「赤ちゃんを捨ててはならないが…」ベイビー・ブローカー のりかずさんの映画レビュー(感想・評価)
赤ちゃんを捨ててはならないが…
万引き家族もベイビーブローカーも社会的に許されないことだが、是枝監督がそれをフィクション映画の世界で成立させているからこその作品なのだと思う。
ソンガンホ演じるサンヒョンは、赤ちゃんを裏ルートで売りさばく闇のブローカーでありながら、赤ん坊のことをとても気にかけている優しい人物であることが伝わってくる。さすが韓国きっての名優だ。
劇中、赤ちゃんを捨てたソヨンに刑事が言い放つ「捨てるのなら生まれる前になんとかできたのではないか?」に対し、ソヨンが「生まれてから捨てることと生まれる前に殺すこととどちらの罪が重いのか?」と言い返す。
生まれる前と生まれてからでは全く罪が異なるのだが、生まれる前に殺すという言葉が表す「中絶」は罪であると思い知らさせる。
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