ベイビー・ブローカーのレビュー・感想・評価
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生まれてきてくれて、ありがとう
韓国映画は基本的には、あまり観る機会は少ないのだが、カンヌ映画祭でパルム・ドールに輝き、『万引き家族』の是枝裕和が監督、そして、『パラサイト』のソン・ガンホが主演と、話題性は高くて鑑賞。赤ちゃんポストに捨てられた子とその母親、そして、その子を売ろうと関わったベイビー・ブローカー達の想いを通して、親と子の絆を訴えかけてくる。 韓国という舞台ではあっても、親子の絆という点では、万国共通のテーマ。是枝流の『情』が湧き出る演出を感じさせる内容。2時間の上映時間の中で、已むに已まれずに手放さなければならない母親の苦悩やブローカー達の心の変容振りが、確かに伝わる。大掛かりなシーンも特別なセットもない日常風景の中で、出演者の淡々とした演技が、却って人間味と愛情を感じさせるヒューマン・タッチな作品へと掘り下げている。これは、『ドライブ・マイカー』でも感じたことだ。 赤ちゃんポストというのは、日本でも一時期ニュースで話題となって、賛否両論別れた、命の尊厳に関することだと思う。折しも、劇中、真っ暗な部屋の中で、イ・ジウンが「生まれてきてくれて、ありがとう」と囁く言葉が、この作品の根底に流れている、強い強いメッセージだと感じた。 主演のブローカー役のガン・ソホンは、『パラサイト』の時も感じたが、うだつの上がらない、情けない男がよく似合う。しかし、それと同時に、どうしようもない愛おしさも感じさせるのが名優たる所以であろう。 そこに、ブローカー仲間役のカン・ドンウォン、母親役のイ・ジウン若手が、世間から見放され、社会の隅で暗い過去を背負って生きてきた、哀愁漂う男と女を演じている。特に、ジウンの子供に対する尖っていた表情が、次第に温かみのある母親の表情に変容していくのがいい。 全く血の繋がらない人々が、小さな赤ちゃんの命を通して、一見、固い絆に結ばれていく姿を描いている。しかし、これは本当の幸せなのかを絶えず問いかけながら、実は、諸刃の剣であることも、合わせて訴えかけてくる。
押して左
役者陣がソン・ガンホ、ペ・ドゥナを筆頭に新感染のカン・ドンウォン、梨泰院クラスのイ・ジュヨンと豪華(IUは知りませんでしたヨカッタヨ~) 相変わらず是枝裕和の演出がひたすらフリが効いており鼻につくくらい ロードムービーの作りになっており、途中退屈に感じるキライもあるが、とにかく上手い!!という映画
是枝裕和ワールド
仕事帰りに観に行ったので、疲れていたのかボーッと観賞してのめり込めなかった。 ネグレクト、子供取り違え、などなど思いテーマを取り上げる監督。ボーッと観賞してしまったのは是枝裕和ワールドだからか、韓国映画だからでしょうか。もう一度観直そうかな。 是枝裕和監督作品はすべて観てますが、自分的には海街diaryが一番好きですね。 江ノ島の食堂にも二回ほど行きましたが 皆さんは是枝ベストはなんでしょ?
本当に退屈な映画だった
ソン・ガンホさんが好きで、さらにこの方が出演されている映画はハズレが少ないのと合わさって、かなり期待して映画を観に行きました。 「ベイビー・ブローカー」というタイトルも怪しげで好きだし(笑) 序盤から中盤と、盛り上がりや展開に欠け、終盤に大きな展開を期待するも、何の展開も盛り上がりもなく終わってしまいました(・・;) ただただ、眠気と戦っていました。
なぜ韓国?
