ベイビー・ブローカーのレビュー・感想・評価
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生まれて来てくれてありがとう
万引き家族のテーマにも似てる家族の話。「生まれてきてくれてありがとう。」この一言です。色々ある人達が幸せになっていくいい映画でした。
万引き家族 > ベイビー・ブローカー
この映画、家族、子役という点でついつい「万引き家族」「誰も知らない」と比べてしまったが、見終わった後のこのモヤ〜とした思いはなんだ⁈
最初 画面が暗いので誰が喋ってるのかがわからなかった、私の老眼のせいか⁈
赤ちゃんポスト、古びた洗濯屋、女刑事の張り込みと脈絡ない様にゆったりと物語は進む。
『万引き家族』と同じく色んな 心の傷も含めたデコボコな事情を抱えた人の集まりが 『赤ちゃん』という媒体を中心にした疑似家族のロードムービー、主題は『つながる』と、私は感じた。
赤ちゃんの養父母探しという形で移動するのは、登場人物の心の安定性の不定着とも通じる。
一番つながりたい自分の娘とつながってないサンヒョン。悲しい。
産んだ赤ん坊と繋がっていたいのに 自分の感情を仕舞い込んでいて世話しないソヨン。淋しい。
養子に迎えられて家族としてつながりたいと希望する人懐こいサッカー好きのへジン。切ない。
仕事にかこつけて 恋人の思いやりに素直になれず つながり損ねているスジン。もどかしい。
モヤ〜と感じた映画だったけれどホテルの部屋で生まれてきてありがとうというシーンは良かった。
それは、<産んでくれて この世に生を受けさせてくれてありがとう>でもある。見知らぬ母だけれど 今ここに 己の生ある事への無条件の感謝の言葉でもあった。
映画の後半は、はしょった感があり、観客の私は置き去りにされた気がした。が、
ドンスは 諸事情を飲み込んで最後にソヨンとその赤ちゃんと キチンと繋がろうとする。それは最終的にサンヒョンが身体を張ってドンスとソヨンとウソンを守ったからだと思った。
おめでとう、ソン・ガンホさん🎉
是枝ワールド
『親ガチャ』という言葉が2021年流行語にノミネート。世界でも群を抜いて赤ちゃんポスト利用数が多い韓国社会、その悲哀のBOXをめぐり、母と子とは?から家族とは?を問う観た人各々に無数の解釈を誘う是枝ワールド。『生まれてきてくれて、ありがとう』全ての人に染み入るこの台詞をともに目を閉じて聞いてください。万引き家族+パラサイトがタッグ組んだ超名作
赤ちゃんをお願い
2022年映画館鑑賞34作品目
7月24日(日)イオンシネマ新利府
ハッピーナイト1300円
監督と脚本は『誰も知らない』『花よりもなほ』『空気人形』『そして父になる』『三度目の殺人』『万引き家族』『真実 』の是枝裕和
世界の是枝を招いてカンヌに出品した韓国映画
僕は海外の役者で一番好きなのはペ・ドゥナ
テレビドラマではクールなお相手役が戸惑うような素っ頓狂なキャラを演じることが多い気がするが映画ではもっぱら抑えた演技が多い
赤ちゃんを育ててくれる養父母を探し求めて韓国中を走るロードムービー
是枝にありがちな眠気を誘う映画づくりは健在
ワンボックスカーの後ろのドアがちょくちょく開くのが笑える
ムンソヨンが赤ちゃんをディスった夫婦にキレて「クズ野郎」などと罵る場面が面白かった
囮捜査で赤ちゃんを買う男の役の刑事?を演じた俳優さんの「精子が少ない」という設定を受け入れるときのリアクションが面白かった
役者は豪華
ソン・ガンホにカン・ドンウォンにペドゥナ
サッカーに例えるならパリサンジェルマンのエムバペとメッシとネイマール
さらに野球少女のイ・ジュンヨン
僕個人の考え方は赤ちゃんポスト大賛成
日本の各地に設置するべき
市の数だけ区の数だけほしいところ
赤ちゃんを気軽に捨てる悪い親が増えるとか懸念を示す連中がいるだろうが赤ちゃんの命を最優先重要視すれば全くどうでもいいことだ
多額の借金有りバツイチのクリーニング屋だが赤ちゃんポストに入れられた赤ちゃんを横取りし売り飛ばす人身売買のブローカーのハ・サンヒョンにソン・ガンホ
サンヒョンの人身売買稼業の相棒で赤ちゃんポストを設置している児童福祉施設で働いているユン・ドンスにカン・ドンウォン
赤ちゃんポストの前に赤ちゃんを置いた母親でサンヒョンとドンスと共に里親探しに韓国中を奔走するムン・ソヨンにイ・ジウン
赤ちゃんブローカーを現行犯で逮捕することに執念を燃やすアン・スジン刑事にペ・ドゥナ
スジンに同行するスジンの部下・イ刑事にイ・ジュヨン
是枝監督が描く理想郷
ソン・ガンホとカン・ドンウォンのベイビー・ブローカーズ、そしてベイビーを「赤ちゃんポスト」に預けたイ・ジウンが真っ当な養父母を求めてさすらうロードムービー。
タイトルからして厳しい内容かと思いきや、善意を固めて作った角砂糖のような作品だった。メルヘンでありファンタジーだが、今の自分にはこの甘さがありがたい。彼らが共に過ごす時間が至福だ。
