「赤ちゃんを売るための旅路の果てに懺悔と希望に辿り着く人々...」ベイビー・ブローカー O次郎(平日はサラリーマン、休日はアマチュア劇団員)さんの映画レビュー(感想・評価)
赤ちゃんを売るための旅路の果てに懺悔と希望に辿り着く人々...
『万引き家族』で一世を風靡した是枝裕和監督が『真実』の次に放った韓国映画。『万引き家族』のように人に言えない過去を持つ老若男女が奇妙に犯罪で結びついた”疑似家族”になっていくプロットは同じように見えつつも、本作では彼らを断罪する側からも理解と慈悲がもたらされ、幼子を想う気持ちを通してそれぞれの人物が真人間になっていく姿は監督自身の家族愛をよりダイレクトに反映させた作品、という風に言えるかもしれません。
本作を一言で表すとやはり、終盤にみんなでお互いに祝福し合った”生まれてくれてありがとう”という言葉に集約されるのでしょうか。
渦中の幼子であるウソンの未来を守る決意の下に行動した結果、登場人物それぞれが(主人公は別として…)自身の未来をも再生させており、フィクションであるとはいえ、新しい命の力に驚かされる作品でした。
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