借金に追われるサンヒョンと、施設で働く児童養護施設出身のドンスは裏でベイビー・ブローカーをしていた。ある雨の晩、2人はソヨンが赤ちゃんポストに預けた赤ちゃんを連れ去った。しかし、翌日戻ってきたソヨンが、赤ちゃんが居ないことに気づいて警察に通報しようとしたため、2人は仕方なく赤ちゃんを連れ出したことを白状した。成り行きから彼らと共に養父母探しの旅に出ることになった。一方、サンヒョンとドンスをベイビー・ブローカーとして検挙しようと刑事のスジンとイは、現行犯逮捕を狙い彼らを尾行していた。さてどうなる、という話。 赤ちゃん以外の4人は全員他人なのに共同生活してたのは、万引き家族に似てた。 韓国映画なのに韓国っぽくなく、結論は観たい人が自分で想像して下さいっていう是枝作品だった。 これを韓国映画にした理由はなんだったんだろう? 韓国の方が人身売買が盛んで現実味が高いのかなぁ? 刑事も含め、あんな結末で良かったのかなぁ? 色々考えさせられる評価の難しい作品と感じた。
どこまでもやさしい…
社会的な弱者に寄り添い、彼らの事情や生き様を見つめる。彼らが身を寄せ合いやがて疑似家族となってゆく様を。 是枝監督の視線はどこまでもどこまでもやさしく、彼らの存在を肯定し、そっと寄り添う。韓国映画として作られた作品なから、それは「万引き家族」とも通じるものだ。 韓国の名優を集めて撮られているが、出色なのはむしろシンガーソングライターでもあるというイ・ジウンと5歳くらいの子役の子だった… 「人にやさしく」の歌詞を思い出す。そんな作品…
本当にこの結末にしたかったんですか
邦画の児童養護施設の作品もそうですが、男子は窃盗女子は売春っていう展開多くないですか。たまたまですか。
そしてこの結末。
本当にこれにしたかったんでしょうか。
全体的に尺が長いわりに本の展開が迷子になっていることが多く、正直観ていてかなりしんどかったです。
レイトショーで観たのも悪かったのか、映画館内各所から健やかな寝息も聞かれていました。
結局、主題はなんだったんでしょう???
ソン・ガンホ氏の演技は素晴らしかったですが、この焦点が定まらないストーリーのキャラでよく受賞されましたなと。
生まれて着てくれてありがと。ただそれだけ
相変わらず内容色なん方が考察しているので、自分のための感想文です。
見終わったあと、個人的に見終わった後に母親に連絡したくなるような映画でした。
ほんとに色々考えさせられる映画ですし、特に家族とはと考えさせれます。特に自分は子供がいないのでそこまでほんとにわかっているのかと言われるとわかってないのかもしれませんが、それでも色々な家族の形があっていいのではないかと思いました。
そもそも、人が100人いたらみんな違う考え方なのだから、色々な意見があっていいし、色んな家族があって良いのにいつの間にか、世に言う普通と言う言葉に縛られているんだなとも強く思って自分ってダメだなと思いズーンとなったり。
凄く印象に残ったのが生まれて来てくれてありがとう、と言う言葉のシーンで、なんか自分にも言われてるようでなんか目頭が暑くなりました。僕達はその言葉を求めてるだろうし、その言葉で何度も救われてるな改めて思いました。それが家族であれ友達であれ恋人であれ。もちろん綺麗事じゃあねーかそんなの、色々迷惑かけてるやつもいるだろうがと言うのもわかりますが、それでも生まれてきた事に罪はないと私は思います。
色々な家族がいて良いし、色んな形で色んな思いがある家族が増えればよりいいなと個人的には思いました。逆にこう言うが普通すぎて映画にも取り上げられず、ニュースにもならない様になれば良いと思いました。
長々と読んでくれる方がいたらすいませんでした。
優しく、切ないが
人に対する視点が多面的で優しく、包容力があり、そんな描かれ方をしても、問題は問題として存在するので、とても切ない。 家族とはなにか?と是枝作品を観るといつも考えさせられます。子どもにとっての幸せとは何でしょうか、お父さんとお母さんがいること? 生まれてきてくれて、良いことがあった、悪いことばかりではない、それがありがとう、のメッセージがたくさんの人に伝わるといいな、と思いました。