3人に寄り添うような刑事はペ・ドゥナとイ・ジュヨン。
そう、是枝作品の最高峰「空気人形」でガッツリと我々の心に宿ったペ・ドゥナ💕との再会も今作の目玉の一つ。
㊗️カンヌ国際映画祭男優賞のソン・ガンホだが、これまでの名演の数々を思うと今作が代表作とは言いがたい。そもそも出演作が映画祭に出品されることが前提なわけで、「賞ってタイミングなんだなぁ」とつくづく思う。
期待に反して、正直微妙でした。
是枝監督が初めて作った韓国映画。韓国製作で、俳優も韓国人、言語も韓国語。アカデミー賞を掴んだ韓国映画『パラサイト』でもお馴染みのソン・ガンホをはじめとして、俳優陣は優れたメンツばかりの豪華キャストだし、「これは傑作に違いない」と前から期待していて、初日に観に行きました。
ところが・・・期待に反して肝心のストーリーや脚本が微妙過ぎて、世界観に入り込めず。俳優陣の演技は抜群に良かっただけに、非常に残念。それぞれの人物描写の深堀りが足りてないので、感情移入しにくいのも一因か。そこそこ面白いシーンや魅了させるシーンもあるのだが、全体的な内容としては物足りない感じで、「ええ~っ、こんな映画だったんだ」とガッカリ感が上回ってしまった。クライマックスはソンホが寝室で例のセリフを語る場面で、個人的にも好きなシーンなのだけれど、そこに至るまでのストーリーがイマイチ入り込めない無理な設定が多かったせいで、思い切り感動も出来ず、勿体ない印象。
是枝監督の好きな世界観なのか、人間味溢れる素敵な善人ばかりが偶然出会って「疑似家族」の世界を作り上げて、それまでの伏線を安易に収束させて、リアリティの無いファンタジーの世界に行かされて、終わってしまったような感じ。どうにも尻切れトンボ感が否めない。正直言って、映画が終わった後、「うーん、これじゃない」というモヤモヤ感が残って、とても満足には至らない作品でした。私は映画館で他の観客の反応や空気感を感じ取るのも一つの楽しみなのですが、この映画が終わった後の観客達の表情や動作から、明らかに満足したとは言えないものを肌で感じました。ネットのレビューでは高評価が多いようですが、何か忖度めいたものを感じます。
この映画を親しい人にオススメ出来るかと言えば、ありえません。「オススメされたから観に行ったけど、自分にはイマイチ響かなかった」と言われる可能性が高いので、とてもオススメなんて出来ません。そんなわけでちょっと厳しいですが低評価になります。
人情喜劇ではない『子別れ』
是枝監督は、すっかり日本をお見限りのようで、フランスに続いて韓国で製作した作品だけど、なんか腹落ちしない内容でした。今回も、『万引き家族』のような擬似家族がテーマはいいとして、子を捨てた母親とその子を売るブローカー二人が養父母をさがしに行くロードムービーと言う設定は、コメディならともかく、シリアスなドラマとしては正直無理があります。お話しの展開も出だしからダラダラしていて、余計な登場人物やエピソードが多いのでテンポが悪くなっています。ブローカーや女刑事の行動もいきあたりばったりで、どこかのんびりしているのがピンときません。一方で、登場人物それぞれが抱える家族とのつらい過去が、ポツリポツリと語られるあたりの呼吸は抜群で、映画の後半になって持ち直してくる感じです。役者では、もはや韓国の至宝ソン・ガンホは言うに及ばず、相棒役のカン・ドンウォンも好演でした。
映画を知り尽くしている。さすがと言わざるを得ない是枝作品。
雨の中を、母親が子供を抱き、急な坂道を上る。
雨は坂道を流れ落ち、水の流れが街灯の光を反射する。
冒頭のシーンで、この映画は観る者をスクリーンの中に引き込んでいく。
さすがと言わざるを得ない。
脚本も素晴らしい。言語の壁を越えている。
是枝監督が海外で映画を撮る理由がよくわかる。
題材の好き嫌いはあるかもしれないし、ラストにあったように、刑事が子供を預かり、子供を買おうとして捕まった夫婦と遊ぶこともないだろう。
「万引き家族」もラストの展開はどうかと思うが、この映画もラストの展開がちょっと"おセンチ"になってしまった感はあると思う。
是枝作品のテーマは、普通ではない家族を通し、家族とは何かを問う というところにあるだろう。
ストーリーの中に何かインパクトが必要なのかもしれないが、その家族を淡々と描く是枝作品も観てみたい。
画の撮り方は秀逸だ。
ぜひ、スクリーンで観てほしいと思う。
是枝シェフが韓国で作った、あっさり味の感動映画
3.5~4の間で厳しめの星3.5です。
初見で、5分10分ほど寝落ちし、少し分かりずらく感じたので、2回観ました。
2回目は眠らず観たけど、分かりずらさは変わらず、元々、最初から、少し分かりずらい映画だと気付きました。
名前が、みんな同じような名前ばかりで、
今、誰の事を言ってるんだ?と、
理解するまでに時間かかったり…
終盤で、あの人達は、あの人が、実は…と…してると、なぜ思ったのか?
