせるべきではないでしょう。
それにこういう問題ってほんと男側は無責任。
あのサッカー少年が幸せになってほしい。彼なら自分で幸せを掴み取ると思う。
捨てる人、売る人、買う人、捕まえる人、それぞれに理由はある。
もちろん人身売買は良くないことだけど、養子縁組制度も色々な問題を抱えているし、お金目的だけでなく、その子の未来を考えての行動なら、許されても良いと自分は思います。
ウチも流産をしたり、長年の不妊治療でも授からなかったので、養子縁組も調べましたが、年齢や年収などの条件が高すぎて諦めました。
マッチングアプリとまでは言いませんが、もっと気軽に、親が欲しい子供と子供が欲しい夫婦が、巡り合えて家族になれる世の中になってくれることを切に望みます。
自分も我が子に「生まれてくれてありがとう!」って言ってあげたかった。。
ヤバい、このコメント書いてるだけで、色々な感情が込み上げて来て、涙が止まらない・゜・(つД`)・゜・
重いテーマを温かくする技巧
1人の赤ん坊を巡る数奇なロードムービー。
乳児遺棄という重いテーマを
温かく清々しく描いてみせた、
あの空気感は是枝監督とソン•ガンホによる
タッグだからこそなんだろうな。
一緒にいい旅をさせて貰ったような感覚。
ロードムービーの醍醐味を堪能させてもらえた。
お見事。
“家族”でありたいと願う祈りのようなもの
とても見たかった。
ゆるいしあまい。
リアリティは置いてメルヘンをとりにいった感じ。
登場人物全員の素性がふわふわしている。生活の気配がない。ふたりの刑事なんか、ほとんど買い食いしているだけw。
でもいい。絵がとてもキマる。どのカットも是枝映画史上最高に映える構図だった。
演者たちは言うに及ばず。ちょい役のイ・ドンフィさえしっかり爪痕をのこした。
が、個人的に最優秀男優賞はヘジン君だった。
ヘジン君は捨てられ養護施設で育った。
養子としてもらわれる年齢の上限とされる6歳を過ぎて8歳、“施設の売れ残り”だった。
いつもヘジンと名前をいれたぼろぼろのサッカーボールで遊んでいる。
サンヒョン(ガンホ)に会うと僕を養子にしてと言う。
ドンス(ドンウォン)にお兄ちゃんと甘え、ソヨン(IU)にお姉ちゃんと甘える。
ワンボックスに忍びこんで周旋業の道連れになる。
洗車機をくぐっているとき窓を開けて水びたしになった。
みんなが笑った。
ヘジン君にとって「家族」っぽい思い出はそれだけだった。
ほかには何にもしらない。
遊園地の観覧車に乗りたいと言ったが、遊園地の観覧車に乗ったことはなく、そもそも高いところは怖かった。
だから観覧車に乗って「洗車場に行きたい」とヘジン君は泣いた。
「お父さん/お兄ちゃん/お姉ちゃん/ウソンとドライブに行き洗車中に窓をあけて水びたしになってみんなで大笑いした」
たとえニセの家族でも愛に飢えたヘジン君の中ではその瞬間だけが楽しい家族旅行の思い出を形成しているのだった。
とても泣けた。
そんなヘジン君をたくみに造形した監督もさることながら、個人的にはかれに男優賞を与えて柳楽優弥の最年少記録を破るのもありだった。
少ない情報量や僅かなセリフを絵(構図)でおぎなう映画だった。(半開きの車窓ごしのペ・ドゥナが映えまくる)
また漠然とした幕引きはゆるさとあまさを抑えていた。
顕著な特長はソヨン(IU)を象徴的に扱っているところ。だと思う。
是枝監督はIUの起用についてマイディアミスターを見て彼女の魅力にハマってしまったと白状していたが、まさに魅了された演出家の視点だった。
おそらくソヨンはもっと蓮っ葉なヤンママ風情のポジションだが、IUに振ったことでミステリアスと、宿命を背負った気配が付与された。つまりソヨンはまんまマイディアミスターのジアン(演:IU)だった。
是枝裕和監督は、韓国で韓国のスタッフと映画をつくった経験をインタビューで述べていた。
それを要約すると、かれらは日本よりも優れた労働環境とシステムのなかで仕事をしている──というもの。
いまさらいうまでもないが日本は後進国だ。
2022年6月14日、是枝裕和監督ら6名が「日本版CNC」設立を求める会を立ち上げ、映画界の共助システムの構築を目指す主旨の記者会見を行った。
是枝監督と、日本映画の鬼才or重鎮たちとのちがいは、じぶんが映画の後進国で仕事をしていることを自覚しているか否か、に他ならない。
もう(園子温or河瀬直美などの)強権的な白亜紀の肉食獣が暗躍する時代じゃないし、ましてや昭和ポルノ出身の化石たちがATG映画をつくる時代でもない──と是枝監督は言いたいのではないか、と個人的には思っている。