新説:是枝裕和監督は相田みつをである
下記イ・ロのうち、直喩はどちらか答えよ。 イ 是枝裕和監督は映画界の相田みつをである。 ロ 是枝裕和監督の映画から滲み出る人間性への信頼は、相田みつをのようである。 比喩について、受験生の子どもに聞かれて、冷や汗を掻いたことがあるものですから😅 (答;ロ) のっけから訳の分からないこと書いてすみません。 でも、次の相田みつをさんの言葉を見たらなんとなくお分かりいただけると思います。 うつくしいものを 美しいと思える あなたのこころが うつくしい (うつくしいものを〝やさしさ〟と置き換えると、より是枝監督の世界観に近くなります) あなたのこころが きれいだから なんでもきれいに みえるんだなあ (きれい、というのは外見性からくるものというよりも傷や挫折への共感性の比喩的表現だと解釈しています) 感動とは 感じて動く と書くんだなあ (人が人に共感することで、自分でも思っていなかったような行動力を引き出すことがあります) 何日間か一緒に過ごすうちに見えてくるもの、相手の心の底にあるもの…それらはいつも正しくそこにあるわけではないし、醜いものだってある。 それを掬い取る側の人間次第で見え方が違ってくるし、次にどう行動するかも、その人の感じ方次第で変わってくるわけで、あの刑事の振る舞いにもそれなりの説得力が出てくる。 ロードムービーのいいところは、新たな出会いやハプニングによって、当初の思惑や計画がどんどん形を変えていくところ。 要は世の中思うようにはいかなくて、ほとんどなんでもありってことなのですが、そんなことでも起きなきゃ(なんでも計画通りだとしたら)、成長できないのも事実。 仕方ないよなあ、だって人間だもの。
是枝さん、ソンガンホ。どっちも好きな人には、カツカレーの様な映画。
カツカレーって、 トンカツとカレー、 どっちも好きな人にとってはサイコーなメニュー🍴 でも、どうですか❓ カツカレーってそんなに美味しいですか❓ 食べてみると、 一緒じゃなくても良い気がするのです、 カツカレー🍛 是枝さんの作品は好きです。 そのどれもが、 この世界の片隅の話で、 通底しているのは、人間とは❓、 という普遍的なテーマ。 一番好きなのは、 「海街ダイアリー」 ソンさんも好きですね。 「シュリ」で初めて拝見してから、 もう20年くらい、かなり観てます👍 好きなの選ぶと、悩むが、 「殺人の追憶」 今、日本国内の韓国映画興行て、 どうなんでしょう❓ 映画好きでよく観ます、 という人と話しても、 韓国映画一つも知らないとか普通😩 近所で韓国映画観たいと思っても、 まあ一軒あるかないか😭 客入らないんだろうね💦 そんな中で是枝さんが韓国で映画を作った。 文化の交流としては素晴らしいし、 ちゃんと受賞してる。 ボクには、 スペシャル✨なカツカレー🍛である。 でも巷の人には、 全く美味しそうには見えないんだろうな😩 初日なのにガラガラでした😅 韓国でもどうなんだろう❓ 日本人の監督作品、 避けられそうな気がする。 観るのは一部の映画好きだけ。 興行的にはコレは上手くいかないかも😅 ただパイオニア作品としては、 上々の作品だと思う。 今後是枝さんだけじゃなく、 他の監督でもどんどんやって欲しい。 この作品も、 「海街〜」「そして父に〜」「万引き家族」、 に通ずる、人間とは❓、 と言うより、 劇中でホテルでソヨンが皆に言った、 「生まれてきてくれてありがとう」 これが大命題になってます。 カツカレー、ご馳走様🙏 ※追記 ソンガンホの好きな映画、 「タクシー運転手」のが好きだ‼️ ※追記2 ソヨンがラスト、 ガソリンスタンドで働いてましたが、 赤いサーブ入って来たら良いな😃 て雑感🤣
今回もステキな家族❤️でした
「家族」を構成する「人たち」の心、幸せ、幸福、満足 それが存在する社会のシステム、習慣、決め事 そこに自分もいると思うと、辛い! 是枝監督は、誰に問うているのだらう?
