ベイビー・ブローカーのレビュー・感想・評価
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二面性を持った家族をテーマにした作品。
タイトルのベイビーブローカーと聞いて、当初はブローカー寄りの話なのかと思っていたが、まさかのロードムービー作品と登場人物に
子供を捨てた母、ブローカー、刑事。3つの点が繋がった時に衝撃を受ける!
前作の万引き家族から共通する部分と同じで登場人物全員が過去に何かしらの心の傷を持ち合わせ、奇妙な出会いから子供を売るという旅に出て、ギクシャクした不思議な関係から次第に、売り物であった赤ちゃんのウンスを中心に、お互いの価値観を過去を知り理解し合う過程と感情が積み重なり、自然とお互いがなくてはならない家族の様になっていくストーリーは見ていて穏やかな気持ちといずれ絶対にさよならが決まっている旅路を重いテーマながらも淡々とそこにいるかの様に映し出す自然な登場人物達の自然な演技を見ている間に、とても愛おしくひとりひとりを次第に好きになっていた!それと同時に、どうこの物語を着地させるのかという部分にも興味が湧いた。
是枝監督作品シリーズを通してなのか?テーマでもあるかの様な自明は人としての在り方を常に静かに問いかけられるかのような感じがし、特に観覧車🎡でのドンスとソヨンのシーンは一番印象的に残り、過去と現在そして未来がそこに集約されているかの様な美しさであった。
一見したストーリーに隠された二面性、登場人物全員が許し許され今を生きることに疑問を持ちながらも、共有した時間の中で理解し合い出した「生まれてきてくれてありがとう」という言葉に込められた、再生への道。
見終わった後に、何を感じるかどう生きるか?
万引き家族の時同様に、投げかけられた問にどう答えるかは見た人感じた人でしか分からない。
ベイビーブローカー を見終わった後にamazarashiの曲「さよならごっこ」が無性に聴きたくなり、まさにこの作品を歌いあげているかの様な世界観で終わった後にひとり聴いて世界観に浸ってしまった(笑)
辛さなら背負えるから
痛みなら分け合えるから
でもキミの運命までは肩代わりできない
いずれ必ず離れ離れになるということは1度は1つなれたかな
諦めと呼ぶには後ろめたい運命、運命
そう君はよんだ
今週は本命以上だと思うけど、韓国の地理に詳しくないと厳しい点も…。
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★ 6/30追記 ※ 他の方のコメント通り、誤りがあった部分を修正)
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今年181本目(合計457本目/今月(2022年6月度)28本目)。
…ということで、おそらく今週は本作品か「ロストシティ」かの2択(対抗に「神は見返りを~」が入るかな)というこれまた難しい週(競馬新聞の予想欄ではない…)。
いわゆる「赤ちゃんポスト」の韓国版をテーマに、俗にいわれる疑似家族を描いたという趣旨の映画です。
超人気作になることは期待できるし、特集や予告を一気に超えるようなことを書くとネタバレになってしまうので、そこは控えめにしなきゃいけませんよね。
タイトルにも書いたのですが、この映画はそれ自体、もともと本国の韓国で超ヒットしたのか、もともと韓国の方が(日本でいう高校地理程度の)いわゆる一般常識としての「韓国地理」を理解しているというのが前提な気がします。主要な舞台はプサンと言えますが、それ以外にも実にいろいろ出てきます。
個人的には、字幕が若干不親切な気がしましたが(プサンをはじめとしていくつもの街を移動するわりに、大半看板などの韓国語の翻訳がないので、何が何屋なのかさえ分からないし、「逃亡劇」で何を購入しているのかもわからない)、いろいろな事情で急ピッチで字幕を作ったのではなかろうか…(賞を取ったので)ということ、また、確かに字幕は不親切なものの、なくても理解に大きな妨げはでないという点も加味して減点なしにしています。
▼ 映画内で参照される内容