やさしい映画
「やさしい映画」だと思った。
見る人に対しての優しさ。そして難しくない、という意味での易しさ。観客の求めるものに期待以上に応えながら「誰も知らない」や「万引き家族」のような圧倒的な衝撃を与える作品ではない。この作品をどう評価するのが正当なのか、まだ答えが出ないでいる。
是枝裕和監督の新作「ベイビー・ブローカー」
あらすじ的に書くとこんな感じ。(ネタバレはないす)
「赤ちゃんポスト」に預けられた子どもを、ブローカーとして転売しようとするソン・ガンホ演じる主人公。赤子をポストに「捨てた」若い女性がブローカーの企みに乗っかり、奇妙な旅が始まる。ブローカーを現行犯で逮捕しようとする女性警官。自らも捨てられた子である主人公の相棒。それぞれの事情や、心の傷が徐々に明らかになっていく。
「捨てるくらいなら、なぜ生んだの?」
「生む前に殺す方が、捨てるよりもいいことなの?」
正確な記憶ではないけれど、そんなやり取りが胸に刺さる。
重いテーマではあるけれど、韓国の名優によって演じられる登場人物はそれぞれに人情味があり、悪い気持ちにはならない。望まれずに生まれてきた命に救いはあるのか?見る側への根源的な問いかけ。でも残酷さは無い。
緊張感がありスリリングな前半に対して、主人公たちに絆のようなものが生まれてくる後半は、北野武のロードムービーのような味わいもあり「もう一度見たいな」と思わせた。そこが「万引き家族」や「誰も知らない」とは違った。
「誰も知らない」を見終わった後は、何だか呆然としていた。言葉に言い表せない暴力的な読後感。「お前らが見て見ぬふりをしているものは、これだ」と突きつけるような態度は、この作品にはなかった。それは是枝監督の意図的な選択のようにも感じられた。
映画を見た次の日。クローズアップ現代での特集を見た。
制作の動機として、相模原での無差別殺人事件について語った是枝監督。事件を起こした青年と接見をしたのだと言う。
「役に立たない人間を生かしておく余裕は社会にない」彼が語ったその考え、そしてその考えがある程度「受け入れられている」今の社会に対してのメッセージとして制作していた部分もあると。
映画のクライマックス。「意味のない命なんてない」まさにそのテーマを、直接に伝えるシーンがあった。
「捨てられた子どもたち」である主人公たちが、それぞれの生を肯定するシーン。僕は映画館で感動し、それでもちょっと驚いた。上質な演技と演出によるシーンではあったものの、それはあまりにもストレートにメッセージを伝えていたからだ。
(クロ現HPから引用)
ーー映画の中では、赤ちゃんに対して生まれてくれたことに感謝を伝えるシーンが出てきます。これまでの是枝監督の作品と異なり、「ストレート」に命について表現したという声もあります。そのシーンにどんな思いを込めたのでしょうか。
是枝監督:
脚本にはなかったんですよね、キャスティングが終わってイ・ジウンさん(赤ちゃんポストに子を預ける母親役)の声を聞いてから書いているシーンなんだよな。
自分で脚本を書くんですけど、今回は日本語ですが、彼女の声で書くんです。彼らの声で。声だけが際立つシーンにしようと思って、とてもいい声なので、彼女は。ストレートに表現したのは、あの青年に聞いてほしいなと思って書きました。
(引用終わり)
「あの青年」が、相模原の青年なのかは明示されていない。そうだとしても違ったとしても、「どんな命にも意味がある」というメッセージを、「セリフとして」伝えること。それは映画という表現においては、陳腐になってしまうギリギリの表現であるように思えた。これまでの是枝映画はメッセージをわかりやすく提示することを周到に避けてきたはずなのに。
見るものを混乱させたり居心地の悪い気分にさせること、人々が当たり前と感じている価値観を疑っていくような物語。そういったものは今回の作品にはあまり見当たらない。それは多くの人が心を苛む今だからこそ、でもあったのかもしれない。
しかし、ある種「読後感の良すぎる」作品に違和感を覚えたのも事実だ。是枝監督が今、こういった作品を作った意味はもっとあるように思えた。
「ベイビー・ブローカー」を特集したクローズアップ現代。番組の後半は、韓国での映画作りに焦点が当てられた。国際的に評価される韓国映画。そのど真ん中に飛び込み韓国人のスタッフと「韓国映画」として新作を撮る。言語の困難や制作環境の違いを乗り越えての映画作り。