歪な家族だけど、すごく心地よかった。
人生初、韓国映画です。面白かったです。 上手いことまとめられないので、ブツ切りになります。 序盤、正直、展開がいまいち分かりませんでした。ベイビーボックスを個人的に設置している人らのところに、女性が赤ちゃんを置き(捨て)に来た。赤ちゃんを保護する彼らは実はベイビーブローカーでした。 で合ってるんですかね? これまで40人の赤ちゃんを売っているから、警察も目を付けて、近くで張っていたって感じですかね? 物語中盤の、 海進(ヘジンだっけ?)サッカー少年を加えて5人になった時の、なんとも言えない心地良さがすごく落ち着きました。血縁者は赤ちゃんとその母だけですが、友達とも言えない、だからと言って他人でもない。お互い頼ったり、責任を転嫁する関係って感じでした。 2人組みの女性刑事が映る度、むしゃむしゃ食べていたので、なんか意味するのかな?と思ったのですが、よく分かりませんでした。 ドライブ・マイ・カーを見た時も思ったのですが、そこまで衝撃の展開や事実、サスペンスが無くても面白いのは、なぜなのかこれから考えていきたいなと思える作品でした。
普段は温かい映画を好まないのですが。
お涙ちょうだい、都合の良いハッピーエンドの映画は苦手です。 暗くて理不尽で、でも少しだけ救いがあるみたいな話の方がリアルに感じられるので。 この映画を観て、都合が良すぎるといった感想を持つ人も多いと思います。 でも個人的には、そういう感じはしませんでした。 訳ありな人生を歩んできた人たちの集まりって、本当にこんな感じだと思います。 ソンガンホさんの演技に注目があつまりますが、私はIUさんの目を何度も思い出してしまいます。 目の中に、鎧を纏うように、いつも怒りや敵意を浮かべているのがリアルでした。 そしてその眼差しが、時々弱々しくなり、不安を浮かべるシーンがすごく悲しかった。 新幹線がトンネルを通るシーン、観覧車のシーン、そしてあの夜の会話で赤ちゃんに言葉を贈るシーン。 暗闇で目が覆われているときだけ、彼女はその鎧を外しているんだと思いました。 この映画の登場人物たちへの感情移入が難しい人は、幸せだってことなんだと思います。
見たことがあるような…⭐︎
是枝監督の作品とのことで、迷わず鑑賞。 前半、期待しながら見ていたのだが 少し退屈な展開。 …で途中からは、これまで監督が描いてきた擬似家族のようになる雰囲気。 もちろん、ソン・ガンホはじめ、ぺ・ドゥナ、ユン・ドンス等の役者さんや 監督独特の子役の使い方など良いところも満載なのだが、エンドロールまで 見ても「万引き家族」のようなインパクトは感じられなかった。 カトリーヌ・ドヌーブが出演した「真実」の時にも思ったが、自分は 監督が作り出す普通の日本の生活の中にある何かを切り取ったような 作品の方が好きなのかもしれない。 また、いつかそんな作品を見てみたい。 …それでも、彼の作品なら全て また映画館に行くと思う。
運命共同体という家族のカタチ
個人評価:3.7 家族のカタチや在り方を、常にテーマとして描いてきた是枝作品。本作はまた違った家族像を描いていると感じる。一つの命をきっかけに関わりあった他人同士。その命を中心に過ごしたあの瞬間だけは、確かに家族だった。そこには母や父などの役割を超えた一つの運命共同体。そこに是枝監督の描きたい新しい家族像があると感じた。 ただ韓国の名俳優達を多数使う為、脚本も各キャラクターに対し、しっかりと描く必要があったのか、とても蛇足や無駄がある様に感じ、万引き家族の様な完成された脚本ではなかったとも感じる。 しかしながらソン・ガンホ、ペ・ドゥナが共演する是枝作品。それだけでも一見の価値あり。
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