「傷害致死で…」 → 日本でいうなら、「保護責任者遺棄で」というのがわかりやすいです → ここは、ストーリー的に被害者は「保護責任者遺棄」の対象たりえないので、「傷害致死」が正しいようです(ただし、赤ちゃんポストに入れる行為自体は、それはそれで同じく(日本で言えば)「保護責任者遺棄」(に相当する罪には)問われます)。
(映画内、序盤で訪れる)「麗水」(ヨス)
→ 韓国では「海の街」として知られます(日本では唐津市と提携関係にあります)。日本であえてたとえばいえば、島が多く点在している長崎県のようなイメージです。
また、「2012年麗水国際博覧会」が開かれたように(海をテーマにした取り組みで構成されていた)、とにかく「韓国で海に関することなら麗水」というイメージです。
ここから映画内で最も訪れる、韓国第二の都市、プサンまでは140km(参考:新大阪~岡山が150km)。
海に接した街であるため、映画内で「カニでも食べようか」というのは、韓国では、ここ麗水名物のカンジャンケジャン(の中の、カニの中で「イシガニ」を使ったもの。直訳すれば「カニの醤油漬け」)が有名なところです。「済州4・3」事件とともに戦場にもなり(順天・麗水事件、1948年)、日本への脱出者が多かったため(「スープとイデオロギー」参照)、大阪市の鶴橋をはじめとしたコリアタウンでは「カンジャンケジャン」を見ることができます。
(ほか、気になったところ)
→ 「逃亡劇」の中で、この「疑似家族」が遊園地に行くシーンがあるのですが、妙なほどに古臭いというか、いったいいつの遊園地ですか??状態なのですが(別にさびているわけでもないが、2020~2022年という中では明らかに(日本でいえば)昭和の遊園地、みたいな感じ。射的だの輪投げだのどこの遊園地でやってるんでしょうか…)、そんなものなのでしょうか?
家族とその愛の形
韓国映画だが是枝作品。海を隔てて、同じ家族をテーマにした是枝監督の新作です。
キャストもソンガンホとカンドンウォンの配置が分厚く、久々の参加のペドゥナも嬉しい。IUのぶっきらぼうさも実にあっていました。
少し彩度があったが、是枝作品の色味。音楽も何処か近いものを感じました。
新しく感じたのは脚本の妙。
メインとなる4人を俯瞰的に映し、それぞれに役目を与え深みを描く。
こんな風にそれぞが絶妙に噛み合う脚本はあったろうか?
物語は4人のそれぞれの利害から始まった、奇妙なロードムービー。
闇の部分をテーマとし、抜け出ることのない日常ながら何処か楽しそうに見せてくれる。そこに希望を感じられずにはいられないんですね。
次第に4人はお互いを知り絆を深め、それはもう家族そのもののよう。
しかもその家族は段々と増えていくんです。
「父になる」「万引き家族」そしてたどり着いた「ベイビーブローカー」。
監督が変わらず描き続ける、家族とその愛の形がありました。
とても素敵な作品でした。
IUまで出てる~感激!
是枝監督作品に韓国名優が集結しました。エンドロールでキャスト名がイ・ジウンだったから分かりませんでした。韓国エンタメ界№1のIUがサラッと歌うシーンがあるのも良かったです。内容は普通かなぁ。
ごめんなさい 私には合わなかったです。
大好きな是枝監督 × ソン・ガンホを日比谷TOHOの巨大なスクリーン12で観る。 これ以上ない組み合わせで胸躍らせながら観始めるも まるで面白くない。
我慢して我慢して1時間半座ったけれど退屈な時間に耐え切れず途中退席。
こんな事もままあるね。
それでも是枝作品は今後も観続けるし ソン・ガンホを追いかける。
明日は銀座シネスイッチで 母に捧げるアリア。
映画は愉しいね🎬
リアルよりリアリティー
子供を育てる責任は親にあるのでしょうが、それを見守り手助けする、そんな社会の一員でありたい。捨てられた赤ちゃんを営利目的で養子縁組する、殺伐としたテーマの物語を紡ぐのは、特殊な犯罪者ではない。道中を共にする彼らが心通わせていくのは、正直な自分でいられるから。時折混ざるユーモアも彼らの安心感があってこそ。それを牽引するソン・ガンホの肩の力の抜けた軽やかな演技が素晴らしい!
