ベイビー・ブローカーのレビュー・感想・評価
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牧師ブローカーは根が良いところがあり、もう1人のブローカーの歪みも...
牧師ブローカーは根が良いところがあり、もう1人のブローカーの歪みも理由あってのものとわかってからは、ブローカー2名&母子&乱入子の擬似家族の無事を祈る程度に観入っていたが、なんか消化不良というか、もう一度観たいと思うような、そこまで魅かれるものはなかったかな…
警察が仕掛けた偽夫婦にカマかけて転売屋だと疑って拒否したり、赤ちゃんを良い親に渡そうとするところは良かったけど、自らも実の娘と別れて暮らす痛みが本物なら、そもそもなんでブローカーなんてしてんの?お金のため?それにしてはって感じだし、
人は誰でも、悪人100%善人100%だけの人なんていないと思ってるけど、
自分の子は愛おしいと思う/自分が母に捨てられた痛みを持つ2人が、赤ちゃんポストに入れられる子をかすめ取って、少しでも高く売ろうとするブローカーをやってる背景は描いて欲しかったかな…
真実のときもそう思ったけど、何を描きたかった映画なんだろう…
歩いても歩いても
海街Diary
そして父になる
あたりの作品は好きなのだが、
万引き家族以降、狙いすぎている気もしてしまう。
空気人形にも出ていた女優さん、髪型も服装もイケてないのに女性としての存在感がすごくてさすがだなと思った。
最後、牧師ブローカーの行方を明確にしないのはなぜ?
あの車を出すということは生きてるってこと?でも誰も彼とはつながってなさそうだったのに、あそこに居るはずがないし。中途半端なモヤモヤが残ってしまいました。
皆さんのレビュー読んでどんな感じ方があるのか観てみたいと思います。
一言「愛あればこそ」。
どうなる赤ちゃん
悲しく温かい物語。ソンガンホは何をやっても上手い
ソン・ガンホ対ぺ・ドュナ
「壊れて傷んでも、その中にはしばしば美しい瞬間がある。それをすくい上げたかった」
是枝監督が『万引き家族』で言っていたこと。本作も同じ匂いがする。
美しい瞬間を紡ぎだすもの。
ソン・ガンホの不器用な優しさ。
彼の相棒が、産みの母親に言う「父親になってもいいよ」というひとこと。
一人一人に、「生まれてくれてありがとう」と伝える、疑似家族の男の子。
おむつ替えやボタン付けをするソン・ガンホの、照れ隠しの表情。
観る側は、暗黙の了解の役割分担に動揺を隠せなくなる。
当事者視線では善、第三者視線では悪。ふたつの世界が静かに生息する。
村上春樹は、「ユーモアと優しさをもってしか語れない絶望と暗転がある」と言っている。
是枝監督は、ベイビーブローカー側の疑似家族を通して、そこを見事に表現している。
対ソン・ガンホは、美しい瞬間は幻想にすぎない、と言いたげに彼らを追う女刑事役のぺ・ドュナ。
彼女の鋭利な刃のような現実感が、幻想との間で切なくも揺れ動く。
赤ちゃんポストに入れられた新生児を売り渡す人身売買グループ。 もち...
神演技
是枝監督の優しい目線
遅ればせながら鑑賞 心温まる作品でした
福引き家族
“家族”である。是枝裕和の興味は最近これにつきるようだ。パルムドールに輝いた『万引き家族』に引き続き両親に捨てられた元子供たち&現子供たちが疑似家族を形成する物語から、是枝は一体何を描こうとしたのだろう。相模原市の施設で起きた障害者大量殺傷事件(2016年)に大層心を傷めた是枝は、この世界で“生まれてくる価値のない人間なんて果たしているのだろうか”という人類の根源的な問題にとりつかれているのである。
『万引き家族』の主人公役安藤サクラが警察の取り調べに対し「捨てたんじゃない拾ったんだよ」と答える印象的なシーンを覚えていらっしゃるだろうか。バアちゃん(樹木希林)の死体遺棄罪の是非を世に問うた場面である。暴力団組長の父親を殺害し逃亡するため邪魔になった赤ちゃんをポストに捨てた愛人の元売春婦ソヨン(イ・ジウン)。赤ちゃんの有償養子縁組先をサン・ヒョン(ソン・ガンホ)と一緒に探し回る元捨て子のドンス(カン・ドウォン)が似たようなことを口走る場面に注目したい。
なかなか縁組先が決まらずイラつくソヨンに対し、ドンスがこう言って慰めるのである。「捨てたんじゃない。(死んだパトロンが属していた暴力団から)守ろうとしたんじゃないのか」と。邪魔になったからといって我が子を捨てる母親なんているわけがない、そこにはソヨンのようにのっぴきならない事情がきっとあったにちがいない。是枝裕和はやはり、あくまでも人間の性善説を信じる日本人らしい映画監督なのである。