それはカトリーヌ・ドヌーブを主役に迎えてフランスで撮影した前作「真実」と相似形を描く。番組ではそれを成長を目指す「挑戦」として描いていたが、意地の悪い見方をすれば、ある種の「話題作り」として捉えることもできる。
それはもちろん悪いことではない。理想主義を現実主義、あるいは商業主義で支えるような戦い方は、是枝映画のひとつの特徴として存在してきた。
俳優に毎回、広瀬すずや福山雅治など旬の俳優を抜擢することや、「真実」でのフランスロケや今回の韓国のように、どこか「企画書」的な売りを、わかりやすく設定すること。配給会社は、宣伝しやすいんじゃないかと思う。
自分の作品を作り続けるためには、ある程度の結果を出さなければいけないし、その為には注目を集めなければならない。
「良い映画を作る戦い」と、「映画を作り続ける為の戦い/映画館に足を運ばせるための戦い」があるとするなら、その両方に対して、是枝監督は極めて意識的に戦い続けてきた。
自分が自分らしい映画を作り続け、ある程度商業的に成立させていくこと。それが危機に瀕する日本の映画界や、映画を志す若者に対してどれくらい重要なことであるかを是枝監督は理解している。
「韓国映画」としておそらく世界に配給される今回の作品。その事が、どれくらいストーリーに影響したのかはわからないけれど。
番組の終盤。韓国映画界を挙げての「次世代育成」に対するきめ細かい支援を目の当たりにした是枝監督。韓国で映画監督を目指しているという日本人に出会い、こう問いかけた。
「僕らの世代に言いたいことない?もっとしっかりしてくれと思わないですか?」
若者は、「このままの状況が続くなら、将来日本では映画を作ってないかもしれない」と是枝監督に伝える。そんな声も監督は受け止める。
そして語る。
「映画館を含んだ映画文化というものを、いい形で次の世代に渡そうと思ったときに足りないものがたくさんある。色々と課題は見えているつもりなので、一緒に何とか日本の映画界を変えていこうと話し合っている監督たちに情報共有します」
かつてはBPOの委員を10年近く担い、テレビ界が抱える問題点や、テレビ界に対する外からの圧力に対してフェアで厳しい意見を伝えてきた是枝監督。正義感の人であり、理想主義の人であり、情熱の人でもある。
あまりに多くのものを背負いすぎてしまってないか。そんな心配はやっぱり残るけれど。
社会にまだ元気があった時代に仕事を始め、そこから下り坂になっていくばかりの日本に責任のようなものを感じて踏ん張ろうとする姿。僕は彼より少し下の世代だけれども、とても理解できるし勇気づけられる。
物事が見えてしまう分だけ、自分のことだけをすればいい、とはいかない。それでも「何かを作ること」への真摯さを何より大切にし、さらに、自分の作品で状況そのものを変えることだってできると信じる気持ちも持っている。
まるでソン・ガンホが演じる主人公のように、純粋でしたたかな戦いを続ける是枝監督。そんなイメージが最後に心に浮かんだ。
この映画は出足20分をしっかり見ておくべき
監督の問題意識は万引き家族にも共通して流れるもの。子供にとって本当に幸せな家族のあり方は?ということだろう。 正解がわかっているのに、動きが取れない国、日本。この問題に韓国を舞台にせざるを得なかった不自然、若い母ソヨンの行動の一々の不自然、疑問。まあ、映画の中に、こういった不完全燃焼を遺さざるを得なかった理由も、実親、血縁優先の考え方に凝り固まっている日本の実情が深く絡まっていると言えまいか。
残念だがのめり込めませんでした
前評判もあり、割引デーもあって平日なのにほぼ満席。期待が高まりますが、結論のめり込めませんでした。シビアな話題だが、なんかアンニュイな感じで途中眠くなった。ブローカーも本筋ではなく、何となく優しい。じゃーブローカー何かなるなよって突っ込みたくなる。もっと金目当てなら情け知らずギラギラ感じがあってもいいのかなぁ~。ソン・ガンホの存在感は流石だが消化不良。もったいなかった。
捨てる前は福祉。捨てた後は警察。
なんだかんだと是枝監督の作品は殆ど観てるな。
今回のも淡々と進んで、
途中ちょっとほっこり
途中ちょっとジーン
後ろのおばちゃま達、うるさいよっ!!もー!!
大事な観覧車のシーンでガチャガチャ騒いで連れション行ったりさぁ!!バックについてるのかなぁ、ラストの辺りで鈴の音⤵︎⤵︎
ヽ(´o`;
久しぶりに、参った💦
家族≠血縁…家族ってなんだ!