絵作りの巧みさは勿論、音楽の使い方もとても心地良かった。
ペ・ドゥナ演じる刑事が夫と電話で会話するシーン、大好きだなぁ。
疑似家族としての幸せや居心地の良さが伝わってこない
1人の赤ちゃんを巡って、家族のような絆で結ばれた5人だが、ずっとこのままの関係が壊れないでほしいと思えないのは、どうしたことだろう?
一つは、赤ちゃんに対する母親の愛情が感じられないから。一度は捨てた赤ちゃんを引き取りに戻ったのは、自分で育てたいと思い直したからではなかったのか?それにも関わらず、せっかく赤ちゃんを取り戻したのに、ブローカーに積極的に協力し、赤ちゃんを高値で売ろうとする母親の姿勢には、どうしても違和感を感じざるを得ない。
もう一つは、殺人が絡んでいるという設定。これは、母親が赤ちゃんを捨てる動機にもなっているのだが、物語として飛躍しているし、赤ちゃんの誘拐や売買という犯罪に比べて、殺人という重罪を犯した者に対して、とても「逃げおおせてほしい」とは思えないのである。何よりも、警察が、殺人犯の逮捕よりも、赤ちゃんの売買の現場を押さえることの方を優先しているかのように描かれていることには納得がいかない。
そして、ラストに、結局、ああいう形で話が決着するのであれば、最初から、法を犯さずに養子縁組の手続きをする方法はなかったのだろうかという疑問が残るのである。
ボタンをつけてくれる人がいる幸せ
赤ちゃんは色んな人にあやされて面倒見てもらって抱っこされるのが一番幸せ。赤ちゃんを見たり抱っこすると大人も幸せになる。
この映画の主役は女性刑事二人の一方、チーム長(この人にもボタンつけてくれる人が居る)だと思った。彼女の気持ちが彼らを追ううちに、彼らの会話を聞くうちに徐々に変化していく。彼女の背景は語られないが想像させる深みがあったのは演技力のたまものだと思う。
おまけ
是枝監督の疑似家族シリーズは、家族は血縁だ、子どもには大人の「男女」という父母が居るを前提・当然とする社会や人には効き目があるんだろう(と、思ったがそういう人には何も効かないかもと思いなおした)。一方で、そういった「家族」は幻想でしかなくもっと多様だという考えを共有している社会や人にとっては響かないと思う(と、思ったが励まされるのかも知れないと思いなおした)。だから是枝監督の映画はリトマス試験紙みたいなものだ。
是枝さん、やってくれた!ありがとう!!
コレこそが、是枝さんの本格的に作ろうとした作品。渾身さが、うかがえる。アジア向けではあるが、絶妙な複線とスパイスがあり、飽きずにいて、社会派なトコロが好きです。役者もイイんで、もっと賞とりでもとの感想。
それぞれの立場で“子供”について考える
予想より静かな展開に、個人にはゆっくり物語に引き込まれました。
ソン・ガンホとカン・ドンウォンが演じるブローカー達と母親のソヨン(イ・ジウン)が赤ちゃんを世話しながら過ごす映像がとても優しい。登場人物がそれぞれの立場で悩み苦しみながら、子供のために何が最善であるかを選択していきます。犯罪が絡んでいるのでハッピーな展開とはいかないのですが、つくり手とこの作品を支持する観客たちの願いが込められた映画だと思いました。
個人的に気になったのは、キム・セビョク(だと思うのですが)の使い方、贅沢過ぎません?