てっきり、寝落ちしてる間に、そんな描写があったと思ったら、元々そんな描写は描かれておらず、困惑したり…
少し説明不足だと思います。
いい話だと思うけど、あっさりと淡々と進んでいく映画で、盛り上がりに欠ける…
女性を中心に、泣いてる人達も数人いて、刺さる人には刺さると思うんだけど、
僕は全く泣けませんでした…
描かれてる話の内容は、とても、いい話だと、頭では分かるんだけど、
いまいち入り込めなかった…
いい話なんだけどな…
味付けが薄味すぎるのかな?
「IU好き」
今年77本目。
何年か前韓国の音楽番組よく見ていてその時からIU好き。「国民の妹」ですね。フィギュアのキム・ヨナも。IUは是枝監督の作品をほとんど見ていて、韓国でドラマは数々出ていますが映画は初出演。それが好きな監督の作品って運命みたいな物を感じます。
「万引き家族」と同様、作品がゆっくり流れているのが凄い好き。音楽はあまり使われていませんがたまに流れる音楽がアクセントになっていい。生まれてきてよかったんだよ、自分も噛みしめました。
嘗てはもっと鮮烈だった
昔から是枝監督の作品を観続けてきた人の多くは、そう思っているのではないだろうか。彼の力をもってすれば、映像の喚起力でもっと多くのものが伝えらるはずなのに、わざわざ饒舌な台詞で「説明し」、ダサい映画音楽をかぶせてくるセンスの悪さに失望した。 俳優陣はみんな好演なので、最後まで見通すことは苦痛ではないけど、嘗ての是枝作品にはあったはずの最良のもの「はッとするぼど透明感のある映像の喚起力」が殆どなくなっていることが悲しかった。
#55 結局サンヒョンはどうなったの?
段々人が集まって結束が生まれて行くのを観ていると『万引き家族』を思い出した。是枝監督は疑似家族を作るのが上手だなあ。
何故ソヨンが一度捨てた赤ちゃんを迎えに来たのか、何故スジンが赤ん坊を捨てる人をあそこまで憎むのか、終わりに近づくに連れ段々わかってくる。
ここぞという盛り上がりは無いが、スクリーンに没頭してしまう作品。
唯一の謎がサンヒョンが何をして何処に行ったのか。
『パラサイト』みたいに世間から行方をくらましちゃったの?
限りなく良い意味で「地味」
会話シーンは多いが、状況説明のためのセリフは本当に少ないので、こちらがしっかり読み取る必要はある。
ただ、そこに溢れる情感の豊かさはやはり是枝監督ならでは。
現実として「違法」か「適法」かというラインはあるが、決してそれはそのまま「正しい」か「間違っている」かの答えにはならない。
むしろここに「正解」なんてない。
ただただ明らかなのは「生命は尊い」という事実。
誰だって聖人君子ではいられない。
格差社会の中で、生きるためにモラルに反することもある。
「それでもいいんだよ」
自分の存在を肯定されることで、どれだけ人が救われることか。
俳優たちの抑制された名演。
ま、韓国の名優が名を連ねているのでこの辺りはむべなるかな。
ソン・ガンホはクリーニング屋さんで、服をきれいにしたり、ボタンやほつれを直してまた洋服として生き返らせるという役どころも、この映画の中で象徴的な存在であったりするのもうならされてしまった。
決して分かりやすい作品とは言えないし、大きな映画的クライマックスが待っている有るわけでもないが、それぞれが赦し合い、認め合うことでカタルシスが生まれるという、憎らしい演出が素晴らしい。
じわじわ考えさせられる
前回の万引き家族の衝撃には敵わないけど、後からじわじわ考えさせられる映画だった。
韓国では本当に赤ちゃんポストがあって、貧困の差も日本より大きいので実際にある話なんだろうなと思う。
終始シリアスにしないよう明るい雰囲気だった。途中途中考えさせられる言葉が多くなんとも言えない気持ちになった。
最後はみんなが幸せになるよう祈るばかり。
強烈に印象に残っている同監督の「誰も知らない」そして「万引き家族」...