美しい音楽が常に流れます。まず、そのことに驚きました。赤ちゃんを金に替える…という極悪非道な連中を扱う映画として…期待を裏切る美しい調べです。極悪非道な連中ですが、赤ちゃんには優しい。誰よりも優しい。その優しさに救われます。連中は皆んな複雑な環境で育ってます。「生まれてくれてありがとう」…施設を飛び出してついてきた少年の提案で、赤ちゃんの母親が、チーム皆んなに言葉を掛けます。「寝るぞ」と部屋の電気を消すことを促したソン・ガンホ。壁に向かって寝る、その肩が小刻みに揺れます。自分を責める母親と許してあげたい仲間。ビジネスを超えた感情が湧き上がります。是枝裕和監督の才能が溢れてます。ソン・ガンホの演技力はハンパない!さすがカンヌ最優秀男優賞!いろいろなことを考えさせられるいい映画です。必見ですぞ(*^^*)
誰もがかけがえのない一人
先の見えない人生をおくる者たちに、おんぼろワゴンの旅が不思議な一体感をもたらす。お互いを思いやる家族のような仲間になる。
大人も子供も捨てられる赤ちゃんも、誰もがかけがえのない一人であり、大事な誰かに「生まれてくれてありがとう」と言ってもらえるはず。
そんな優しい目線を感じた。
「赤ちゃん不法売買」珍道中。
赤ん坊をベイビーボックスに「捨てた」ことから始まる奇妙な心温まる物語。当事者たちが、話の進展とともにどんどん心境が変化していくのが面白い。ブローカー達はお金を稼ぐために赤ん坊をより高く売りたかっただけ、母親は育てられなくなったから手放したかっただけ。そして刑事達は犯罪を憎み犯人を捕まえたかっただけ。しかし最後は、こどもが幸せになることを全員が願うような展開になる。こどもの存在は偉大であり、人々の強い希望となる事を改めて教えてくれたかのようだ。理屈を述べ立てるのではなく、些細なシーンの積み重ねによって登場人物の心境の変化を観る者に納得させるのは、相変わらずの是枝監督の手腕である。何でもないようなシーンでも、内面の繊細な心情が感じられる余韻のあるシーンになっている。
一人一人の状況や育った背景なども丁寧に描かれ、好感が持てる。外見は「人身売買」の犯罪者集団とそれを追う刑事という形だが、ほのぼのとした人間ドラマにもなっている。それには、人間くささいっぱいの存在感があるソン・ガンホの演技が大いに貢献していると思われる。つかみどころがないようでいて、人を包み込む暖かさはこの作品に合っている。深刻なテーマを孕んでいるが、楽しく見る事ができる奥深い作品になりました。
大きな傘は見つかったのか
この道は希望なのか、それとも…というお話
大人の未来って一歩先すら見えないよね
ラストの解釈の仕方は人それぞれだと思うけど、光で溢れた映像だったのが凄く良かった
話は完全にフィクションなのに妙にリアルを感じるのはそれぞれの白黒つかない感情を赤裸々に描いているからかな
少しずつ少しずつ、時に激しく感情が変化していく過程の捉え方がとても丁寧だと思った
あくまで彼らの中で話が進んでいて、観ている側が参加する隙を与えないところが寧ろ心地良い
あとそれぞれに複雑な背景があっても自分のも相手のも誰一人として正当化してないところも好き
期待はどこかにあるけどあくまでも現実を生きている
全く話変わるけどドンスくんカッコ良すぎ!!
途中から恋し始めちゃってああもう私ってばいつもこうだよ…となった
ありゃソヨンちゃんじゃなきゃイチコロだよ
観覧車のところとか…なんなんもう…←好きすぎ
あのメンツじゃ一番のロマンチストはドンスくんかも
P.S.
サンヒョンおじさん、アンタ半地下でも…(笑)
ちょっと私には重かった
子供を売りさばいてぼろ儲けする男たちの話かと思ったら
現在をかいま見ているヒューマンドラマでした、映画は夢の中のストーリーと思っている私には重かった
一人一人は弱い人間だが、集まってちから出しあって強く生きてほしいと思った作品
誰かの手で運命が変わる
何が善で何が悪なのか!?悩まされる内容でした。
生まれたばかりの赤ん坊は自分では選べない。
大人達の考えややり取りでその子の運命が大きく左右される。Baby brokerが犯罪なのは分かるが、もしかしたら扱う人物が良い人ならば、その子は施設で暮らすより幸せに過ごせるかも知れない。まぁ、その後の事は誰にも分からない事だけど。
ソン・ガンホさん、とても自然で人の良さが滲み出てて、本当に上手い俳優さんだと思いました。
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