ささやかな祝福への旅
是枝裕和監督「ベイビー・ブローカー」、「万引き家族」と繋がる映画でしたね。「万引き家族」は社会での常識的とされる生き方から外れざるを得なかった人たちへの偏見を描き、あなたもその偏見を持っているのではないかと問う物語だったが、「ベイビー・ブローカー」はそのアンサーとして、その偏見を持つ私たちは変われるのかという物語だと思う。
子供を捨てたアン(IU)とそれを唾棄すべき行為だとアンを蔑視する刑事スジン(ペ・ドゥナ)、そしてアンと母親に捨てられた過去を持ちアンを許すことができないドンス(カン・ドンウォン)。このそれぞれ2人が絡み心が揺れ動く描写は心を打つ。
そして、生まれてきたすべての子どもたちの生をささやかに祝福するシーンは涙がこぼれ落ちた。
あと、キャスティングを見てると、是枝監督が韓国ドラマがほんとに好きなんだなーとよく分かる。それでなんだけど、せっかくリュ・ギョンスをキャスティングしているだから、イ・ジュヨンとの絡みのシーンが観たかったなと梨泰院クラスクラスタとしてちょっと残念。
やはり、子役が良いのよね。。
是枝監督とは相性が良いのです。。
いつの間にか、子どもたちの未来を考えながら、どんな結果が1番良いか。
一緒に悩みながら旅をしていました。。
やはり子供を描かせると上手いなと。
全ての人に捧げる言葉「生まれてきてくれて、ありがとう」
日本でも有名な「赤ちゃんポスト」は韓国では「ベイビー・ボックス」と言われ、ある事情で育てられない女性が赤ん坊を置いていく。韓国では法改正により近年、養子縁組がしずらくなり、仲介役「ベイビー・ブローカー」という裏稼業が存在している。
ベイビー・ブローカーのサンヒョンとドンス、2人を追う刑事のスジン、そしてソヨンと施設から飛び出した男の子(名前忘れた)。それぞれの視点から心の機微を丁寧に描きながら、韓国の社会や福祉を問題提起している。
さらに“産む前に殺すか”“産んで捨てるか”どちらが悪いのかといったテーマも織り込みながら…。
取り扱うテーマが重いのに、ロードムービーな側面も見られ、どこか爽快感やノスタルジックさも漂う。
義父母探しの旅を続けるうちに深まる5人の絆、施設出身のドンスがソヨンとの出会いによって自身の過去と向き合い赦す姿に感情が揺さぶられる。観覧車のシーンが美しくて好き。
万引き家族に続く“擬似家族物語”
サスペンスと思いきや、温かく悲しいドラマ
ベイビーブローカーの話だけど、サスペンス的ではなく、皆んな捨てられた寂しい人同士の人間模様を描いた物語。
ブローカーじゃなく優しい人だった。
最後の方はなんか悲しかった。自業自得だが残念。
結末、終わり方も韓国っぽくて良かった。
エンドロールに流れるピアノも韓国らしく悲しげに響いた。
キレイごと過ぎる着地かな
ソン・ガンホとカン・ドンウォンだもの~
そりゃあ期待しますもん☆彡思いっきりね。
韓国作品と言えばそこまでやるってか~!!とかエグ過ぎる~!!
そこがイイんだけれど。
でも是枝監督作品なので淡々としていてほのぼのしていて。
本作はかなりファンタジーっぽくもあるし。
ソン・ガンホは期待通りだったし
うるっと来た場面もあったけれど・・・
カンちゃんは相変わらずカッコイイし(*^^*)
なのになのに
なんだろう
この物足りなさ。
キレイごと過ぎないだろうか?
赤ちゃんポスト・・・・・
こんなに浄化されるお話しになって良いのだろうか?
もっともっと葛藤や苦悩がありはしないだろうか?
ヒロインが安藤サクラさんだったらどう演じただろう?
こう考えた時点でマイナスになってしまう。
悪くはないんだけれど
全体的に何かがちょっとづつ足りなくて
モヤッとした気持ちの猫でした~
何回か観ればいいのかも
誰に対する愛情をどう表現したかったのか。
まとまり切らないのを無理矢理まとめた感じがした。
空気感は良かった。俳優陣の演技でそれぞれのシーンはまとまっていたように思う。
どこにどう向きの感情を動かしたらいいのか、自分として軸足が決まらなかった。
サブスクで観れるようになったら軸足を決めて見直そうかと思う。回数を重ねて観るとどんどん良くなる作品かも知れない。
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