現行犯逮捕を目論むペ・ドゥナふんする女刑事の追跡を受けながら-、サン・ヒョン、ドンス、ソヨン、赤ちゃん、そしてドンスが働いている孤児院から脱走してきた子供まで加わって、サン・ヒョンの運転するオンボロワンボックスの中は、さながら疑似親子のように和気藹々とした雰囲気に満たされていく。その関係性は、血のつながつてない家族を描いた前々作と全く同じといってもよいだろう。後部ドアが壊れて開いたり閉まったりするこのワンボックス、母親の胎内(子宮)をイメージしていたのではないだろうか。
ようやく有望な売り先が見つかりホット一安心のメンバー一人一人に、(暗闇の中で)「生まれてきてくれてありがとう」と声をかけていくソヨンは、ワンボックスの子宮から生まれた赤ちゃんに語りかける聖母さながら。その警察と内緒で司法取引したソヨンのせいで、赤ちゃんの養子縁組は結局失敗に終わる。しかし、是枝はラストを『万引き家族』とは真逆のハッピーエンドに無理やりにでもねじ曲げるのである。『パラサイト』同様雲隠れしていたサン・ヒョンのみならず、疑似家族はさらに人数を増やし、売られようとした赤ちゃんの成長をあくまでも見届けようとするのである。
「生まれてきてくれてありがとう」
是枝裕和。韓国映画を撮る。
2019年『真実』を外人キャストでしかも全編フランス語で、
日仏合作で撮り終えた是枝裕和監督。
『真実』独特の明るさと自由に溢れていた。
『ベイビー・ブローカー』は韓国人キャストで、韓国オールロケの純粋の
韓国映画です。
是枝裕和監督は映画に、国境も言葉の壁も全く関係ないことを証明した。
母国のように溶け込み自由自在に撮影する彼は真の国際人だ。
是枝監督の優しさや映画への情熱が言葉の壁を超えて伝わるのだろう。
「映画」は「音楽」や「美術」「写真」と同様に万国共通芸術かも知れない。
最高の韓国人キャストが集結して、
『ベイビー・ブローカー』に映る韓国は最高に美しい国だ。
撮影したホン・ギョンピョさんの映す韓国は、上下左右に幅広くて(つまり広角・・)
切り取るカットも実に垢抜けている。
ボロのワンボックスカーが走る海辺の一般道も、山間地帯も異常に美しい。
主人公たちは後半でソウル行きの列車に乗り換える。
高速列車がトンネルに吸い込まれる。
画面はトンネルの上の山並みをヘリコプターから付近一帯の美しい山の連なりを写す。
なんと肥沃な美しい山、森、木々だろう。
都会もクリーニング店も路地も皆、ストーリーを持ち話しかける。
(かつて無いほど韓国が魅力的に撮影されている)
何故だろう?
是枝裕和が分け隔てない心で韓国を韓国人を敬い、愛し、
見たそのまの韓国を映画に落とし込む。
俳優たちは力みも虚栄も捨ててありのままの自分で、
自由奔放に演じている。
(その環境を作る事が如何に大事かを知る映画でもあった)
そして『ベイビー・ブローカー』は最高に面白い。
ロードムービーで、赤ちゃんを斡旋する犯人側には
「ベイビー・ボックス」に乳児を捨てた母親も合流している。
そして彼らを尾行してるのは「ベビー斡旋の現行犯」で逮捕を目論む
警察の女性刑事2人。
見て行くうちに、ブローカーのソン・ガンホと共犯のカン・ドンウォンが
犯罪者なのか?、そうでないのか?
観客の私には、分からなくなって行く。
彼らは正しい行為を行なっているのではないか?
赤ちゃんにとって一番良い《生きる環境の選択》を探して
いるのではないのか?
そう思えてくる。
捨てた母親は劣悪な環境に育ち、しかも大変な罪を犯している。
見てると、まず最初に赤ん坊を保護したらどうなのか?
そう思うし、
殺人犯はまず身柄の拘束だろう!
そう思う。
女性刑事は頑なに「ベビー斡旋の現行犯逮捕」に拘る。
ロードムービーは観光旅行を兼ねて「観覧車」に乗ったり、
射的をしたり、ソン・ガンホは離婚して離れ離れになってる娘に
面会したりもする。
そして何組も顔合わせする《養子縁組》はことごとく母親が
《難癖》が付けて、ぶち壊したりが面白いし可笑しい。
捨てられた赤ん坊にとって、一番良い選択とは何なのだろう?
その回答を探して、
ブローカーも警察もそして観客も右往左往して、
そして真剣に考えることになる。
そういう映画。
この子にとって、一番の幸せとは何か?
それを探し続ける映画。
安易に答えは示さない。
けれど観客は、
ウソンちゃん(赤ん坊)が、たくさんの
『生まれてきてくれて、ありがとう』
を浴びて大きくなることだろうと、
確信する。
昨日鑑賞、2本立て1本目。是枝監督の韓国作品。 大いに期待したが、...
期待してた故に、もう少し強く残る何かが欲しい
需要と供給は対をなすが、法は需要と供給のいずれにも対をなす
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