強烈に印象に残っている同監督の「誰も知らない」そして「万引き家族」、本作は同じ雰囲気を感じた。
ただ、日本人の家族って概念のねっとりした部分を感じない本作は、今までの作品ほど脳裏に響くものでは無かった。
倫理観が迷子になる
是枝裕和監督は『真実』では、ちゃんとフランス映画を作ってみせたが、今作もちゃんと韓国映画。日本要素はゼロだ。つまり世界から”日本らしさ”など求められていないのだ。それは『ドライブ・マイ・カー』が評価されていることからも察するだろう。これに関しては別の機会に改めて解説したいと思う。
赤ちゃんポストに捨てられた赤ちゃんを売るブローカー、その子の母のソヨン、そしてそれを追う刑事コンビによるロードムービーが描かれる。
ブローカーといっても、ただ大金を積まれれば売るというわけでもない、その子が幸せな環境で育つことができるか、転売する恐れはないかなどを見極めて、納得できた人にしか売らないという、妙なポリシーを持っている。
実際に金銭での売買を成立させるブローカーなのにと思うかもしれないが、そのまま赤ちゃんポストに預けられた場合が幸せなのかと考えると、そうも言えない現状もある。
そう考えてしまうと、手段や目的はブラックであっても、恵まれた環境の養父母に渡るのであれば、結果的に子の幸せは、どちらにあるのだろうか……といったように、命や将来を基準として考えた場合、私たちが普段持ち合わせている倫理観なんてものは、脆いものだと思い知るだろう。
何が正しいことなのか、何が悪いことなのか……常に倫理観を試され、抉られているような重圧なテーマでありながらも、子どもを売る旅の中で築かれていく、疑似家族のような関係性には、思わずほっこりとさせられてしまうコミカルな要素も敷き詰められている。
だからこそ、余計に考え深いものがあるのだ。
刑事の心をも絆す、家族以上のつながり
是枝監督の最新作、すごく期待して公開後すぐ見に行ってきた。多分韓国の映画を映画館で見たの初めてで、韓国ドラマも何回か挑戦したことあるけどなんかハマらなくて作品通して見切ったことなかったから、ちょっと心配だったけど全然大丈夫だった。どっぷり映画内世界に入り込んで見てた。
ベイビーブローカー。やってることの内容はよくないと誰もが分かる、実際刑事に追われている立場なわけだけど、あのおんぼろ自動車に乗って赤ちゃんを売りに行く4人のことなぜか憎めない。赤の他人のはずなのに、それぞれが互いの抱えているものを理解し合っていく。最終的に本物の家族以上に互いを思い合っているように見える。何というか、その姿にほっこりして、心地よかった。
結末は、やはり許される行為ではないということで警察に捕まってしまうけど、最後の是枝監督お得意のいろんな解釈ができるようにその後を描いたシーンでは、ああ、やっぱり一回バラバラになっても彼らはまた繋がりを持ち続けていくんだろうな、と。鑑賞後感もとてもよかった。
韓国の俳優さんのこと、ソンガンホさんの名前くらいしか知らなかったけど、ドンス役の人かっこよかった。
是枝監督の家族三部作最終章
「そして父になる」「万引き家族」に続く是枝裕和の家族三部作(私が勝手に名付けた)の最終形態。万引きからさらに進んで人身売買である。通底するテーマは「家族」とりわけ「父」という立場のあやふやさ曖昧さとそれが故に子どもとのプラトニックな愛とつながり。ふらふらと彷徨う。家があろうが旅に出ようが。三作目を日本の役者で撮るにはさすがに選択肢がなかったのであろう韓国で撮って正解。ソン・ガンホとかやりすぎでちょっと興ざめる部分もなきにしもだけれども基本ドキュメンタリー手法の演出なので絶妙にバランスがとれた。ただ遊園地のダーツで景品を取るシーンの手前の男の子がノーリアクション(おそらくは的に当たっていないのにソン・ガンホはガッツポーズ)に一気にしらけた。一貫して常識的カット割りの直球勝負は気持ちが良い。
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